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Trademark Appeal Case

称呼の類似性と要部抽出

本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。

基本情報

審判番号平成10年異議第92190号
審判種別異議
結論勝訴(請求認容)

結論テキスト

登録第4174767号商標の登録を取り消す。

理由テキスト

1 本件商標

本件登録第4174767号商標(以下、「本件商標」という。)は、平成8年10月2日に登録出願され、「ポロマウンテン」「Polo Mountain」の各文字を上下二段に書してなり、商品の区分第30類「菓子及びパン」を指定商品として、平成10年8月7日にその設定登録がなされているものである。

2 登録異議申立人(以下、「申立人」という。)の異議理由

(1)本件商標は、商標法第4条第1項第11号に該当するものであるから、同法第43条の2第1号により、取り消されるべきものである。

具体的理由

本件商標は、片仮名文宇「ポロマウンテン」と欧文字「Polo Mountain」を2段に横書きにしてなるものであるのに対して、登録第509040号商標(以下、「引用商標」という。)は、「POLO」の文字を書してなり、第43類「砂糖、菓子、その他本類に属する商品」を指定商品として、昭和32年1月16日に登録出願、同32年10月18日に設定登録、その後、平成9年10月16日に商標権の存続期間の更新登録がなされ、現に有効に存続しているものである。

そこで、本件商標と引用商標の類否について検討するに、本件商標の下段に書された「Polo Mountain」の欧文字は、前半部「Polo」と後半部「Mountain」の文字との間が一文字程度の間隔をあけて表示されており、また上段の「ポロマウンテン」は下段の欧文字から生ずる発音を片仮名書きしたものである。これより、下段の欧文字部分は外観上分離して看取されるばかりでなく、全体として特定の語義をもっているものでないことは明らかである。したがって、全体を一連に称呼するときは比較的冗長となることから、前半部「ポロ」と後半部「マウンテン」に分けられ、簡易迅速を旨とする取引裡においては前半部「Polo」の文字に着目し、「ポロ」と称呼して取引きにあたる場合が多いといわざるをえない。また「ポロ」の称呼は、昭和47年より株式会社不二家、平成2年よりネスレマッキントツシュ株式会社が商標「POLO」を商品「菓子」に使用した結果、需要者間に広く知られているものであることからも、本件商標に接する取引者・需要者は「Polo」の文字に印象づけられることが少なくない。このことは、商標「JOURNEY WOLF」より「ジャーニー」、商標「DOOL TRECCA」より「トレッカ」の称呼が生じ、それぞれ「Journey」、「Trecca」と類似の商標であると特許庁が判断していることからも明らかである(甲第3号証)。

