結論テキスト
本件審判の請求は、成り立たない。
Trademark Appeal Case
本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。
| 審判番号 | 2025650012 |
|---|---|
| 審判種別 | 記載はありません。 |
| 結論 | 敗訴(請求棄却) |
理由
本願は、2023年(令和5年)5月26日に国際商標登録出願されたものであって、その手続の経緯は以下のとおりである。
2024年(令和6年) 4月12日付け:暫定拒絶通報
2024年(令和6年) 7月22日受付:意見書、手続補正書
2024年(令和6年)11月 1日付け:拒絶査定
2025年(令和7年) 2月13日 :審判請求書
2025年(令和7年) 8月 6日付け:審尋
本願商標は、別掲1のとおりの構成よりなり、第5類に属する日本国を指定する国際登録において指定された商品を指定商品として、2023年5月16日に韓国においてした商標登録出願に基づいて、パリ条約第4条による優先権を主張し、国際商標登録出願されたものであり、その後、指定商品については、上記1の手続補正書により、別掲2のとおりの商品に補正された。
原査定において、本願商標が商標法第4条第1項第11号に該当するものとして、本願の拒絶の理由に引用した登録商標は、以下のとおりであり、いずれも現に有効に存続しているものである。
(1)登録第6551907号商標(以下「引用商標1」という。)
商標の構成:「PRESS」の欧文字を標準文字で表してなる。
登録出願日:令和3年7月16日
設定登録日:令和4年5月 6日
指定商品:別掲3のとおり
(2)登録第6740722号商標(以下「引用商標2」という。)
商標の構成:「PRESS」の欧文字を標準文字で表してなる。
登録出願日:令和2年2月20日(商願2020-18707に係る商標法第10条第1項の規定による商標登録出願(分割出願))
設定登録日:令和5年9月29日
指定役務:別掲4のとおり
以下、引用商標1及び引用商標2をまとめて「引用商標」という。
請求人は、審判請求書において、「たとえ本願商標が本条に該当するとしても、出願人と引用商標の商標権者との間での交渉が成立次第、しかるべき手続により本拒絶理由は解消いたします。」と主張しているため、上記1の審尋により、譲渡交渉が継続しているのであれば、その状況を説明するとともに、その事実が確認できる書面の提出を求めた。
しかしながら、この審尋に対して請求人からは何ら応答がないから、これ以上、本件について、審理を遅延させる合理的な理由はないものと判断し、審理を終結することとした。
(1)本願商標について
ア 本願商標は、上記2のとおり、「PR」、「SS」及びこれらの欧文字の間に1文字分の横幅で3本の横線からなる上段部分と、「PRESS SHOT」の欧文字を、上段の文字に比してかなり小さく表した下段部分からなるものである。
そして、上段部分の「PR」及び「SS」の文字は、本願商標の指定商品との関係において、直ちに何の語を表してなるのか認識できない欧文字2字である。また、下段部分の「PRESS」の文字は「押しつける、押し込む、押す」等を意味し、「プレス」と発音される英単語であり、「SHOT」の文字は「発砲、発射」等を意味し、「ショット」と発音される英単語であるところ(いずれも、「新英和(第7版)・和英(第5版)中辞典」株式会社研究社参照。)、「PRESS SHOT」の文字全体として特定の観念を生じるものではない。
イ ところで、近時、商標の有する広告・宣伝機能に着目して商標の文字表現に様々なデザインを施し、あるいは文字態様に変化を加えたものが採択されていることは周知な事実であるところ、この広告手法又はデザイン手法の欧文字に係る実情についてみるに、例えば、「文字中の点を線に置き換えたり、削除したりする」、「外形をかたどる部分を塗りつぶす」、「ある文字の右側部分と次の文字の左側部分を共有させる」、「ある文字の一部分を元の文字が判読可能な範囲において欠如させる」等々の手法が取られている実情がある。
そうすると、かかるデザイン手法の実情、下段部分に「PRESS」の文字が含まれていること及び「PR」から始まって「SS」で終わる5文字の英単語は「PRESS」であり、該英単語は平易であることを考慮すれば、上段部分の3本の横線は、「E」の文字を判読可能な範囲で一部欠如させるデザインを施して表したものだと、無理なく理解されるものであり、上段部分全体として「PRESS」の語を表したものと容易に想起されるものである。
ウ そして、「PRESS」の文字は「押しつける、押し込む、押す」等を意味し、「プレス」と発音される英単語であるところ(前掲書参照)、本願商標の指定商品との関係で、直ちにその商品の普通名称や品質等を表したとはいえないものであるから、商品の出所識別標識としての機能を十分に果たし得るものである。
さらに、上段部分と下段部分は、重なることなく文字の大きさを異にして表されていることから、視覚上分離、独立した印象を与えるものであって、それぞれを分離して観察することが取引上不自然であると思われるほど不可分的に結合しているものとはいえない。また、上段部分の「PRESS」の文字は、下段部分の文字に比してひときわ大きく、本願商標の中央に顕著に表してなるから、外観上、強く看者の注意を引くものといえる。
そうすると、本願商標の上段部分の「PRESS」の文字は、独立して商品の出所識別標識としての機能を十分に発揮し得る要部といえることから、これを要部として抽出し、これと引用商標とを比較して商標そのものの類否を判断することも許されるというべきである。
