Trademark Appeal Case
NEWの識別力と称呼の類似性
本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。
基本情報
| 審判番号 | 異議2000−90512(T2000−90512/J7) |
|---|---|
| 審判種別 | 異議 |
| 結論 | 敗訴(請求棄却) |
理由テキスト
1 本件商標
本件登録第4358499号商標(以下、「本件商標」という。)は、平成10年8月10日に登録出願され、下記に表示したとおりの構成よりなり、第7類に属する商標登録原簿に記載のとおりの商品を指定商品として、平成12年2月4日に設定登録されているものである。
2 登録異議の申立ての理由
(1)本件商標は、前記したとおり「NEW」と「TECH」の文字を1文字程度の間隔を設け、かつ、「N」と「T」の文字を他の文字より2ミリ程度上に突き出して大きくした8本乃至10本の横線で構成された「NEW TECH」の文字よりなるものであるところ、その構成中前半の「NEW」の文字は、「新しい」「新型の」の意味の英語として一般に熟して用いられているばかりでなく、商取引上においては「新製品」「新型」を意味する商品の品質表示の文字として普通に採択、使用されている実情にあるところから、本件商標の自他商品の識別標識としての機能を果す部分は、後半の「TECH」の文字部分にあるものといわざるを得ない。
してみれば、本件商標は、その構成文字全体に相応して「ニューテック」の称呼を生ずるほか、上記事情からして、後半の「TECH」の文字に相応して単に「テック」の称呼をも生ずるものといわざるをえない。
(2)他方、登録第1091188号商標(以下、「引用A商標」という。)は、昭和46年12月2日に登録出願され、「TEC」の文字を横書きしてなり、第9類「産業機械器具、動力機械器具(電動機を除く)風水力機械器具、事務用機械器具(電子応用機械器具に属するものを除く)その他の機械器具で他の類に属しないもの、これらの部品及び附属品(他の類に属するものを除く)機械要素」を指定商品として、昭和49年10月1日に設定登録されたものであるが、その後、商標権の存続期間の更新登録がなされ現に有効に存続しているものである。同じく、登録第1091189号商標(以下、「引用B商標」という。)は、昭和46年12月2日に登録出願され、「テック」の文字を横書きしてなり、第9類「産業機械器具、動力機械器具(電動機を除く)風水力機械器具、事務用機械器具(電子応用機械器具に属するものを除く)その他の機械器具で他の類に属しないもの、これらの部品及び附属品(他の類に属するものを除く)機械要素」を指定商品として昭和49年10月1日に設定登録されたものであるが、その後、商標権の存続期間の更新登録がなされ現に有効に存続しているものである。同じく、登録第2675841号商標(以下、「引用C商標」という。)は、平成4年3月27日に登録出願され、「TEC」の文字を横書きしてなり、第9類「産業機械器具、動力機械器具、風水力機械器具、事務用機械器具、その他の機械器具で他の類に属しないもの、これらの部品及び附属品、機械要素」を指定商品として平成6年6月29日に設定登録されたものである。
ところで、引用A、B、C商標は、「TEC」及び「テック」の文字よりなるものであるから、これらよりは何れも「テック」の称呼を生ずること明らかである。
そうとすれば、本件商標と引用A、B、C商標とは、共に「テック」の称呼を生ずること明らかであるから、その称呼において類似の商標であり、かつ、その指定商品も同ー又は類似のものである。
したがって、本件商標は、商標法第4条第1項第11号に違反して登録されたものである。
このことは、例えば、特許庁における昭和51年審判第2173号審決の商標「ニューサンダー/New Sander」と「SUNDIA」(甲第4号証)、昭和54年審判第7191号審決の商標「チャームカール」と「ニューチャーム」(甲第5号証)、昭和56年審判第11052号審決の商標「ノーセラサツシ」と「ニューノーセラサツシ」(甲第6号証)、昭和57年審判第22295号審決の商標「NEW LION」と「LION」(甲第7号証)、昭和58年審判第25797号審決の商標「ニューパック」と「PAC」(甲第8号証)、昭和60年審判第6524号審決の商標「CENTURY」と「NEWCENTURY」(甲第9号証)、昭和61年審判第22615号審決の商標「HYPERchannel」と「NEW HYPER」(甲第10号証)、昭和61年審判第22616号審決の商標「HYPERbus」と「NEW HYPER」(甲第11号証)、平成4年審判第7407号審決の商標「HYPER CAI」と「NEW HYPER」(甲第12号証)等「ニュー」及び「NEW」の文字は商品の品質を表示するためのものとして古くから普通に使用されているのが実情であり、省略して取引される類似の商標と判断して取扱われていることよりしても容易に理解できるものである。
(3)申立人は、自己の製造販売に係る商品について一貫して「TEC」及び「テック」の造語からなる商標を使用している。そして「TEC」及び「テック」の商標は、申立人会社の製作する商品、電子レジスター、電子はかり、OA機器、販売時点情報管理システム、所謂、POSシステム用機器などについて永年にわたり使用してきた。その卓越した技術による製品の品質の優秀性と洗練されたデザイン並びに多年に亘る盛んな宣伝活動により、「TEC」及び「テック」の商標は、旧旧商号である「東京電気株式会社35年史第44頁のマークの変遷」(甲第13号証)及びAIPPI日本部会発行の「日本有名商標集」(甲第14号証)に掲載されているように本件商標の出願日よりはるか以前に申立人の業務に係る商品であることを表す商標として、内外の需要者の間に広く認識され著名・周知となっているものである。このように、周知・著名な商標を保護する国際的な観点からも、審査基準を明確、かつ、わかり易くして続ー的な運用を図るため我が国の審査基準が平成11年7月に改正され、前記「日本有名商標集」(甲第14号証)に掲載された商標は、原則として周知・著名なものと推認して取り扱うこととするとされている。
