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Trademark Appeal Case

称呼・外観の類似性

本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。

基本情報

審判番号2025900225
審判種別記載はありません。
結論敗訴(請求棄却)

結論テキスト

結 論
登録第6958687号商標の商標登録を維持する。

理由テキスト

理 由

第1 本件商標

本件登録第6958687号商標(以下「本件商標」という。)は、「ARANA」の欧文字を標準文字で表してなり、令和7年2月21日に登録出願、第12類「風防ガラス,昇降式テールゲート(陸上の乗物用の部品),乗物用懸架装置のショックアブソーバー,オートバイ,二輪自動車の部品及び附属品,自動車・二輪自動車・自転車用方向指示器,自動車の部品及び附属品,自動車用車体カバー,自動車用泥よけ,自動車用座席カバー,自動車用車体,自動車用ショックアブソーバー,空気ばね(陸上の乗物用の機械要素),ばね油圧緩衝器(陸上の乗物用の機械要素),自動車用ブラインド,泥よけ,二輪自動車・自転車並びにそれらの部品及び附属品,自動車の内装用部品,自動車用座席,乗物用車輪のバランスおもり」を指定商品として、同7年7月18日に登録査定、同年8月19日に設定登録され、その商標権は現に有効に存続しているものである。

第2 登録異議申立人が引用する商標

登録異議申立人(以下「申立人」という。)が登録異議の申立ての理由において引用する国際登録第1398555号商標(以下「引用商標」という。)は、「ARKANA」の欧文字を普通に用いられる方法で横書きしてなり、2017年(平成29年)8月10日に欧州連合知的財産庁においてした商標登録出願に基づいてパリ条約第4条による優先権を主張して、平成30年2月9日に国際商標登録出願、第12類に属する別掲の商品を指定商品として、2019年(令和元年)8月9日に設定登録され、その商標権は現に有効に存続しているものである。

第3 登録異議の申立ての理由

申立人は、本件商標は、商標法第4条第1項第11号及び同項第15号に該当するとともに、同法第3条第1項柱書の要件を具備しないものであるから、同法第43条の2第1号により、その登録は取り消されるべきである旨申立て、その理由を要旨以下のように述べ、証拠方法として甲第1号証ないし甲第24号証(枝番号を含む。以下、枝番号の全てを示すときは、枝番号を省略する。)を提出した。

以下、証拠の表記に当たっては、「甲第○号証」を「甲○」のように簡略して記載する。

1 引用商標の著名性について

申立人は、2022年(1~12月)の販売台数について、日本におけるフランスブランドNo.1となった自動車メーカーである(甲8)。

申立人は、少なくとも2022年5月以降、我が国において、「自動車」に対して、「ARKANA」の商標を使用しており、2022年の「ARKANA」の販売台数は754台であって、申立人の主力商品である(甲7、甲8及び甲10)。

「アルカナ」の世界での販売台数は、2020年10月~2023年7月までで24万台(ルノーコリアXM3を含む)、日本では約2000台であり、日本のみならず、世界においても販売は好調であった(甲9)。

申立人は、2022年から「ARKANA」に関する動画をYouTubeに投稿し、継続的に積極的な広告活動を行っており、2026年1月13日現在、約700万回再生されている(甲11及び甲12)。

申立人は、申立人の日本法人のFaceBookにおいて、「ARKANA」に関するTV・WEBコマーシャルを2024年10月14日に公開しており、「ARKANA」は、自動車に興味を有する需要者のみならず、不特定多数の需要者に対しても浸透している(甲13)。

「ルノー・アルカナ」は、2022年以降、インターネットで継続して検索されている(甲14)。

「ARKANA」は、雑誌「CAR GRAPHIC」(甲15)、「カー・アンド・ドライバー」(甲16及び甲17)に掲載されている。

そして、「ARKANA」は、我が国において、全国で取扱いがなされている(甲18ないし甲23)。

上述から、引用商標は、2022年以降、申立人が自動車について使用し、全国的かつ継続的な販売と積極的な広告宣伝がなされた結果、我が国において申立人の商品名として広く認識されているものである。

したがって、引用商標は、本件商標の出願時(令和7年(2025年)2月21日)及び査定時(令和7年(2025年)7月28日)において著名であったといえる(甲7~甲17)。

2 商標法第3条第1項柱書について

本件商標の商標権者の氏名(以下「本件商標権者」という。)と本件商標とをキーワードとしてGoogleで検索しても一致する情報は見つからず、本件商標権者が本件商標を使用している客観的事実は確認されない(甲3)。

