Trademark Appeal Case
記述的商標の識別性獲得
本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。
基本情報
| 審判番号 | 不服2000−228(T2000−228/J1) |
|---|---|
| 審判種別 | 不服 |
| 結論 | 敗訴(請求棄却) |
理由テキスト
1 本願商標
本願商標は、「SUPER SOLDER」の文字と「スーパーソルダー」の文字を二段に横書きしてなり、第1類「半田付け用ペースト」、第9類「プリント回路基板,半田めっき加工装置」及び第40類「半田めっき加工」を指定商品として、平成9年11月5日に登録出願、その後、当審において、平成12年1月7日付け手続補正書をもって指定商品を第1類「半田付け用ペースト」及び第40類「半田めっき加工」と補正されたものである。
2 原査定の理由
原査定は、『本願商標は、商品の品質の誇称表示としてしばしば使用されている「SUPER」「スーパー」の文字と「はんだ、はんだ付けする」を意味する「SOLDER」「ソルダー」の文字を「SUPER SOLDER」「スーパーソルダー」と普通に用いられる方法をもって二段に書してなるものであるところ、これよりは「(品質の)ずぐれたはんだ・はんだ付け」の意味合いを認識させるものであるから、これをその指定商品について使用しても、質のすぐれたはんだ付けができる・質のすぐれたはんだ付けがなされていることを表したものと理解させるにとどまり、単に商品の品質、用途を表示するにすぎないものと認める。したがって、本願商標は、商標法第3条第1項第3号に該当する。』旨認定、判断して、本願を拒絶したものである。
3 請求人の主張
1.意見書の理由の援用
請求人は、平成11年7月9日付け意見書の、「6.補充する理由の内容」中「(1)」を除く部分の主張を援用する。
2.請求人のその他の主張
第1に、少なくとも甲第4号証により、請求人らが、プリント回路基板の実装技術の業界において、「SUPER SOLDER(スーパーソルダー)」の名称(標章)により半田付け用ペーストを提供していること、及び、同様な名称により半田付けプリコートの役務を提供していることが明らかである。
第2に、「SUPER SOLDER」「スーパーソルダー」の文字ないし標章自体には、元来特定の半田付け工法を示すような意味はなく、請求人らが、それぞれ自己が開発した半田付け用ペースト(錫粉末と、鉛とカルボン酸との塩と、溶剤及び粘度保持剤とを混合してペースト状にしたもの)、及び当該半田付け用ペーストを使用したプリコート技術(当該半田付け用ペーストをプリント回線基板のパッド配列領域〔非パッド部を含む〕に付着させた後、これを加熱することにより、パッド上に半田を析出させる技術)につき、「SUPER SOLDER」「スーパーソルダー」と名付けて、ないしは「SUPER SOLDER」「スーパーソルダー」の名称(標章)により、内外の業界に積極的に繰り返し発表・紹介した結果、当該標章があたかも前記のような半田付け用ペースト及びプリコート技術の名称であるかのように認識されるに至ったものである。
それらの経緯は、前記援用に係る意見書の主張、及び当該主張を裏付ける甲第19号証〜甲第30号証、並びに甲第5号証〜甲第18号証によって明らかである。
第3に、前記第1に記載の事実及び前記第2の主張に係る経緯(前記証拠を含む)から考察すれば、「SUPER SOLDER」「スーパーソルダー」の文字ないし標章は、当該業界において請求人らの業務に係る前記商品や役務を離れて一般的に使用されているものではなく、請求人らの業務と不可分のものとして認識されていることが明らかである。
したがって、仮に、請求人ら以外の者が、半田付け用ペーストやブリコート加工の役務について(それらが、たとえ前記内容の半田付け用ペーストや前記内容のブリコート技術であっても)、「SUPER SOLDER」「スーパーソルダー」の名称ないし標章を使用した場合には、当該業界において、あたかも請求人ら又は請求人らと業務上密接な関係がある者の業務に係る商品や役務であるかのように誤認されるおそれが少なくなく、その結果請求人らの業務上の利益が害されることは必定である。このことは、「SUPER SOLDER」「スーパーソルダー」の標章が、請求人らにより、前記半田付け用ペースト及び前記ブリコート技術に係る役務について使用された結果、それらの商品・役務について自他商品・役務の識別標識として既に機能していることの何よりの証左である。
