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Trademark Appeal Case

著名商標類似と混同

本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。

基本情報

審判番号平成10年異議第90110号
審判種別異議
結論other

結論テキスト

登録第4058782号商標の登録を取消す。

理由テキスト

1 本件商標

本件登録第4058782号商標(以下、「本件商標」という。)は、別紙▲1▼に表示したとおりの構成からなり、平成8年1月29日に登録出願され、第9類「理化学機械器具,測定機械器具,配電用又は制御用の機械器具,電池,電気磁気測定器,電線及びケーブル,写真機械器具,映画機械器具,光学機械器具,眼鏡,加工ガラス(建築用のものを除く。),救命用具,電気通信機械器具,レコード,メトロノーム,電子応用機械器具及びその部品,遊園地用機械器具,電気アイロン,電気式ヘアカーラー,電気式ワックス磨き機,電気掃除機,電気ブザー,保安用ヘルメット,防火被服,防塵マスク,防毒マスク,溶接マスク,映写フィルム,スライドフィルム,録画済ビデオディスク及びビデオテープ,自動販売機,潜水用機械器具,家庭用テレビゲームおもちゃ」を指定商品として、平成9年9月19日に設定登録されたものである。

2 登録異議申立ての理由

本件商標の登録は、以下の理由から取り消されるべきである。

(1) 本件商標は、商標法の精神に違背する商標とみなすべきものであり、かつ、登録異議申立人(以下、「申立人」という。)の著名な略称を含む商標であるから、商標法第4条第1項第7号及び同第8号に該当する。

(2) 本件商標は、別紙▲2▼に表示したとおりの構成からなる登録第2152568号商標、別紙▲3▼に表示したとおりの構成からなる登録第2126150号商標、同じく登録第2072297号商標、同じく登録第1795813号商標、同じく登録第2152567号商標、同じく登録第2074300号商標、同じく登録第2064141号商標とその称呼及び観念において類似する商標であって、引用各商標に係る指定商品と同一又は類似する商品について使用するものであるから、同法第4条第1項第11号に該当する。

(3) 別紙▲4▼ないし▲6▼に表示したとおりの構成からなる登録第1806610号商標、登録第1932457号商標及び登録第2071356号商標は、申立人の業務に係る商品「メガネ、皮革製品、身飾品」等の商標として、さらに、登録第1806610号商標及び登録第2071356号商標と同一の構成からなる商標(以下、「シャネルマーク」という。)は、申立人の業務に係る商品「化粧品、高級婦人服、ハンドバッグ、ベルト、靴、時計、アクセサリー」等の商標としてそれぞれ取引者・需要者の間に広く認識されている商標であるから、本件商標をその指定商品に使用するときは、申立人の業務に係る商品とその出所について混同を生ずるおそれがあるので、同法第4条第1項第15号に該当する。

(4) 本件商標は、申立人企業が永年に亘る営業努力により獲得した商標の信用、名声を不正に利用するものであり、これをその指定商品について使用することは、申立人の出所表示機能を希釈化させ、また、その名声を毀損させるものであって、不正の目的をもって出願されたものというべきであるから、同法第4条第1項第19号に該当する。

3 当審の判断

本件商標は、別紙▲1▼に表示したとおり、細線の四角形内にモノグラム風の図形を肉太に描き、その下部に「GUESS CLUB」の欧文字を左横書きしてなるものである。

そこで判断するに、申立人の提出に係る甲各号証によれば、申立人(シャネル エス アー)の引用するシャネルマークは、別紙▲4▼及び▲6▼に表示したとおり、ローマ字の「C」を背中合わせに交差させた如き図形からなるものであるところ、化粧品、高級婦人服、ハンドバッグ、ベルト、靴、時計、アクセサリー等のファッション関連の商品に永年、継続的に使用された結果、本件商標の登録出願時には既に世界的に広く認識されていたこと、申立人(ゲス?インコーポレーテッド)の引用する「GUESS?」の文字を主たる構成要素とする商標(以下、「GUESSマーク」という。)が被服、バッグ、身飾品等に使用され、本件商標の登録出願時には既に広く認識されるに至り、わが国の需要者にも「GUESS」製品として知られていることが認められる。

