結論テキスト
原査定を取り消す。
本願商標は、登録すべきものとする。
Trademark Appeal Case
本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。
| 審判番号 | 2025019545 |
|---|---|
| 審判種別 | 記載はありません。 |
| 結論 | 勝訴(請求認容) |
理 由
本願は、令和6年12月16日の出願であって、その手続の経緯は以下のとおりである。
令和7年 5月23日付け:拒絶理由通知書
令和7年 6月25日 :意見書の提出
令和7年 9月 2日付け:拒絶査定
令和7年12月 5日 :審判請求書の提出
令和8年 5月25日付け:拒絶理由通知書
令和8年 6月15日 :意見書、手続補正書の提出
本願商標は、「アップサイクルフレーバー」の文字を標準文字で表してなり、第29類、第30類、第32類及び第33類に属する願書記載の商品を指定商品として、登録出願されたものであり、その後、指定商品については、上記1の手続補正書により、別掲1のとおりの商品に補正されたものである。
原審において、「本願商標は、「アップサイクルフレーバー」の文字を標準文字で表してなるところ、この構成中、「アップサイクル」の文字は、「廃物をそのまま再利用するのではなく、商品としての価値を高めるような加工を行うこと」の意味を有する語であり、「フレーバー」の文字は、「飲食物の風味・香り」の意味を有する語であるところ、本願の指定商品との関係においては、「食品香料」を意味する語として広く親しまれている。そして、近時、食品業界においてもアップサイクルが注目されているところ、例えば、アップサイクルによって製造された香料を使用した飲料や食べ物が販売されている実情が見受けられる。以上を踏まえると、本願商標は、構成全体から「廃棄物を加工して製造された食品香料」ほどの意味合いを認識するものといえる。そうすると、本願商標を、本願の指定商品に使用しても、これに接する需要者は、「廃棄物を加工して製造された食品香料」や「廃棄物を加工して製造された食品香料を使用した商品」と認識するにすぎず、単に商品の品質を普通に用いられる方法で表示するものと判断するのが相当である。したがって、本願商標は、商標法第3条第1項第3号に該当し、前記意味合いに照応する商品以外の商品に使用するときは、商品の品質の誤認を生ずるおそれがあるから、商標法第4条第1項第16号に該当する。」旨認定、判断し、拒絶したものである。
当審において、審判長は、請求人に対し、令和8年5月25日付け拒絶理由通知書で、別掲2ないし別掲4に掲げる事実を提示した上で、以下のとおりの見解を示す拒絶の理由を通知し、これに対する回答を求めた。
本願商標は、「アップサイクルフレーバー」の文字を標準文字で表してなるところ、その構成中、「アップサイクル」の文字は「不用品や廃物を再利用して、以前より付加価値の高い商品を作り出すこと。」(出典:コンサイスカタカナ語辞典 第5版 株式会社三省堂)の意味を有し、「フレーバー」の文字は「飲食物の風味・香り。」(出典:「広辞苑 第七版」株式会社岩波書店)の意味を有するものである。
そして、原審提示の情報に加えて、別掲2のとおり、本願の指定商品中「食品香料(精油のものを除く。),飲料用香味料(精油のみから成るものを除く。),菓子用香味料(精油のみから成るものを除く。),食品用エッセンス(エーテルエッセンス及び精油のものを除く。),食品用香味料(精油のみから成るものを除く。)」(以下これらをまとめて「食品香料に関する商品」という。)を含む食品業界において、近年、本来であれば廃棄されていた食材や食品を活用し、付加価値をつけて新たな商品とするアップサイクル食品(製品)が注目されており、その中には、別掲3のとおり、アップサイクルによって作り出された香料も広く含まれている実情が確認できる。
また、「食品香料に関する商品」を取り扱う分野において、原審提示の複数の事典(辞典)及びインターネット情報に加えて、別掲4のとおり、「フレーバー」の文字が「食品香料」を表す語として載録又は使用されている実情も踏まえると、「アップサイクルフレーバー」の文字は、「アップサイクル」及び「フレーバー」の2語を結合してなるものと容易に理解し、「食品香料に関する商品」との関係において、本願商標の構成全体としては「アップサイクルした(廃物を再利用して、以前より付加価値を高めた)食品香料」ほどの意味合いを容易に認識させるものといえる。
そうすると、「アップサイクルフレーバー」の文字よりなる本願商標をその指定商品中、「食品香料に関する商品」に使用した場合、これに接する取引者、需要者は、「アップサイクルした(廃物を再利用して、以前より付加価値を高めた)食品香料」であること、すなわち、商品の品質を表示したものと認識するにとどまり、自他商品の識別標識としては認識し得ないというべきであるから、本願商標は、その商品の品質を普通に用いられる方法で表示する標章のみからなる商標というのが相当である。
また、本願商標をその指定商品中、「アップサイクルした(廃物を再利用して、以前より付加価値を高めた)食品香料」以外の「食品香料に関する商品」に使用するときは、商品の品質の誤認を生ずるおそれがある商標というべきである。
したがって、本願商標は、商標法第3条第1項第3号及び同法第4条第1項第16号に該当する。
上記4の拒絶の理由に対し、請求人は、令和8年6月15日付け意見書及び手続補正書を提出し、本願の指定商品を補正するとともに、当該補正により、商標法第3条第1項第3号及び同法第4条第1項第16号の拒絶理由は解消した旨を述べた。
本願の指定商品は、別掲1のとおり補正された結果、拒絶の理由に係る指定商品は削除されたものと認められる。
したがって、本願商標が商標法第3条第1項第3号及び同法第4条第1項第16号に該当するとした拒絶の理由は、解消した。
その他、本願について拒絶の理由を発見しない。
よって、結論のとおり審決する。
Next Action
類似審決の追加調査から中間応答、新規出願の費用確認まで、この審決を起点に次のアクションへ進めます。
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