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Trademark Appeal Case

記述的商標の使用による識別力

本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。

基本情報

審判番号平成10年異議第90664号
審判種別異議
結論other

結論テキスト

登録第4084767号商標の登録を取消す。

理由テキスト

1 本件商標

本件登録第4084767号商標(以下「本件商標」という。)は、別紙(1)に表示したとおりの構成よりなり、第32類「食肉、卵、食用水産物、野菜、果実、加工食料品(他の類に属するものを除く。)」を指定商品として、平成4年3月31日登録出願、その後指定商品については、同5年7月14日付提出の意見書に代える手続補正書をもって、「いか入りしゅうまい」と補正され、同9年11月21日に設定登録されたものである。

2 登録異議申立ての理由

本件商標は、商品の品質、原材料を普通に用いられる方法で表示したにすぎないものであるから、商標法第3条第1項第3号に該当し、同法同条第2項に該当するに至っていない。

したがって、本件商標は、同法第43条の3第2項の規定により取り消されるべきである。

3 取消理由の通知

本件商標は、「いかしゅうまい」の文字を行書体で縦書きしてなるところ、これは指定商品との関係からして当該商品が「いか入りのしゅうまい」であること、即ち、商品の品質、原材料を普通に用いられる方法で表示する標章のみからなる商標と認められるものである。

そして、本件商標は、原審及び査定不服の審判(平成5年審判第21191号)において、商標権者の提出した各証拠を総合勘案しても、本件商標がその指定商品に使用された結果、需要者が商標権者の業務に係る商品であることを認識することができるものとなっているものとは認められない。

したがって、本件商標は、商標法第3条第1項第3号に違反して登録されたものと認める。

4 商標権者の意見

(1)本件商標が、商品の品質、原材料を表示する標章からなる商標、いわゆる記述的商標であることは認めるものの、本件商標は、別紙に表示されたように、「いかしゅうまい」を縦書きしたものであり、しかも「いかしゅうまい」の平仮名の形態は、通常用いられる明朝体やゴチック体等とは全く異なる独特の字の型をした創作文字であり、この独特の形態は他に存在しない。

すなわち、本件商標の平仮名文字の形態は全般的に右下がりの傾向にあり、しかも文字の太線に独特の創作性を有しており、この文字の形態は、本件商標に独特のものであり、この文字の形態のみで、他の平仮名文字と識別が可能となるものである。

(2)本件商標は、少なくとも本件商標の登録審決時、すなわち、平成9年9月29日当時はもとより、拒絶査定不服審判請求時(平成5年11月9日)においても使用による特別顕著性を充分に取得していた。

すなわち、本件商標は、本意見書及び本意見書と同時に提出する証拠方法を見る限り、いわゆる使用による特別顕著性を取得していたことを充分に認識できる。

商標権者は、本件商標が平成9年当時はもとより平成5年頃にも「いか入りしゅうまい」の指定商品について、使用による特別顕著性を取得していたことを証明するために、乙第1号証乃至同第7号証(枝番を含む。)の証拠方法を提出する。

(3)以上述べたように、本件商標は、商品包装箱に付された状態で新聞、テレビ、雑誌で広告宣伝され、更には本件商標を付した「いかしゅうまい」商品は、商標権者の店舗やデパートや郵政省の「ふるさと小包」や11万人の顧客名簿にもとづく通信販売で長期間にわたり多数販売されてきた。

したがって、本件商標は、商標権者が本意見書と共に提出した乙各号証を総合勘案すると、その指定商品に使用された結果、需要者が商標権者の業務に係る商品であることを認識できるものとなっていたことが認められる。

5 当審の判断

(1)本件商標は、別紙に表示したとおりの構成態様よりなるところ、この平仮名文字は毛筆で一種の行書体をもつて書されたものといえるところであり、この程度の書体は未だ普通に用いられる方法の域を脱していないといえるものである。このことは、「五體字類」(昭和45年8月1日改定37版西東書房発行 假名變體の項)によっても明らかである。

そして、「いかしゅうまい」の語は、商標権者も認めるとおり、商品「いか入りしゅうまい」であること、即ち、商品の品質、原材料を表示するに止まるものである。

(2)商標権者の提出に係る乙第1号証の1乃至31、乙第2号証の77、同158、同182、同191、同192、同194、同195、乙第3号証の1乃至3、同5−1乃至5−3、同6及び7、同9乃至13、同16、同18乃至21、同28乃至40、乙第4号証の2乃至6、乙第5号証の1乃至23、乙第6号証の1の1乃至6、同2の1及び2、同3の1及び2、同4、同5の1乃至11、同6の1乃至3、乙第7号証の1乃至3並びに同5乃至28の各号証によれば、商標権者は、別紙(2)及び(3)に表示したとおりの構成よりなる商標を付した商品「いか入りしゅうまい」を、自己の業務に係る店頭、百貨店及び通信販売等により、本件商標の登録出願時には相当多量販売し、広告宣伝していたものと認定し得るところである。

しかしながら、上記各号証における商標権者の使用に係る商標は、別紙(2)及び(3)に表示したとおり、4角形の中に書された「萬丸」及び「まんまる」の文字、「海からとれた淡雪」の文字、「いかしゅうまい」の文字及び「海からとれた淡雪」の文字と「いかしゅうまい」の文字との間の「線」とからなるところ、「いかしゅうまい」の文字部分に対して、四角図形とその中に表された「萬丸」及び「まんまる」の文字部分は、その構成全体からして顕著な特徴を有するものといえるから、「萬丸」及び「まんまる」の文字部分を除外して、「いかしゅうまい」の文字部分が独立して自他商品の識別標識として機能を果たすものとはいい難く、しかも、前記乙各号証によれば、商標権者の製造販売に係る商品「いか入りしゅうまい」の包装箱には、一貫して別紙(2)及び(3)に表示した商標とほぼ同一といい得る商標が使用されていたものと認められ、これは、乙第3号証の5、同11等のテレビスポット広告の録画ビデオテープ中に、「マンマルイカシュウマイ」、「ヨブコマンボウノマンマルイカシュウマイ」等の音声が聴取し得るところからしても、商標権者の使用に係る商標は、「いかしゅうまい」の文字のみからなる本件商標とは社会通念上同一のものとはいえないというのが相当である。

そして、乙第2号証の79、同80、同82乃至85、同88乃至91、同93、同95乃至101、同103乃至106、同108乃至121、同123乃至125、同130乃至136、同138乃至143、同148乃至153、同155乃至157、同159乃至161、同163乃至168、同170乃至181、同183並びに同186乃至190の各号証(「佐賀新聞」)によれば、本件商標と社会通念上同一といえるものを広告宣伝していることが認められるが、当該新聞は、佐賀県内を主発行地域とする地方紙と認められるものであって、限られた地域の購読者を対象とするものである。

(3)そうとすれば、商標権者の提出に係る乙各号証によっては、本件商標が査定不服の審判の審決時において、商品「いか入りしゅうまい」に使用された結果需要者が何人かの業務に係る商品であることを認識できるものとなっていたものとは認められない。

その上、本件商標の該審決時前より本件登録異議申立人等によって、商品「いか入りしゅうまい」について「いかしゅうまい」と表示して使用されていた事実があることは、登録異議申立人の提出に係る証拠によっても見出し得るところである。

したがって、本件商標は、商標法第3条第1項第3号に違反して登録されたものであるから、同法第43条の3第2項の規定により、その登録を取り消すべきものである。

よって、結論のとおり決定する。

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