結論テキスト
登録第6994148号商標の商標登録を維持する。
Trademark Appeal Case
本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。
| 審判番号 | 2026900022 |
|---|---|
| 審判種別 | 記載はありません。 |
| 結論 | 敗訴(請求棄却) |
理 由
本件登録第6994148号商標(以下「本件商標」という。)は、「cocoe」の文字を標準文字で表してなり、令和7年5月23日に登録出願、「電気通信機械器具,イヤホン,ヘッドホン,マイクロホン,スピーカー,ポータブルスピーカー,ウェアラブルスピーカー,電気通信機械器具の部品及び附属品,ナビゲーション装置,ヘッドセット,仮想現実用ゴーグル」を含む第9類及び第10類に属する商標登録原簿に記載のとおりの商品を指定商品として、同年11月26日に登録査定され、同年12月5日に設定登録されたものである。
登録異議申立人(以下「申立人」という。)が、本件登録異議の申立てにおいて引用する登録第6541571号商標(以下「引用商標」という。)は、別掲のとおり、左右に3本の円弧の図形を配し、中央に「kicoeri」の文字を配した構成からなり、令和3年6月21日に登録出願、第9類「電気通信機械器具」を指定商品として、同4年4月5日に設定登録されたものであり、その商標権は、現に有効に存続しているものである。
申立人は、本件商標は、商標法第4条第1項第11号に該当するから、その登録は同法第43条の2第1号の規定により取り消されるべきであると申し立て、その理由を要旨次のように述べ、証拠として甲第1号証から甲第5号証を提出した。
(1)本件商標について
本件商標は、前記第1のとおりである(甲1)。
(2)証拠(引用商標)について
引用商標は、前記第2のとおりである。引用商標「kicoeri」を冠する製品は、元来、音響機器メーカーによって開発され、独自の聴覚サポート技術として市場で認知を得ていたものである。運営企業の破産という不測の事態に際し、当該製品の開発責任者であった代表社員が、製品を愛用する顧客への責任と技術の継続を期して、破産管財人から正当な対価をもって商標権及び事業一切を譲り受け、申立人を設立してこれを承継したものである。申立人は合同会社として、限られた経営資源の中で心血を注いで「kicoeri」ブランドを維持・育成しており、当該分野において引用商標は申立人の信用の象徴となっている(甲4)。
(3)本件商標と引用商標との対比
ア 商品の類否(構成、呼称及び観念の共通性)
引用商標は、日本語の「声(こえ)」と「聞こえ」を掛け合わせた独創的な造語である。特に、一般的なローマ字綴りの「koe」ではなく、あえて「coe」という綴りを選択し、これを「正円(丸い=角のない、人に優しい)」のイメージと重ね合わせている。本件商標「CoCoe」も、同一の製品ジャンルにおいて中心的な構成要素として「coe」という綴りを含み、「声」と「聞こえ」の観念を共有しており、需要者に共通の出所を強く連想させるものである。
イ 取引の実情(実際の使用態様)による混同の蓋然性
本件商標は文字の組み合わせからなるが、市場における実際の取引(ウェブサイトや製品等)においては、引用商標と極めて高度に近似する特定のデザイン(正円を基調とした細いラインの意匠)を施したロゴとして使用されている(甲2)。このような実際の使用態様は、文字商標としての類否判断においても、需要者が出所を誤認・混同する直接的な要因となるものである(甲5)。
(4)指定商品の類否
本件商標の指定商品は第9類(イヤホン等)及び第10類(補聴器)であり、引用商標の指定商品である「電気通信機械器具」と同一、又は引用商標が実際に展開している「聴覚サポート機器」の分野と完全に重複するものである。販売経路及び需要者層が同一であるため、出所の混同は不可避である。
以上のとおり、本件商標は引用商標と類似し、同一の市場において混同を生じさせるものであるから、商標法第4条第1項第11号に該当し、同法第43条の2第1号に基づき、その登録は取り消されるべきである。
(1)本件商標
本件商標は、「cocoe」の文字を標準文字により表してなるところ、その文字に相応して「ココエ」の称呼を生じ、辞書等に載録がなく、特定の意味合いを想起させるとはいえない一種の造語として理解されるものといえるから、特定の観念を生じないというのが相当である。
(2)引用商標
引用商標は、前記第2のとおりの構成からなるところ、その構成中「kicoeri」の文字に相応して、「キコエリ」の称呼を生じ、辞書等に載録がなく、特定の意味合いを想起させるとはいえない一種の造語として理解されるものといえるから、特定の観念を生じないというのが相当である。
(3)本件商標と引用商標の類否
本件商標と引用商標を比較すると、外観においては、その構成中、「coe」の文字を共通にするとしても、全体の文字数、構成文字及び図形の有無の差異を有するものであり、互いに別異のものを表してなると容易に認識できるから、外観は、明確に区別できる。
また、文字部分のみを比較したとしても、両者の構成中、「coe」の文字のみに注目し取引に資されるとする事情もないし、本件商標の指定商品を取り扱う業界の一般的な需要者が殊更該文字部分に注目する事情もない。
そうすると、本件商標「cocoe」と引用商標の文字部分「kicoeri」を比較したとしても、両者は互いに別異のものを表してなるものと容易に認識できるから、外観において明確に区別できるというのが相当である。
次に、本件商標から生じる「ココエ」の称呼と引用商標から生じる「キコエリ」の称呼を比較すると、両者は、その構成音において明らかに相違し、全体の音調、音感が異なるため、それぞれを一連に称呼しても、両称呼は聞き誤るおそれはなく、明瞭に聴別し得る。
さらに、観念においては、両者は共に特定の観念を生じないから、比較することができない。
そうすると、本件商標と引用商標は、観念において比較できないとしても、外観及び称呼において容易に区別し得るから、両者の外観、観念、称呼等によって取引者、需要者に与える印象、記憶、連想等を総合して全体的に考察すれば、両者は相紛れるおそれのない非類似の商標である。
(4)小括
以上により、本件商標は、引用商標と同一又は類似する商標ではないから、本件商標の指定商品と引用商標の指定商品との類否について言及するまでもなく、商標法第4条第1項第11号に該当しない。
以上のとおり、本件商標は、商標法第4条第1項第11号に該当するものではなく、その登録は同項の規定に違反してされたものとはいえない。
他に、本件商標の登録が商標法第43条の2各号に該当するというべき事情は見いだせない。
したがって、本件商標の登録は、商標法第43条の3第4項の規定により、維持すべきである。
よって、結論のとおり決定する。
Next Action
類似審決の追加調査から中間応答、新規出願の費用確認まで、この審決を起点に次のアクションへ進めます。
商標の登録可能性を無料で確認するか、費用の目安を料金表・シミュレーターで把握できます。