これらの実情からすれば、権利者(出願人)は前記両商標の存在について本件商標の出願時には認識していたものと推認される。

しかして、本件商標中のモノグラム風の図形部分は、シャネルマークと対比すると、ローマ字の「C」を背中合わせに交差させた図形を基本とする点において構成の軌を一にし、左側のC字状部分の上端より右側のC字状部分に横線を引いた点において相違するにすぎず、全体としてシャネルマークと極めて近似した印象を与えるものであるから、両者は外観上類似するものというべきである。

また、本件商標中の下段に書された「GUESS CLUB」の文字部分は、「GUESS」と「CLUB」の文字が常に一体不可分にのみ認識されるべき特別な理由はなく、上記実情からして、これに接する取引者、需要者をして容易にGUESSマークないしは「GUESS」製品を連想、想起させ、GUESSマークと混同を生ずるおそれのある類似のものというのが相当である。

してみれば、本件商標は、申立人のシャネルマーク及びGUESSマークを若干変更して組み合わせたものといわざるを得ず、申立人がそれぞれ永年に亘る営業努力により獲得した商標の信用、名声を不正に利用するものであり、これをその指定商品について使用することは、申立人の各商標の出所表示機能を希釈化させ、また、その名声を毀損させるものであって、不正の目的をもって出願されたものというべきである。

ところで、商標権者は、意見書において要旨次のように主張している。

(1) 本件商標中のモノグラム風の図形部分とシャネルマークとを比較すると、前者が肉太であるのに対し、後者が細線より成るばかりでなく、後者が一部切り欠かれた円弧のみから構成されるのに対し、前者には、左半分に太く「e」の横線部分が直線で描かれて成るものであるから、両者が看者に与える印象は、全く異なったものとなる。

(2) 本件商標中の下段に書された「GUESSCLUB」の文字部分について、「GUESS」の語が誰もが商標として採択する可能性を持った、よく知られた英単語の一つであって、その顕著性は極めて乏しいものであり、また、「○○○」が著名な商標であっても、「○○○ CLUB」という形の商標とは互いに類似しないという過去の判断例とを併せ考慮すれば、本件商標はGUESSマークとは非類似である。

(3) 本件商標は、全体を文字部分と同じ幅の細線にて四角く囲ってなるものであり、すなわち、本件商標が図形部分と文字部分に分離して使用されることはなく、常に一体不可分として使用されるものであるから、この一体の商標を、あえて分離観察すべき理由は存しないものである。

(4) 商標権者は、シャネルマーク及びGUESSマークの信用、名声を不正に利用する意思を全く有しないものである。

しかしながら、これらの主張は、以下の理由により、いずれも採用することができない。

すなわち、(1)については、本件商標中のモノグラム風の図形部分は、上記認定のとおり、シャネルマークの左側のC字状部分の上端より右側のC字状部分に横線を引いたにすぎないと認め得るから、両者を子細に比較対照すれば相違する点があるとしても、両者は着想、構図等その構成の軌を一にするものとみるのが相当である。

(2)については、「GUESS」の語がよく知られた英単語の一つであるとしても、それ自体が自他商品の識別標識としての機能を有しないとはいえないし、「○○」と「○○ CLUB」とが類似しないとして示された例は、比較される商標がいずれも一体のものとして登録されている例であるから、本件と事案を異にするものといわざるを得ない。

(3)については、本件商標を構成する図形部分と文字部分は、線の太さの差異を有するばかりでなく、その図形と文字の大小の差異を有するものであり、また、全体としてまとまった既成の観念を有するものともいえないものであるから、商標権者が主張するように一体不可分として使用されるものであるとしても、本件商標に接する取引者、需要者は、上記認定のとおり、著名なシャネルマーク又はGUESSマークを容易に連想、想起するというのが相当である。

(4)については、シャネルマーク及びGUESSマークが本件商標の登録出願時には既に広く認識されていた実情からすれば、権利者(出願人)は前記両商標の存在について本件商標の出願時には認識していたものと推認されるから、上記認定判断を相当とする。

したがって、本件商標は、商標法第4条第1項第19号の規定に違反して登録されたものといわざるを得ないから、その登録は商標法第43条の3第2項の規定により、取り消すべきものである。

よって、結論のとおり決定する。

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