したがって、今般、他人の周知・著名商標の保護等に関する審査基準の改正並びに国際的動向からしても、本件商標は、申立人会社の業務にかかる商品であることを表示するものとして、需要者、取引者間に広く認識されている著名商標を含むものであり、他人の業務にかかる商品と、その出所について混同するおそれがあるから、商標法第4条第1項第15号に該当するものである。
(3)よって、本件商標は、商標法第4条第1項第11号、同第10号及び同第15号に違反して登録されたものであり、商標法第43号の2第1号の規定により取り消されるべきものである。
3 当審の取消理由
本件商標は、登録第1091188号商標(商公昭48ー49569)「TEC」、登録第1091189号商標(商公昭48ー49570)「テック」、登録第2675841号商標(商公平5ー101743)「TEC」、登録第3196512号商標(商公平7ー126858)「NEUTEK」と類似であって、その商標に係る指定商品と同一又は類似の商品について使用するものであるから、商標法第4条第1項第11号に違反して登録されたものである。
4 上記3の当審の取消理由に対する商標権者の意見
本件商標と同一の標章に対して、前記引用A、B、C商標と同一の標章を証拠とした、異議第2000−90087号事件において、特許庁自らが、「本件商標は、『NEW TECH』の文字を図案化した構成よりなるものであり、該構成は、外観上もまとまりよく一体的に表してなるものであり、全体として「新技術」とでも言う意味合いからしても、構成文字全体をもって把握、認識されるものと認められるから、本件商標からは、該構成文字に相応して『ニューテク』『ニューテック』の称呼を生ずるものというのが相当である。これに対して、引用商標は該構成文字に相応して『テック』の称呼を生ずるものである。そうとすると、本件商標及び引用商標より生ずる称呼は、その構成する音数の差、相違する音の有無の差により、称呼全体を一連に称呼しても、その語調語感が異なり互いに紛れるおそれはないものというべきである。また、本件商標と引用商標とは、前記のとおりの構成よりなるものであり、その外観、観念において紛らわしい商標ということはできない。」と判断された如く「新技術」を象徴する本件商標が、「ニューテック」と称呼されずに、殊更「テック」と称呼される状況が生ずるなどと言うことは、とうてい想定できない。前記異議第2000−90087号事件の決定から、わずか2ヶ月の間に、いわば同一ともいえるケースについて、特許庁より全く逆の判断が出される合理的理由はない。
以上のとおり、前記引用A、B、C商標と本件商標は非類似であり、商標法第4条第1項第11号には該当しないものである。また、引用登録3196512号商標(以下、「引用D商標」という。)との類否については、平成11年10月15日付の意見書においても述べて、特許庁に登録を認められたとおり、称呼、外観及び観念において相違するうえ、本件商標の指定商品は、その願書に記載したとおり、第7類の「プラスチック加工機械器具、動力機械器具(陸上の乗物用のものを除く。)、これらの部品及び附属品、農業用機械器具、陸上の乗物用の動力機械の部品、機械要素(陸上の乗物用のものを除く。)」であるから、引用D商標の登録原簿に記載された第12類の指定商品のいずれにも、該当するとは考えられず、類否判断の対象とはならない。
蛇足ながら、本件商標権者(株式会社ニューテック)創業の昭和62年より今日に至るまで、「NEW TECH」の標章は、市場において、前記引用A、B、C、D商標との間においても、いささかの混乱も生ずることなく継続使用されている。
3)したがって、本件商標は、引用A、B、C、D商標とは非類似であり、商標法第4条第1項第11号には該当しないものであるから、登録は維持されてしかるべきものである。
3 当審の判断
(1)本件商標は、下記に表示したとおり「NEW TECH」の文字を図案化した構成よりなるものであるところ、各文字は同じ書体で左右バランスよく一体的に表してなるものである。そうとすれば、本件商標よりは書された文字全体に相応して「ニューテック」の一連の称呼のみを生じさせ「新技術」の如き意味合を看取させるものとみるのが相当である。
他方、引用A、B、C商標は、「TEC」、「テック」、「TEC」の各文字を書してなるものであるから、該構成文字に相応していずれも「テック」の称呼を生じ、「技術」の意味合いを看取させるものというのが相当である。
そして、本件商標及び引用A、B、C商標より生ずる「ニューテック」と「テック」の称呼とは、称呼を識別するうえで最も重要な要素となる語頭部において「ニュー」の音の有無という顕著な差異を有するものであるから、称呼上明らかに相違するものといわなければならない
さらに、本件商標と引用A、B、C商標とは、その外観及びそれぞれより生ずる上記観念においても互いに区別し得るものである。
したがって、本件商標と引用商標とは、称呼、外観及び観念のいずれについても相紛れるおそれのない非類似の商標といいえるものである。
また、本件商標と引用D商標の指定商品とは、生産者、販売者等を著しく異にする非類似の商品と認められるものである。
(2)本件商標と引用商標とは上記(1)のとおり、商標が著しく相違するものであるから、商標権者が本件商標をその指定商品について使用しても、これに接する取引者、需要者が、申立人の引用商標を想起し、その商品が申立人又は申立人と何らかの関係を有する者の業務に係るものであるかの如く、その商品の出所について混同を生ずるおそれはないものと言わざるを得ない。
したがって、本件商標は、商標法第4条第1項第11号、同第10号及び同第15号の規定に違反して登録されたものでない。
よって、結論のとおり決定する。
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