Trademark Appeal Case
結合商標の要部抽出と混同の恐れ
本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。
基本情報
| 審判番号 | 平成10年異議第90243号 |
|---|---|
| 審判種別 | 異議 |
| 結論 | other |
理由テキスト
1 本件商標
本件登録第4062631号商標(以下、「本件商標」という。)は、「GUESS KARL−JEANS」の文字を左横書きしてなり、平成8年4月12日に登録出願され、商品の区分第25類「ジーンズ製の洋服,ジーンズ製のズボンつり,ジーンズ製のバンド,ジーンズ製のベルト,ジーンズ製の靴類(「靴合わせくぎ・靴くぎ・靴の引き手・靴びょう・靴保護金具」を除く。),ジーンズ製の運動用特殊衣服」を指定商品として、平成9年10月3日に設定の登録がなされたものである。
2 登録異議申立ての理由
本件商標は、商標法の精神に違背する商標とみなすべきものであり、かつ、登録異議申立人(以下、「申立人」という。)の著名な略称を含む商標であるから、商標法第4条第1項第7号及び同第8号に該当する。
また、本件商標は、登録第1795813号商標、登録第1982461号商標、登録第2048363号商標及び登録第2074300号商標とその称呼及び観念において類似する商標であって、引用各商標に係る指定商品と同一又は類似する商品について使用するものであるから、同法第4条第1項第11号に該当する。
また、商標「GUESS」「GUESS?」は、申立人の業務に係る商品「被服、靴類、身飾品」等の商標としてそれぞれ取引者・需要者の間に広く認識されている商標であるから、本件商標をその指定商品に使用するときは、申立人の業務に係る商品とその出所について混同を生ずるおそれがあるので、同法第4条第1項第15号に該当する。
したがって、本件商標の登録は取り消されるべきである。
3 当審の判断
本件商標は、「GUESS KARL−JEANS」の文字を書してなるものであるところ、申立人の提出に係る甲各号証によれば、申立人の使用に係る「GUESS」の欧文字を主たる構成要素とする商標は、申立人の業務に係る商品「被服、靴類、身飾品」等の商標として本件商標の登録出願前から取引者・需要者の間において広く認識されていたものであること、また、申立人は、ストーンウォッシュ(デニムや革を軽石などを入れて洗い、表面を毛羽立たせたり、色落ちさせたりして、着古した感じを出すこと。「広辞苑」第5版参照)のジーンズのメーカーとしても知られていることが認められる。
そうすると、本件商標は、「GUESS」と「KARL」の語の結び付きが必ずしも強いものとはいい難いばかりでなく、その構成中に「JEANS」の文字を有することから、本件商標をその指定商品に使用するときは、これに接する取引者・需要者は、当該商品がジーンズ製品であることとも相俟って、「GUESS」の文字部分に注意を惹かれ、申立人又は申立人と経済的・組織的に何等かの関係を有する者の業務に係る商品であるかの如く、商品の出所について混同を生ずるおそれがあるものといわなければならない。
商標権者は、意見書において、本件商標中の「JEANS」は、商品の品質等を表し、自他商品識別力はないから、本件商標の要部は「GUESS KARL」にあり、その為、その称呼は「ゲスカール」となる旨、その称呼は長音を含めてわずか5音と、極めて短いので、常に「ゲスカール」と一連称呼され、「ゲス」なる略称の生ずる余地は全くない旨述べている。
しかしながら、本件商標は、「GUESS」と「KARL」の文字が結合して一連の既成観念を有する熟語として親しまれているものではなく、両者の結び付きが必ずしも強いものとはいい難いこと、「JEANS」の文字部分は商品の品質等を表したものと認識されること、全体の構成が欧文字のみで比較的長いこと、及び「KARL」と「JEANS」の文字がハイフンで結合されていることから、「GUESS」の文字部分に注意を惹かれ、簡易迅速を尊ぶ取引の場において、本件商標に接する取引者、需要者は、その文字部分をもって取引にあたることも決して少なくないものとみるのが相当である。
また、商標権者は、申立人の提出に係る甲号証の使用例からも分かるように、「GUESS」単独での使用は少なく、多くは「?」を付した形態で使用されていること、申立人による使用開始時点は古くはなく、広汎に使用されるようになったのは、ごく最近であることから、少なくとも本件商標の出願時点では、「GUESS」が申立人の商標として、広く知られるまでには至っていなかった旨述べている。
しかしながら、上記判断は、「GUESS」単独ではなく、「GUESS」の欧文字を主たる構成要素とする商標について認定したものである。そして、申立人の提出に係る甲第4号証は、本件商標の出願日である平成8年4月12日前である平成6年及び平成7年に掲載された新聞、雑誌等の広告と認められ、申立人の提出に係る甲各号証を総合勘案すれば、「GUESS」の欧文字を主たる構成要素とする商標が本件商標の登録出願前から取引者・需要者の間において広く認識されていたものといわなければならない。
以上のとおりであるから、商標権者の意見は、採用することができない。
したがって、本件商標は、商標法第4条第1項第15号の規定に違反して登録されたものといわざるを得ないから、商標法第43条の3第2項の規定により、その登録を取り消すべきものである。
よって、結論のとおり決定する。
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