本件商標権者について、本件商標権者の住所が所在する中華人民共和国での商標登録出願又は商標登録を検索すると、いずれの商標登録出願又は商標登録に係る商標も本件商標とは異なり、かつ指定商品も「自動車の部品及び附属品」等とは無関係のものであり(甲4)、本件商標権者は、本件商標権者の住所の存在する中華人民共和国において、本件商標登録に係る商標及び/又は指定商品についての商標登録出願をしておらず、かつ商標登録を有していない。

したがって、本件商標権者が本件商標を使用している客観的事実は確認されず、本件商標権者が本件商標登録に係る指定商品に関する事業を行っていることも推認できないから、本件商標権者の本件商標の使用意思に関して疑義が生じ、本件商標は、商標法第3条第1項柱書を具備せず、その登録が取り消されるべきである。

3 商標法第4条第1項第11号該当性について

(1)本件商標

本件商標である「ARANA」は、アルファベット5文字の標準文字で表してなるものである。

(2)引用商標

引用商標である「ARKANA」は、アルファベット6文字で表してなるものである。

(3)本件商標と引用商標の類否

本件商標は、6文字のアルファベットからなる引用商標の中間に位置する、語頭から3番目の文字「K」を単に除いた標章と同一のものである。

そして、本件商標と引用商標とは、文字列の中間に位置する「K」の1文字の有無のみが相違するが、文字列の語頭又は語尾の1文字と比較して、中間の1文字は、商標に接した需要者によって読み飛ばされる可能性が高く、需要者に対して視覚的に特別な印象を与えにくいものである。

したがって、文字商標中の中間の1文字の有無は、商標の外観の全体的な印象への影響が小さく、本件商標と引用商標との外観は、需要者が視覚を通じて認識する全体的印象が互いに紛らわしいものである。

(4)本件商標の指定商品と引用商標の指定商品との類似性

本件商標と引用商標とに係る指定商品は、09F03、12A01、12A02、12A04、12A05、12A06及び12A73の類似群コードを共通にし、同一又は類似のものである。

(5)まとめ

本件商標と引用商標とは、需要者が視覚を通じて認識する外観の全体的印象が、互いに紛らわしいものであるといえる類似の商標であり、また、その指定商品も同一又は類似のものである。

したがって、本件商標登録は商標法第4条第1項第11号に違反してなされたものであるから、取り消されるべきである。

4 商標法第4条第1項第15号該当性について

上記1のとおり、引用商標は、本件商標の出願前に、申立人の業務に係る商品の商標として我が国で著名であったといえる。

出願商標の指定商品と、著名商標が使用される商品とが関連する場合において、アルファベットの文字列からなる出願商標が、アルファベットの文字列からなる著名商標の語頭のアルファベット1文字を除いたものであって、両商標が外観上近似している場合、通常、商品の出所の混同を生ずるおそれが推認されると考えられる。

そうすると、出願商標と著名商標との相違点が文字列中の中間の1文字の有無である場合も、両商標が外観上近似している場合、同様に混同を生ずるおそれが推認されるものといえる。

ここで、少なくとも「自動車の部品及び附属品」を指定商品として含む本件商標「ARANA」と、申立人が「自動車」や「自動車の部品及び附属品」等の商品に使用する商標「ARKANA」とは、語頭「AR」及び語尾「ANA」を共通にしており、差異点は文字列の中間のアルファベット1文字「K」の有無のみである。当該差異は、両文字列の視覚上の連続性の中で限定的であり、全体としての外観は近似の印象を与えるものである。

また、両商標はいずれも造語であり特定の観念を生じるものではないため、観念面での区別材料は乏しく、外観面が需要者の認識を左右するものである。

したがって、申立人の商標「ARKANA」が著名である場合、両商標の外観近似性と商品の関連性を踏まえれば、商品の出所について混同を生ずるおそれが認められるものである。

また、本件商標の指定商品には「自動車の部品及び附属品」が含まれているところ、申立人提出の自動車「ARKANA」のアクセサリーカタログ(甲24)には「アルカナ専用に開発されたルノー純正アロイホイール」と記載されているとおり、当該分野においては、オンライン商品ページ、カタログ、適合表記などの際に、車種名を結合して表示することが一般的である。

そうすると、本件商標を「自動車の部品及び附属品」について使用した場合、需要者は、申立人の「ARKANA」ブランドと関係する純正・ライセンス・系列の商品表示と誤認する可能性が高い。