エ してみれば、本願商標は、その構成文字全体から生じる称呼のほか、要部である「PRESS」の文字部分に相応して、「プレス」の称呼を生じ、「押しつける、押し込む、押す」等の観念を生じる。
(2)引用商標について
引用商標は、上記3のとおり、いずれも、「プレス」と発音され、「押しつける、押し込む、押す」等の意味を有する「PRESS」の欧文字(前掲書参照)を標準文字で表してなるものである。
そうすると、引用商標は、「プレス」の称呼を生じ、「押しつける、押し込む、押す」等の観念を生じる。
(3)本願商標と引用商標の類否について
本願商標の要部と引用商標を比較すると、外観においては、「E」文字がデザイン化されている点に差違があるとしても、同じつづりかつ大文字からなるものであるから、両者は外観上、記憶に残る印象において似通ったものである。
また、本願商標の要部と引用商標は、「プレス」の称呼及び「押しつける、押し込む、押す」等の観念を共通にする。
そうすると、本願商標の要部と引用商標は、称呼及び観念が同一であり、外観において記憶に残る印象において似通ったものとなるから、これらの外観、称呼及び観念によって、取引者、需要者に与える印象、記憶、連想等を総合して全体的に考察すれば、互いに紛れるおそれのある類似の商標というのが相当である。
(4)本願商標の指定商品と引用商標の指定商品及び指定役務の類否について
本願商標の指定商品中「mineral food supplements; mineral supplements; dietary supplements consisting of trace elements; dietary supplements with a cosmetic effect; food supplements; powdered nutritional supplement drink mixes; vitamin and mineral supplements; vitamin supplements; dietary supplements consisting of vitamins; dietary supplement drinks; dietary supplements; dietary supplements consisting of amino acids; zinc dietary supplements; liquid vitamin supplements; dietary supplements for human beings.」(参考和訳:「ミネラルを主原料とする栄養補助食品,ミネラルからなる栄養補助食品,微量元素からなる栄養補助食品,美容効果を有する栄養補助食品,栄養補助食品,粉末状のサプリメント飲料の素,ビタミン及びミネラルを主原料とするサプリメント,ビタミンを主原料とするサプリメント,ビタミンからなる栄養補助食品,液状のサプリメント,栄養補助食品,アミノ酸からなる栄養補助食品,亜鉛を主原料とする栄養補助食品,液体のビタミンを主原料とするサプリメント,サプリメント」)と引用商標1の指定商品「サプリメント」は、同一又は類似する商品である。
また、本願商標の指定商品と引用商標の2の指定役務中「飲食料品(「穀物の加工品・ぎょうざ・しゅうまい・すし・たこ焼き・弁当・ラビオリ・即席菓子のもと・茶・コーヒー・ココア・菓子(果物・野菜・豆類又はナッツを主原料とするものに限る。)・菓子(果物・野菜・豆類又はナッツを主原料とするものを除く。)・パン・サンドイッチ・中華まんじゅう・ハンバーガー・ピザ・ホットドッグ・ミートパイ・清涼飲料・果実飲料・飲料用野菜ジュース・乳幼児用粉乳・乳製品・アイスクリームのもと・シャーベットのもと・乳清飲料・冷凍野菜・野菜(「茶の葉」を除く。)・糖料作物・茶の葉・冷凍果実・果実・加工野菜及び加工果実・チョコレートスプレッド」を除く。)の小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供,加工食料品(「穀物の加工品・ぎょうざ・しゅうまい・すし・たこ焼き・弁当・ラビオリ・即席菓子のもと・加工野菜及び加工果実・チョコレートスプレッド」を除く。)の小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供,薬剤及び医療補助品の小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供」は、小売等の役務とその取扱い商品の関係にあり、その対象となる商品を共通にするものであって、それらの商品の小売等役務とその商品の販売は、一般的には同一事業者によって行われることが多いことからすると、役務の提供場所と商品の販売場所とを同一にする場合が多く、取引者、需要者を共通にするものであるから、本願商標の指定商品と引用商標の指定商品及び指定役務とは、相互に同一又は類似する。
(5)まとめ
以上のとおり、本願商標は、引用商標と類似する商標であって、それら指定商品及び指定役務は同一又は類似するから、商標法第4条第1項第11号に該当し、登録することができない。
よって、結論のとおり審決する。
Next Action
類似審決の追加調査から中間応答、新規出願の費用確認まで、この審決を起点に次のアクションへ進めます。
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