Trademark Appeal Case
地名商標の識別力
本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。
基本情報
| 審判番号 | 平成11年異議第90563号 |
|---|---|
| 審判種別 | 異議 |
| 結論 | 勝訴(請求認容) |
理由テキスト
1.本件商標
本件登録第4225261号商標(以下、「本件商標」という。)は、平成8年9月6日に登録出願され、「Le Puy」の文字を横書きしてなり、第30類「菓子及びパン」を指定商品として、同10年12月25日に設定登録されたものである。
2.登録異議の申立ての理由
本件商標は、フランス中南部・オート・ロアール県の都市名である「LePuy」の文字よりなるものである。
そして、同地方は「レンズ豆」の産地であることから、本件商標をその指定商品について使用するときは、「Le Puy産のレンズ豆を使用してなる菓子及びパン」であることを認識させるにすぎないものである。
また、本件商標をその指定商品について使用するときは、その商品の産地が「Le Puy」であるかの如く、或いは原材料に「Le Puy産のレンズ豆」を使用しているかの如く、商品の品質の誤認を生じさせるおそれがある。
さらに、レンズ豆の原産地である「Le Puy」の語を、原産地からかけ離れた特定の個人が独占使用することは、公正な競業秩序を乱す虞がある。
したがって、本件商標は商標法第3条第1項第3号、同法第4条第1項第16号及び同第7号に該当し、その登録は取り消されるべきである。
3.本件商標に対する取消理由
本件登録異議の申立てがあった結果、本件商標を商標法第3条第1項第3号に該当するものとして通知した取消理由は、つぎのとおりである。
<取消理由>
本件商標は、「Le Puy」の欧文字を普通に用いられる方法で横書きし、第30類「菓子及びパン」を指定商品としてなるところ、該文字よりは、フランスのオート・ロアール県の県庁所在地の名称を認識させるものである。
そして、「Le Puy」には、指定商品である「菓子及びパン」と関連の深い「食品工業」があり、また、フランスにおいて原産地統制名称として、その使用を禁止されている「レンズ豆」の産地でもある。
してみれば、本件商標をその指定商品について使用しても、単にその商品の産地・販売地を認識させるにすぎないものとみるのが相当である。
したがって、本件商標は、商標法第3条第1項第3号に違反して登録されたものである。
4.商標権者の意見
フランスのオート・ロアール県の県庁所在地の名称が「Le Puy」であることは否定しない。
しかしながら、該「Le Puy」は県庁所在地といっても人口2万数千の小さな町であり、我が国において知られたものではない。また、この町を知るものにとっても「Le Puy」は大聖堂を初めとする宗教の町、或いは、「レース製品」の町として知るのであり、菓子やパンとの関わりで、若しくは、レンズ豆の産地として知るのではない。
添付の百科辞典やインターネットによる「Le Puy」の情報をみても、菓子やパン、レンズ豆の記事はない。
また、「レンズ豆」は専ら煮豆、スープとして食されるのであり、菓子やパンの原材料ではない。
したがって、本件商標は、商標法第3条第1項第3号に該当しない。
5.当審の判断
本件商標は、「Le Puy」の欧文字を横書きし、第30類「菓子及びパン」を指定商品とするものである。
しかして、「Le Puy」は、フランスのオート・ロアール県の県庁所在地の名称であり、また、「Le Puy」には食品工業があり、「レンズ豆」の産地でもある事実を申立人の提出に係る甲各号証により認め得るものである。
そして、豆類はしばしば「菓子・パン」の原材料として使用されている事実もあるところから、「レンズ豆」をして「菓子・パン」の原材料として認識する場合も少なからずあるものとみるのが相当である。
してみれば、本件商標に接する取引者・需要者は、前記の事実から「Le Puy」が本件商標の指定商品である「菓子及びパン」の産地・販売地であると容易に認識するものとみるのが相当である。
したがって、本件商標は、商標法第3条第1項第3号に違反して登録されたものとして、その登録を取り消すべきものとした先の取消理由(上記3)は妥当なものである。
よって、結論のとおり決定する。
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