よって、本件商標「ARANA」を「自動車の部品及び附属品」について使用した場合、申立人の業務に係る商品と出所の混同を生ずるおそれがある。

本件商標が本件指定商品に使用された場合、その商品の需要者が申立人の業務に係る商品と出所について混同するおそれがある。

したがって、本件商標登録は、商標法第4条第1項第15号の規定に違反してなされたものであるから、取り消されるべきである。

第4 当審の判断

1 引用商標の周知、著名性について

申立人は、引用商標権者によって、引用商標が商品「自動車」に使用され(以下「使用商品」という。)、我が国において広く知られている旨主張している。

(1)申立人の提出に係る証拠及び同人の主張によれば、以下の事実が認められる。

ア 申立人は、2022年(1~12月)の販売台数について、日本におけるフランスブランドNo.1となった自動車メーカーである(甲8)。

イ 申立人は、少なくとも2022年5月以降、我が国において、「自動車」に「ARKANA」の商標を使用し、2022年の「ARKANA」の販売台数は754台である(甲7、甲8、甲10)。また、「ARKANA」の世界での販売台数は、2020年10月~2023年7月までで24万台(ルノーコリアXM3を含む)、日本では約2000台である(甲9)。

ウ 申立人は、2022年から「ARKANA」に関する動画をYouTubeに投稿しており、2026年1月13日現在、約700万回再生されている(甲11及び甲12)。また、申立人は、申立人の日本法人のFaceBookにおいて、「ARKANA」に関するTV・WEBコマーシャルを2024年10月14日に公開している(甲13)。

エ 「ARKANA」は、複数の雑誌(「CAR GRAPHIC」、「カー・アンド・ドライバー」)に掲載されている(甲15,甲16及び甲17)。

(2)判断

上記(1)で認定した事実によれば、引用商標は、2022年から我が国において「自動車」に使用されており、使用商品は、日本各地のディーラーにおいて販売され、引用商標に係る動画及びTV・WEBコマーシャルが、動画サイト及び申立人の日本法人のFaceBookにおいて公開されていること、複数の雑誌に掲載されていることが認められる。

しかしながら、使用商品の2022年の販売台数は754台であり、2020年10月~2023年7月までの販売台数も約2000台であり、その数はさほど多いものとはいえない。

そして使用商品の我が国における市場シェア、売上高などの販売実績についての証拠は提出されていない。

また、引用商標に係る動画及びTV・WEBコマーシャルは、いずれも「アルカナ」の片仮名や他の文字とともに紹介されているものであり、宣伝広告の規模(宣伝広告の金額、時期、地域)等の詳細は不明である。

さらに、雑誌への掲載も僅か3回である。

その他、引用商標が、本件商標の登録出願時及び登録査定時において、我が国の需要者の間において広く認識されていたことを示す具体的な証拠はない。

そうすると、本件商標の登録出願時及び登録査定時において、引用商標が、使用商品を表示するものとして、我が国の取引者、需要者の間に広く認識されていたということはできない。

2 商標法第3条第1項柱書の要件を具備しているかについて

商標法第3条第1項柱書の「自己の業務に係る商品又は役務について使用する商標」とは、少なくとも登録査定時において、現に自己の業務に係る商品又は役務に使用している商標、あるいは、将来、自己の業務に係る商品又は役務に使用する意思のある商標と解される(平成24年5月31日知的財産高等裁判所、平成24年(行ケ)第10019号)。

そうすると、本件商標権者が、本件商標の登録査定時において、本件商標を自己の業務に係る指定商品について現に使用していなくとも、将来においてその使用をする意思があれば、本件商標は、商標法第3条第1項柱書の要件を具備するといえる。

この点、申立人は、本件商標権者が本件商標を使用している客観的事実は確認されず、本件商標権者が本件商標登録に係る指定商品に関する事業を行っていることも推認できないから、本件商標は、本件商標権者が自己の業務に係る商品について使用する商標とはいえない旨主張している。

しかしながら、申立人提出の証拠(甲3及び甲4)によれば、本件商標権者が、現在、本件商標を使用している事実は確認できないものの、だからといって、本件商標権者が、本件商標を将来においても使用をする意思がないとは直ちにいうことはできない。