他方、引用商標から「ポロ」の称呼を生ずることは明らかである。

したがって、本件商標と引用商標とは、共に「ポロ」の称呼を生ずることとなり、彼此混同する商標であるといわざるをえない。

よって、本件商標と引用商標とは類似のものであり、その指定商品も同一または類似のものである。

してみれば、本件商標は、商標法第4条第1項第11号に違反して登録されたものであるから、同法第43条の2第1号の規定により取り消されるべきものである。

3 登録異議申立人以外の当審の新たな取消理由

当審では、商標権者に対し新たに次のような取り消し理由を発した。

本件登録商標(以下、「本件商標」という。)は、「ポロマウンテン」「Polo Mountain」の各文字を二段に表してなるものである。

ところで、アメリカ合衆国ニューヨーク州にある『ザ ポロ/ローレン カンパニーリミテッド パートナーシップ」は、世界的に著名なデザイナーである「ラルフ・ローレン」によって主宰されている被服、眼鏡その他のファッション関連用品の製造、販売企業である。そして、該「ラルフ・ローレン」は、1967年ネクタイメーカーのボー・ボランメル社にデザイナーとして入社、幅広ネクタイをデザインし、圧倒的に若者に支持され、世界に広まった。翌1968年独立、社名を「ポロ・ファッションズ」(以下、「ポロ社」という。)とし、ネクタイ、スーツ、シャツ、セーター、靴、カバンなどのデザインをはじめ、トータルな展開 を図ってきた。1971年には婦人服デザインにも進出、服飾業界の名誉ある賞、「コティ賞」を1970年と1973年の2回受賞するとともに、数々の賞を受賞。1974年の映画「華麗なるギャツビー」の主演ロバート・レッドフォードの衣装デザインを担当、アメリカを代表するデザイナーとしての地位を確立した。我が国においても、ラルフ・ローレンの名前は服飾業界等において広く知られるようになり、そのデザインに係る商品には「Polo」の文字とともに「by RALPH LAUREN」の文字が用いられ、これらの商標は「ポロ」と略称されている。また、(株)洋品界昭和55年3月発行「海外ファッション・ブランド総覧1980年版」「ポロ/Polo」の項及びボイス情報(株)昭和59年9月発行「ライセンス・ビジネスの多角的戦略’85」の「ポロ・バイ・ラルフ ローレン」の項の記述及び昭和63年10月29日付日経流通新聞の記事によれば、我が国においては、西武百貨店が昭和51年にポロ社から使用許諾を受け、同52年からラルフ・ローレンのデザインに係る紳士服、紳士靴、サングラス等、同53年から婦人服の輸入、製造、販売を開始したことが認められる。さらに、ラルフ・ローレンに係る紳士服、紳士用品については、(株)スタイル社1971年7月発行「dansen男子専科」、前出「男の一流品大図鑑」、(株)講談社昭和54年5月発行「世界の一流品大図鑑’79年版」、(株)チャネラー昭和54年9月発行別冊チャネラー「ファッション・ブランド年鑑’80版」、「男の一流品大図鑑’81年版」(昭和55年11月発行)、「世界の一流品大図鑑’80版」(昭和55年5月発行)、婦人画報社昭和55年12月発行「MEN’S CLUB 1980,12」、「世界の一流品大図鑑’81年版」(昭和56年5月発行)、前出「舶来ブランド事典’84ザ・ブランド」、(株)講談社昭和60年5月発行「流行ブランド図鑑」に、眼鏡については、「世界の一流品大図鑑’80版」、「ファッション・ブランド年鑑’80版」、「男の一流品大図鑑’81年版」、「世界の一流品大図鑑’81年版」に「POLO」、「ポロ」、「Polo」、「ポロ(アメリカ)」、「ポロ/ラルフ ローレン(アメリカ)」等の商標の下に紹介されていることが認められる。なお、ラルフ・ローレンの「POLO」、「ポロ」、「Polo」の商標について、上記認定事実とほぼ同様の事実を認定した東京高等裁判所の判決(平成2年(行ケ)183号、平成3年7月11日判決言渡、平成11年(行ケ)第268号、平成11年12月21日判決言渡、平成11年(行ケ)第299号、平成12年2月1日判決言渡、平成11年(行ケ)第315号、平成12年3月21日判決言渡)がある。

以上の事実を総合し、上記判決をも併せ考慮すると、我が国においては、遅くても昭和55年頃までには既にラルフ・ローレンのデザインに係る商品を表示するものとして引用商標が取引者、需要者の間に広く認識されていたものと認められ、その状態は現在においても継続しているというのが相当である。そして、本願商標は、その構成中の一部に上記ラルフ・ローレンのデザインに係る商標と同じ「Polo」の欧文字を有してなるものであるから、これをその指定商品に使用する場合には、これに接する取引者、需要者は、前記した実情からラルフ・ローレンのデザインに係る商品を表示するものとして周知商標である引用商標を連想、想起し、ラルフ・ローレン又は同人と組織的・経済的に何らかの関係がある者の業務に係る商品であるかのように、その出所について混同を生ずるおそれがあるものといわなければならない。

したがって、本件商標は、商標法第4条第1項第15号に該当するにもかかわらず違反して登録されたものである。

4 上記3の当審の取消理由に対して商標権者は何ら意見を述べていない。

5 当審の判断

当審では、商標権者に対して平成12年5月26日付けにて取消理由を通知し、期間を指定して意見書を提出する機会を与えたが、商標権者から何ら応答もない。

してみれば、当審の上記3の取消理由は妥当なものと認められ、本件商標は、商標法第4条第1項第15号に違反して登録されたものと認められる。

よって、結論のとおり決定する。

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