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Trademark Appeal Case

観念類似と外観称呼の差異

本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。

基本情報

審判番号平成5年審判第21148号
審判種別不服
結論勝訴(請求認容)

結論テキスト

原査定を取り消す。
本願商標は、登録すべきものとする。

理由テキスト

1 本件商標

本願商標は、「GIANTS」の欧文字を書してなり、第17類「被服(運動用特殊被服を除く。)布製身回品(他の類に属するものを除く。)寝具類(寝台を除く。)」を指定商品とし、平成4年1月30日に登録出願されたものである。

2 原査定の理由

原査定において、本願の拒絶の理由に引用された登録第1073092号商標(以下、「引用商標」という。)は、別掲のとおりの構成よりなり、第17類「被服」を指定商品として、昭和37年3月5日に登録出願され、同49年6月24日に登録され、その後、昭和59年6月25日及び平成6年5月26日の二回に亘り商標権の存続期間の更新登録がなされているものである。

3 当審の判断

本願商標は、「GIANTS」の文字を書してなるところ、上申書に添付の第53期営業報告書、日本プロフェッショナル野球協約1999、ファンの夢をはぐくんだ50年(写し)を提出し、請求人(出願人)は、職業野球球団「東京読売巨人軍」を運営し、同球団は、昭和9年に設立されて以来、戦前、戦後を通じて、「GIANTS」「巨人」「巨人軍」「読売ジャイアンツ」「YOMIURI GAINTS」等で親しまれてきた球団である旨主張している。

そこで、提出されたファンの夢をはぐくんだ50年(写し)をみるところ、これは昭和9年から昭和59年までの東京読売巨人軍の創立以来の活躍とその戦歴を紹介するものであるが、これによれば、昭和58年にはセリーグで通算32回の優勝をしたチームであり、戦争の一時期を除きユニホームには「GIANTS」の文字を使用してきたことがみられる。

ところで、コンサイス外来語辞書(第4版)によれば、ジャイアンツ(Giants)は「プロ野球の球団名の1つ、東京読売巨人軍(セリーグ)の愛称」である旨の記載がみられる。また、「GIANTS」の文字は球団名「読売ジャイアンツ」の略称として広く認識されている旨判示されている(東京高等裁判所 平成年10月4日22言渡〈平成9年(行ケ)139号〉判決、参照)。そして、今年は、東京読売巨人軍が日本シリーズを制覇したところである。

上記事実からしてみると、「GIANTS」の文字は「ジャイアンツ」と呼ばれ、請求人に所属するプロ野球球団「東京読売巨人軍」を表す略称として広く知られているものと認められる。

そうとすれば、本願商標を構成する「GIANTS」の文字は、「巨人」を意味する英語「GIANT」に由来するから、その構成文字に相応し「ジャイアンツ」と称呼され、「巨人」の意味合いを生ずるものである。そして、上記の事実からして、野球に興味を抱く者にかぎらずとも、「GIANTS」の文字はセリーグに属するプロ野球球団「東京読売巨人軍」を表す略称として把握されるといえるものである。

一方、引用商標は、別掲に示すとおり図形(ボール状)内に「巨人」の文字を配してなるから、これより「キョジン」と読まれるとともに「巨人」の意味合いを生ずるものであり、プロ野球球団「東京読売巨人軍」を想起する場合も少なくないものと判断するのが相当である。

してみると、引用商標は、「キョジン」の称呼、「巨人」の意味合い及びプロ野球球団「東京読売巨人軍」の観念を生ずるものである。

そこで、本願商標と引用商標との類否について検討するに、本願商標は「GIANTS」の文字を書してなるのに対し、引用商標は別掲に示すとおり図形(ボール状)内に縦書きで「巨人」の文字を配してなるものであるから、両者は外観上において区別しうる差異を有する。

ついで、称呼及び観念についてみるに、本願商標より生ずる称呼「ジャイアンツ」と引用商標より生ずる称呼「キョジン」の称呼とを比較するに、両者はその音構成上相紛れる要素はないものである。しかして、両者は「巨人」の意味合い及び「東京読売巨人軍」の観念において共通するものである。

しかしながら、「GIANTS」の文字よりなる本願商標は、上記したように「東京読売巨人軍」を表す略称として広く知られていることを考慮すると、本願商標がその指定商品について使用された場合、これに接する一般の消費者において本願商標と引用商標が観念において共通するとしても、その外観及び称呼においては明らかに相違しているものであるから、一般の消費者に与える印象、記憶、連想等を総合して全体的にみれば、両者はその商品の出所について混同を生ずるおそれはないものというが相当である。

そうとすれば、本願商標を商標法第4条第1項第11号に該当すると認定した原査定の理由は適当でなく、その理由をもって拒絶することはできない。

その他、本願を拒絶すべき理由を発見しない。

よって、結論のとおり審決する。

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