Trademark Appeal Case
「MERGE」の記述性と識別力
本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。
基本情報
| 審判番号 | 平成11年審判第13558号 |
|---|---|
| 審判種別 | 不服 |
| 結論 | 敗訴(請求棄却) |
理由テキスト
1 本願商標
本願商標は、「MERGE」の欧文字と「マージ」の片仮名文字を上下2段に横書きしてなり、第42類「宿泊施設の提供,宿泊施設の提供の契約の媒介又は取次ぎ,飲食物の提供,美容,理容,入浴施設の提供,写真の撮影,結婚又は交際を希望する者への異性の紹介,婚礼(結婚披露を含む。)のための施設の提供,デザインの考案,電子計算機のプログラムの設計・作成又は保守,展示施設の貸与,電子計算機(中央処理装置及び電子計算機用プログラムを記憶させた電子回路・磁気ディスク・磁気テープその他の周辺機器を含む。)の貸与,布団の貸与,ルームクーラーの貸与」を指定役務として平成8年12月11日に登録出願されたものである。
2 原査定の拒絶の理由
原査定は、「本願商標の構成中の『MERGE』の欧文字は、本願指定役務と関連が深いコンピュータに関連する用語が掲載される各種コンピュータ用語辞典において、併合するの意味を有する語としての記載があり、類語としてマージプログラム(merge purogram)、また、併合用ファイルをmerge file、マージ処理をmerge applicationというように記載されていることよりすれば、これをその指定役務中前記文字に照応する役務例えば『マージ処理用のプログラムの作成、あるいはマージ処理用のプログラムを記憶させた記録媒体の貸与』等に使用するときは、役務の内容(質)を表示するにすぎないものと認める。したがって、本願商標は、商標法第3条第1項第3号に該当する。」旨認定判断し、本願を拒絶したものである。
3 当審の判断
本願商標は、前記の構成よりなるところ、「MERGE」の文字については、各種事典、辞典によれば、「1)ある1つまたは2つ以上の項目に関して,同じ順序に並べられた2つ以上のデータの集まりを組み合わせて1つのデータの集まりにすること,またはその機能をおこなうプログラムのこと.2)ファイル中のレコード(record)をあるキー(key)の順番に並べることを分類(sort)という.複数の分類済のファイル(sorted file)を1つのファイルにまとめることを併合(merge)という.通常,この2つの機能を合わせて分類/併合(sort/merge)と呼んでいる.この『分類』と『併合』は,特に事務関係のコンピュータ処理において,あらゆる所で必要になる作業なので,その都度,プログラムを作成するのは大変である.そこで,必要な条件を指定するだけで共通的に使えるプログラムをメーカーが開発し利用者に提供する場合が多い.これを分類/併合プログラム(sort/merge program)と呼んでいる」(英和コンピュータ用語大事典 第2版 1996年7月22日発行 日外アソシエーツ株式会社)、「データを合併してより大きなファイルを作成すること」(コンサイスカタカナ語辞典 1996年12月1日発行 株式会社三省堂)、「はじめに出力データとして同じように順序づけられているデータの組を、二つないしそれ以上組み合わせて、一つの順序づけられたデータの組をつくること」(マグローヒル科学技術用語大事典第2版 1985年3月25日発行 株式会社日刊工業新聞社)、「マージプログラム(merge program)は一定条件の範囲でいくつかに分かれているデータ郡を1つにまとめるプログラム」(コンサイスカタカナ語辞典 1996年12月1日発行 株式会社三省堂)のように記載されていることが認められる。
また、1988年10月21日付け日刊工業新聞(7頁)には、「シーイーシー、富士通版のソート・マージソフトを発売」、1994年7月22日付け日刊工業新聞(10頁)には、「シーイーシー、三井情報開発、米製の高速ソート/マージプログラム発売」との見出しがあり、その内容は「富士通の大型汎用機Mシリーズ(OSIV/F4MSP)に対応する高速・多機能のソート・マージプログラム「SyncSort/MSP」を十一月から発売する。・・・・・・・・・「SyncSort/MSP」は、ソート/マージの処理時間短縮だけでなく、CPU(中央演算処理装置)負荷の軽減、ほかのジョブの処理効率の低下防止なども合わせて実現する画期的なプログラムとしている」との記事が掲載されている。
以上を総合すると、本願商標は、これを本願指定役務中、電子計算機のデータ処理を行うためのプログラムである「ソート/マージプログラムの設計・作成及び保守、あるいはソート/マージプログラムを記憶させた記録媒体の貸与」等に使用するときは、これに接する取引者・需要者は提供に係る役務の対象がマージプログラムであること、すなわち、その役務の内容・質を表示するものとして認識するに止まり、自他役務の識別標識としての機能を果たし得ないというのが相当である。
したがって、本願商標は商標法第3条第1項第3号に該当するとして拒絶した原査定は、妥当なものであって取り消すことはできない。
なお、請求人は「MERGE」及び「マージ」の言葉は、一般人にあっては合併することの意味と看取され、情報処理に関する用語としては未だ定着していない旨主張しているが、本願商標は、上記役務に係る取引者・需要者がどのように認識・理解するかという観点から検討し判断されるべきであるから、上記認定判断に照らし、その主張は採用することができない。
よって、結論のとおり審決する。
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