結論テキスト
審判費用は、被請求人の負担とする。
Trademark Appeal Case
本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。
| 審判番号 | 平成10年審判第30754号 |
|---|---|
| 審判種別 | 不服 |
| 結論 | 勝訴(請求認容) |
I 本件商標
本件登録第2254759号商標(以下「本件商標」という。)は、「LITTLEMERMAID」の欧文字と「リトルマーメイド」の片仮名文字を上下2段に書してなり、第22類「はき物、かさ、つえ、その他本類に属する商品」を指定商品として、昭和62年9月28日登録出願、平成2年8月30日に設定登録されたものであり、現に有効に存続しているものである。
II 請求人の主張
請求人は、結論同旨の審決を求めると申し立て、その理由及び弁駁を要旨次のように述べ、甲第1号証ないし甲第3号証を提出した。
1.被請求人は、本件商標をその指定商品のいずれについても継続して3年以上日本国内において使用していない。
また、本件商標について専用使用権者、通常使用権者として使用している者も存在しない。
2.答弁に対する弁駁
(1)被請求人は、本件商標を「コックシューズ」(以下「使用商品」という。)に使用した旨主張する。
乙第2号証によれば、いわゆるズック靴に「リトルマーメイド」の文字を表示したシールが貼られている。
そして、使用商品は、答弁書の記載から明らかなとおり、被請求人のフランチャイジーであるパン小売店舗(以下「加盟店」という。)内のパン焼き職人等の従業員が履く物として、提携会社が加盟店に納入しているものであって、加盟店の備品である。
したがって、ここに表示された「リトルマーメイド」の文字は、加盟店の名前を表示した一種の広告とみられるにすぎないものであり、使用商品の出所を表示する商標でないことは明白である。
(2)乙第2号証(写真)によれば、使用商品に「リトルマーメイド」の文字を表示した紙製とみられるシールが貼られているが、靴の表面に簡単なシールを貼り付けただけであって、少し動けば剥がれてしまうように見える。
また、このシールは、平成10年審判第30758号の取消審判事件において、被請求人が提出した書証に示す商品陳列用のトレイに貼られているのと同じシールとみられる(甲第2号証及び甲第3号証)ものであって、商品「靴」にこのような方法で商標が表示されることは極めて不自然である。
つまり、乙第2号証に示すような態様の靴が実際に存在したのかという点にも疑いがある。
3.以上のとおり、本件商標は、その指定商品中の「靴」に使用されているものではなく、また、他に本件商標がその指定商品に使用されたことを立証する証拠も何ら提出されていない。
III 被請求人の主張
被請求人は、本件審判の請求は成り立たない旨の審決を求めると答弁し、その理由を要旨次のように述べ、証拠方法として、乙第1号証ないし乙第5号証を提出した。
1.(1)被請求人は、「リトルマーメイド」と称呼されているフランチャイズペストリーチェーン店等を全国的に展開している(乙第1号証)。
乙第1号証に記載の加盟店は、平成10年9月30日現在725店舗あるが、これら加盟店のオーナーは被請求人とは全く異なっており、別人のパン小売店舗として位置づけられている。
(2)各加盟店等は、パン、ペストリー製品の原材料を被請求人等から購入し、各店舗内のパン焼き機で焼いて販売しているが、パン焼き職人等の従業員は、使用商品を店舗内で履いている。
使用商品には、「リトルマーメイド」が表記されている(乙第2号証)。
2.使用商品は、本件商標について被請求人より通常使用権の許諾を受けた株式会社アドバンスワカバ(以下「アドバンスワカバ」という。)が製造、販売しているものである(乙第3号証)。
アドバンスワカバは、1998年2月18日に使用商品をLM(リトルマーメイド)段原店に販売した(乙第4号証)。
上記取引の売上伝票(乙第4号証)に間違いがないことを証明したLM段原店の店長の証明書を提出する(乙第5号証)。
3.以上のように、商標権者は、本件商標を指定商品「靴」に使用している。
IV 当審の判断
本件商標が本件審判の請求登録日前3年以内に日本国内にその指定商品に商標権者もしくは通常使用権者によって使用されたか否かについて検討する。
1.一般的に、商品「靴」における商標の表示方法は、タッグに商標を表示して、該タッグを靴に付けるか、靴の中底や内側側面に商標を刻印したり、印刷するなどして表示し、靴を履いた場合、商標が隠れるような位置に表示する方法が採られていることは、この種商品の取引の実情に照らして明らかである。
2.乙第2号証(「靴」の写真)を徴するに、足の甲の部分に当たる靴の表面に、本件商標と社会通念上同一の範囲のものと認められる「リトルマーメイド」の片仮名文字が表示されているところ、該「リトルマーメイド」の文字は、極めて看者の目を引く位置に、シールをもって表示されているものである。
上記1.で記載した商品「靴」の取引の実情よりすれば、乙第2号証に表示された「リトルマーメイド」の文字は、商品「靴」における商標の表示方法として、極めて不自然なものといわざるを得ず、「リトルマーメイド」の文字を店名の一部として使用している被請求人の各加盟店が、使用商品をその従業員に使用させていることを考慮すると、加盟店の名前を表示したと理解されるにとどまるものであって、商標の使用とはみられないというのが相当である。
なるほど、乙第3号証ないし乙第5号証によれば、被請求人の加盟店であるLM(リトルマーメイド)段原店が、被請求人より本件商標の使用許諾を受けたと認められるアドバンスワカバより、靴を購入し、本件審判の請求登録日前3年以内に、商品「靴」の取引があったことが窺い知れるとしても、アドバンスワカバが本件商標を使用した靴を被請求人の加盟店以外の者と取引があったと認めるに足りる証左は見当たらないから、乙第2号証に表示された「リトルマーメイド」の文字が、単に加盟店の名前を表示したものであるとの前記判断を覆すことはできない。
3.以上によれば、商標権者及び通常使用権者は、本件商標を本件審判の請求登録日前3年以内に日本国内において、その指定商品のいずれについても使用していなかったものといわざるを得ず、かつ、使用していなかったことについて正当な理由があるものとは認められない。
したがって、本件商標の登録は、商標法第50条の規定により、その登録を取り消すべきものとする。
よって、結論のとおり審決する。
Next Action
類似審決の追加調査から中間応答、新規出願の費用確認まで、この審決を起点に次のアクションへ進めます。
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