以上詳細に述べたように、本願商標は「(品質の)ずぐれたはんだ・はんだ付け」の意味合いを認識させるものではなく、請求人らの使用により、その指定商品・役務について自他商品・役務の識別標識として既に機能しているものである。
4 当審の判断
よって判断するに、本願商標は、商品の品質(質)の誇称するためにしばしば使用されている「SUPER」の文字及びその表音「スーパー」の文字と「はんだ、はんだ付けする」を意味する「SOLDER」の文字及びその表音「ソルダ−」の文字とで「SUPER SOLDER」と「スーパーソルダー」の文字を二段に横書きしてなるものであるところ、これよりは「(品質の、質の)ずぐれたはんだ・はんだ付け」の意味合いを理解、認識させるものであるから、自他商品(役務)の識別標識としての機能を果たし得ない。
請求人は、本願商標が商標法第3条第2項の適用を受けられるものであると主張して、証拠書類として甲第1号証ないし同第48号証を提出した。
しかして、商標法第3条第2項の適用を受け、使用により識別力を有するに至った商標として登録が認められるのは、使用により識別力を有するに至った商標と同一の商標及びその商標を使用していた商品(役務)と同一の商品(役務)に関する場合のみである。また、商標が使用により識別力を有するに至ったかどうかは、例えば、次のような(a)ないし(f)の事実を総合勘案して判断するものであるところ、本願については、(a) 実際に使用している商標並びに商品又は役務、(b) 使用開始時期、(c) 使用期間、(d) 使用地域、(e) 生産、証明若しくは譲渡の数量又は営業の規模(店舗数、営業地域売上高等)、(f) 広告宣伝の方法、回数及び内容に関し、具体的な使用等に関する証拠資料の提出がないものである。
請求人より提出された甲第4号証は、「スーパーソルダー」に関するパンフレット、甲第5号証〜同第18号証は、出願人らが開発した半田付けペーストその他の製品及びそれらを使用した前記プリコート技術等について、「スーパーソルダー(SUPER SOLDER)」(又は「SS」)の名称もって、プリント回路基板の実装技術が属する分野の同業者間で広く認識されることの証明、甲第19号証〜同第21号証は、出願人発行の国内刊行物には、出願人らが開発した前記技術及びその技術に基づく関連製品を、「スーパーソルダー(SUPER SOLDER)」(略称「SS」)の名称で紹介してきた証明。甲第22号証〜同第28号証は、他社出版刊行物にも時宜を得た注目に値する技術論文として発表された証明、甲第29号証及び甲第30号証は、国際的な関連技術シンポジウムで講演論文集として発表した証明、甲第31号証〜同第33号証は、他社出版刊行物において、需要対象業界に属する同業者により、出願人らが開発した前記技術及びそれに使用されるソルダーペーストや設備等が、「スーパーソルダー(SUPER SOLDER)」(又は「SS」)の名称(標章)で紹介された証明、甲第34号証〜同第48号証は、他社のはんだ関連のカタログである。
請求人は、請求人の使用により、その指定商品・役務について自他商品・役務の識別標識として既に機能しているものである旨主張する、しかし、本願商標「SUPER SOLDER」と「スーパーソルダー」が甲第4号証(パンフレット)では、商標として指定商品(指定役務)について使用されていることを確認することができない。また、甲第5号証〜同第33号証は、原査定において指摘したように、ハンダ付け工法の技術の名称として、「SUPER SOLDER」と「スーパーソルダー」の名称が掲載された刊行物であるにすぎないものである。
さらに、甲第34号証〜同第48号証は、本願商標が商標法第3条第2項に該当するか否やの証拠となりえない他社のはんだ関連のカタログである。 そうすると、請求人より提出された甲各号証によっては、本願商標と使用商品及び使用役務の関係が具体的に把握できないから、本願商標は、商標法第3条第2項の要件を満たすものとは認めることができない。
上記のとおりであって、請求人の商標法第3条第2項に該当する旨の主張は、採用することができない。
したがって、商標法第3条第1項第3号に該当するとして、本願を拒絶した原査定は、妥当であって取り消すべき限りでない。
よって、結論のとおり審決する。
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