他に、本件商標の使用又は使用の意思に合理的な疑義があるというべき事情は見いだせない。

したがって、本件商標は、商標法第3条第1項柱書の要件を具備しないものとはいえない。

3 商標法第4条第1項第11号該当性について

(1)本件商標

本件商標は、上記第1のとおり、「ARANA」の欧文字を標準文字で表してなり、当該文字に相応し「アラナ」の称呼を生じ、特定の観念を生じないものである。

(2)引用商標

引用商標は、上記第2のとおり、「ARKANA」の欧文字を普通に用いられる方法で横書きしてなり、当該文字に相応し「アルカナ」あるいは「アーカナ」の称呼を生じ、特定の観念を生じないものである。

(3)本件商標と引用商標の類否

本件商標と引用商標とは、外観において、語頭「AR」及び語尾「ANA」の欧文字のつづりを共通にするものの、「K」の欧文字の有無の差異を有するものであり、この差異が、6文字と5文字という比較的少ない文字構成からなる両商標全体の外観に及ぼす視覚的影響は小さいものとはいえず、両者を離隔観察してみても、それぞれの視覚的印象が異なるものというのが相当であるから、外観上、相紛れるおそれはなく、両者は、明確に区別し得るものである。

また、本件商標から生じる「アラナ」の称呼と引用商標から生じる「アルカナ」あるいは「アーカナ」の称呼を比較すると、2音目における「ラ」と、「ル」あるいは「ー」(長音)の音において明らかな差異を有するものであるから、両者は、称呼上、明瞭に聴別できる。

そして、観念においては、両者はいずれも造語であることから、観念上、比較することができない。

(4)小括

以上によれば、本件商標と引用商標とは、観念において比較することができないとしても、外観において相紛れるおそれのないものであって、称呼において明瞭に聴別できるものであるから、両者の外観、観念、称呼等によって取引者、需要者に与える印象、記憶、連想等を総合して全体的に考察すれば、両者は、相紛れるおそれのない非類似の商標であるというべきものである。

したがって、本件商標の指定商品が、引用商標の指定商品と同一又は類似のものを含むとしても、本件商標と引用商標とは非類似の商標であるから、本件商標は商標法第4条第1項第11号に該当しない。

4 商標法第4条第1項第15号該当性について

上記1(2)のとおり、引用商標は、本件商標の登録出願時及び登録査定時において、申立人の業務に係る商品を表示するものとして需要者の間に広く認識されているものと認められないものであり、また、上記3(3)のとおり、本件商標と引用商標は非類似の商標であって、別異の商標というべきものであることからすれば、本件商標は、看者をして引用商標を連想又は想起するものということはできない。

してみると、本件商標は、引用商標の独創性の程度、本件商標と引用商標の指定商品との関連性の程度、需要者の共通性などを考慮しても、本件商標権者がこれをその指定商品について使用しても、これに接する取引者、需要者をして引用商標を連想又は想起させることはなく、その商品が他人(申立人)あるいは同人と経済的若しくは組織的に何らかの関係を有する者の業務に係るものであるかのように、その商品の出所について混同を生ずるおそれはないものというべきである。

その他、本件商標が出所の混同を生じさせるおそれがあるというべき事情も見いだせない。

したがって、本件商標は、商標法第4条第1項第15号に該当するものといえない。

5 むすび

以上のとおり、本件商標は、商標法第3条第1項柱書の要件を具備しないものではなく、同法第4条第1項第11号及び同項第15号のいずれにも該当するとはいえず、その登録は、同法第4条第1項の規定に違反してされたものとはいえない。

その他、本件商標の登録が、商標法第43条の2各号に該当するというべき事情も見いだせない。

したがって、本件商標の登録は、商標法第43条の3第4項の規定により、維持すべきである。

よって、結論のとおり決定する。

別掲 引用商標の指定商品

第12類「Aircraft; bicycles; motorcycles; rolling stock for railways; ships; land vehicles; automobiles; their components, namely suspension shock absorbers for vehicles; shock absorbers for automobiles; headrests for vehicle seats; transmission shafts for land vehicles; gear boxes for land vehicles; hoods for vehicles; automobile hoods; hoods for vehicle engines; automobile bodies; safety belts for vehicle seats; automobile chassis; hydraulic circuits for vehicles; air bags [safety devices for automobiles]; brake disks for vehicles; clutches for land vehicles; hub caps; windshield wipers; brakes for vehicles; vehicle wheel rims; vehicle running boards; motors and engines for land vehicles; windshields; bumpers for automobiles; tires, luggage carriers for vehicles; doors for vehicles; vehicle wheels; rearview mirrors; vehicle seats; windows for vehicles; steering wheels for vehicles; fitted vehicle covers.」

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