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Trademark Appeal Case

献上語の識別力

本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。

基本情報

審判番号平成11年異議第91413号
審判種別異議
結論勝訴(請求認容)

結論テキスト

登録第4288544号商標の登録を取り消す。

理由テキスト

1 本件商標

本件登録第4288544号商標(以下、「本件商標」という。)は、平成9年3月12日に商標登録出願され、「献上羊羹」の文字を横書きしてなり、商品の区分第30類「羊羹」を指定商品として、同11年7月2日に設定登録されたものである。

2 登録異議申立人(以下、「申立人」という。)の異議理由

(1)本件商標は、証拠(甲第2号証乃至甲第26号証)から明らかなように、商標法第3条第1項第3号及び同法第4条第1項第16号の規定に該当するものであるから、同法第43条の2第1号の規定により取消されるべきものである。

(2)具体的理由

本件商標は、甲第1号証として添付した公報に掲載のとおり、「献上羊羹」の漢字を通常のブロック体で一連に横書きしてなり、第30類の「羊羹」を指定商品として商標登録されたものである。しかしながら、当該「献上」の語は「さしあげること」を意味する言葉として一般需要者によく知られた語であり、特に「献上菓子」「献上銘菓」という言葉も同様に広く知られて一般に通用する語であることから、一般需要者は本件商標を「献上品としての羊羹」を意味するものと直ちに理解し、それ以外の観念を想起し得ないものである。即ち、本件商標に接した一般需要者はこれを「古くから皇室や将軍家、藩主等に献上されてきた高品質の由緒ある羊羹」或いは単に「贈答用の高級羊羹」を示す語句と容易に認識・理解し、これを商品の識別標識とは認識しないものである。

申立人は「献上」の語が食品関係全般について品質表示的語句として通用している事実を証するために甲第2号証乃至甲第20号証を提出する。これらによれば、「献上」の語が「皇族、将軍、藩主、神社等にさしあげた由緒ある品」或いは単に「贈答用の高級品」を示すための品質表示的語句として「献上菓子」「献上銘菓」又は「献上+普通名称」の形で市場において普通に使用されているものであり、何人もその使用を欲するものであることは明らかである。従って、識別力及び独占適応性を欠く「献上」の語と商品の普通名称にすぎない「羊羹」の語とを単に組み合わせてなる本件商標は、「贈答に適した高級な羊羹」といった商品の品質を表示する語句にすぎず、かつ、このような商品以外に使用するときは、商品の品質について誤認を生ずるおそれがあり、商標登録を受けることができないものである。

なお、特許庁における過去の審査例をみても、例えば「献上」「献上唐津」「献上銘菓」「献上小倉羊羹」等の商標が識別力なきものと認められて商標登録を拒絶されている事実がある。

以上のとおり、本件商標は「由緒ある高品質の羊羹」或いは「贈答用の高級羊羹」といった商品の品質を表示するに過ぎず、自他商品識別標識たる商標としての機能を発揮し得ないものであるとともに、これら以外の「羊羹」について本件商標が使用された場合、需要者が商品の品質について誤認するおそれがあるから、商標法第3条第1項第3号及び同法第4条第1項第16号の規定に該当し商標登録を受けることができないものであって、同法第43条の2第1号の規定により取り消されるべきものである。

3 当審の取消理由

当審では、申立人の異議理由に基づき、商標権者に対し、本件商標は「献上羊羹」の漢字を横書きしてなるところ、構成中の前半部の「献上」の語は、目上の人にさしあげることを意味するものとして一般によく知られているところである。また、登録異議申立人「松井 裕美子」(以下、「申立人」という。)の提出に係る甲第2号証ないし甲第20号証の写真等によれば、「献上」の語は、古くから皇室や将軍家等に菓子等を献上してきた人々が一種の品質誇称的意味合いを込めて、普通に使用してきた語である。そうとすれば、上記意味合いを有する「献上」の語と指定商品名である「羊羹」の語とを、「献上羊羹」と一連に書してなる本件商標は、全体として「皇室等に献上してきた(高級な)羊羹」であること、すなわち商品の品質を表わしているにすぎないものと認められる。したがって、本件商標は、商標法第3条第1項第3号に違反して登録されたものであるから、その登録は取り消されるべきものである旨の取消理由を通知した。

4 上記3の当審の取消理由に対して商標権者は何ら意見を述べていない。

5 当審の判断

当審では、平成12年6月25日付けで取消理由を通知し、期間を指定して意見書を提出する機会を与えたが、商標権者からは何ら応答がない。そして、上記3の取消理由は適切なものと認められるので、本件商標登録は、この取消理由によって結論掲記のとおり取り消すものとする。

よって、結論のとおり決定する。

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