結論テキスト
原査定を取り消す。
本願商標は、登録すべきものとする。
Trademark Appeal Case
本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。
| 審判番号 | 2025018894 |
|---|---|
| 審判種別 | 記載はありません。 |
| 結論 | 勝訴(請求認容) |
理 由
本願は、令和5年4月17日に登録出願されたものであって、その手続の経緯は以下のとおりである。
令和5年11月15日付け:拒絶理由通知書
令和5年12月22日受付:意見書、手続補正書
令和7年 8月22日付け:拒絶査定
令和7年11月27日 :審判請求書
令和7年11月27日受付:手続補正書
本願商標は、別掲1のとおりの構成からなり、第44類に属する願書記載のとおりの役務を指定役務として登録出願されたものであり、その後、指定役務については、上記1の原審及び当審における手続補正書により、最終的には、第44類「医業(ただし、診療所の運営に限る)」と補正されたものである。
原査定において、本願商標が商標法第4条第1項第11号に該当するものとして、本願の拒絶の理由に引用した登録第4771403号(以下「引用商標」という。)は、別掲2のとおりの構成からなり、平成15年10月1日に登録出願、第44類に属する商標登録原簿記載のとおりの役務を指定役務として同16年5月14日に設定登録され、その後、商標登録の取消し審判により、指定役務中、令和6年10月18日に「医療用機械器具の貸与,美容院用又は理髪店用の機械器具の貸与」について、同年同月同日に「美容,理容」について、同年同月同日に「入浴施設の提供,庭園又は花壇の手入れ,庭園樹の植樹,肥料の散布,雑草の防除,有害動物の防除(農業・園芸又は林業に関するものに限る。),動物の飼育,動物の治療,植木の貸与,農業用機械器具の貸与,漁業用機械器具の貸与,芝刈機の貸与」について、取り消すべき旨の確定審決の登録がされ、現に、別掲3のとおりの役務を指定役務として有効に存続しているものである。
(1)本願商標について
ア 本願商標は、別掲1のとおり、複数の大きさが異なる円と半円が白抜きされている青色の濃淡のある円図形(以下、「円図形」という。)を上方に、その下に「e-clinic」の文字を濃淡のある青色で表してなるところ、当該文字部分と円図形とは、重なることなく、視覚上分離した態様で配置されているから、それぞれが独立した印象を与えるものであって、これらを常に一体のものとしてのみ観察しなければならない特段の事情も見いだせない。
そうすると、本願商標の文字部分と円図形は、それぞれが独立して自他役務の出所識別標識としての機能を十分に発揮し得るものである。
そして、本願商標の構成中の文字部分は、「電子」等の意味を有する「e」の欧文字一字と「診療所」の意味を有する「clinic」の文字(いずれも「新英和(第7版)中辞典」株式会社研究社参照)を「ハイフン(-)」記号で結合して「e-clinic」と一連に、同書同大同間隔に、全体を濃淡のある青色でまとまりよく表されているところ、「e-clinic」の文字は、一般的な辞書に掲載のない語であるから、特定の意味合いを生じない造語として理解されるものである。
一方、本願商標の構成中の円図形からは、何ら称呼及び観念は生じない。
そうすると、本願商標は、下方の文字部分に相応して、「イイクリニック」の称呼が生じ、特定の観念を生じない。
(2)引用商標について
ア 引用商標は、「e」の文字を図案化したような濃淡のある水色の図形(以下「背景図形」という。)の上に重なるように、「CLINIC」の紺色の文字を表してなるものである。
イ 引用商標の構成中の背景図形は、引用商標の指定役務との関係で何ら称呼及び観念が生じるものではなく、また、「診療所」の意味を有する「CLINIC」(前掲載書参照。)の文字は、引用商標の指定役務中の「医業」等との関係では、役務の提供場所を表示するにすぎないものであるから、出所識別標識としての称呼及び観念を生じるものではない。
ウ そして、背景図形と「CLINIC」の文字は、重ねてまとまりよく一体的に表してなるとの印象を与えるものである。
エ そうすると、引用商標は、上記アの文字部分と背景図形からなる構成全体をもって、役務の出所を識別し、取引されるものとみるのが相当であり、これよりは、出所識別標識としての称呼及び観念を生じるものではない。
オ あるいは、上記アの背景図形は、図案化された「e」の文字として把握される場合もあるものといえ、その場合、上記ウのとおり、図案化された「e」の文字と「CLINIC」の文字は重ねてまとまりよく一体的に表されているから、それら文字部分に相応して、「イイクリニック」又は「クリニックイイ」の称呼を生じ得るが特定の観念を生じるものではない。
(3)本願商標と引用商標の比較
ア 本願商標と引用商標を比較すると、外観について、本願商標が上記(1)アのとおり、円図形と「e-clinic」の文字の構成要素からなるのに対し、引用商標は上記(2)ア、ウ及びオのとおり、背景図形あるいは、図案化された「e」の文字と「CLINIC」の文字とがまとまりよく一体的に表されたものであるから、両者は外観的特徴が異なり、判然と区別できる。
イ 称呼について、本願商標からは「イイクリニック」の称呼が生じ、引用商標からは、出所識別標識としての称呼が生じないか、あるいは、「イイクリニック」又は「クリニックイイ」の称呼が生じ得る場合もあるから、称呼を共通にする場合があり得る。
ウ 観念について、両商標からは観念が生じないため、比較できない。
エ そうすると、本願商標と引用商標は、観念において比較できず、称呼を共通にする場合があり得るとしても、外観において判然と区別できるものであるから、これらが取引者、需要者に与える印象、記憶、連想等を総合して全体的に考察すれば、両者は相紛れるおそれのない非類似の商標というべきである。
(4)まとめ
以上のとおり、本願商標は、引用商標とは同一又は類似する商標ではないから、その指定役務について比較するまでもなく、商標法第4条第1項第11号に該当しない。
したがって、本願商標が、商標法第4条第1項第11号に該当するとして本願を拒絶した原査定は、取消しを免れない。
その他、本願について拒絶の理由を発見しない。
よって、結論のとおり審決する。
Next Action
類似審決の追加調査から中間応答、新規出願の費用確認まで、この審決を起点に次のアクションへ進めます。
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