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結論

敗訴(請求棄却)

第4条第1項第16号・第3条第1項第3号「機能表示と普通名称の識別力」の商標審決・判断理由(審判番号:平成10年審判第14920号|請求不成立)

審判番号
平成10年審判第14920号
審判種別
不服

本文で言及されている区分

事件のポイント・要約

対象商標
本件商標(図形等・本文参照)
争点(論点)
機能表示と普通名称の識別力
適用条文
第4条第1項第16号・第3条第1項第3号
指定商品・役務の区分
本文参照
最終結論
請求不成立(敗訴(請求棄却))

この審決(審判平成10年審判第14920号・不服)は、本件商標について、商標法第4条第1項第16号・第3条第1項第3号への該当性が争われた事例です。主な争点は「機能表示と普通名称の識別力」です。特許庁は「本件審判の請求は、成り立たない」と判断しました(請求不成立)。商品の品質や用途を直接表す語は識別力が否定されやすいため、出願前に造語化や図形との組合せを検討することが有効です。

※ 上記は審決公報の本文から自動で整理した要約です。正確な内容は下記の公報原文をご確認ください。

結論テキスト

本件審判の請求は、成り立たない。

理由テキスト

1 本願商標

本願商標は、「マルチプライヤー」の片仮名文字を書してなり、第8類「軸用・孔用の止め輪の脱着具,その他の手動工具」を指定商品として、平成9年2月18日登録出願、指定商品については平成9年10月29日付手続補正書をもって「軸用・孔用の止め輪の脱着工具」と補正がなされているところである。

2 原査定の拒絶の理由

原査定は「本願商標は、商品が多機能であることを表す『マルチ』の文字と手動工具の一つである『プライヤー』の文字とを結合して『マルチプライヤー』と書してなるものであるから、これを指定商品中『プライヤー』に使用しても、『多機能なプレイヤー』として認識させるにすぎず、単に商品の品質・用途を表示するにすぎないものと認める。したがって、本願商標は、商標法第3条第1項第3号に該当し、前記商品以外の商品に使用するときは商品の品質の誤認を生じさせるおそれがあるから、商標法第4条第1項第16号に該当する。」旨認定して、本願を拒絶したものである。

3 当審の判断

本願商標は、前記のとおり「マルチプライヤー」の文字よりなるところ、その構成前半の「マルチ」の文字部分は、広辞苑(第5版)によれば「(接頭語として)多数の、複数の、多面的」の意味を表す極めて親しまれた外来語であって、例えば、「マルチウインドウ」、「マルチタスク」、「マルチスクリーン」等々の用例のごとく他の語と結合して、その商品の機能が単一でなく、多機能であること、あるいは多目的に用いられる商品であることを表す語として普通一般に使用されているところである。

また、後半の「プライヤー」の文字部分は、広辞苑(第5版)によれば、「物をつかみ、また挟む工具。ねじ・ナットを閉めたり板・棒を細工したりするのに用いる」と記載されており、さらに、商品大辞典(東洋経済新報社発行)「プライヤー類(plier、nipper)」の項によれば、「てこの原理により握力を増大してつまみ力を大きくして作業する工具で、針金その他を曲げたり切断したりするのに用いられ、用途により、形状の種々異なったものがある。プライヤーは支点の位置が変えられるようになっていて、小さいものから比較的大きいものまでつかむことができる。スナッププライヤーは、スナップリング着脱用で軸用と穴用がある。・・」と記載されている。

そして、該「プライヤー」は、商標法施行規則第3条別表の商品及び役務の区分第8類の「手動工具」に属する商品の一つとして例示されているところである。

ところで、請求人(出願人)が原審において提出した本願の指定商品「軸用・孔用の止め輪の脱着具」に関する商品カタログには、指定商品の特長として、「軸用、孔用どちらのスナップリングも確実にリングを保持する・・・」旨の記載や「ワンタッチ操作で簡単に軸用、孔用プライヤーに変換することができる。」等の記載があることから、本願の指定商品「軸用・孔用の止め輪の脱着具」は、前記した商品「プライヤー」と実質的に同一の商品というべきである。

そうすると、「マルチプライヤー」の文字からなる本願商標は、前記「多面的」等の意を表す「マルチ」の文字と手動工具の一種である「プライヤー」の文字とを結合してなるものと容易に認識、把握されるものであって、それ以外にこれら文字を結合することによって、それぞれが有する意味とは別個の意味合いを表現するというような特段の事情は見出せない。

してみれば、本願商標をその指定商品に使用するときは、これに接する取引者、需要者は、前記事情よりして、単に該商品が「多目的に用いられるプライヤー」であること、若しくは「多機能を有するプライヤー」であるといったこと、すなわち、その商品の品質、機能を普通に用いられる方法で表示したものと理解するに止まり、自他商品の識別標識としての機能を有するものとは認識しないものというのが相当である。

してみれば、本願商標は、商標法第3条第1項第3号に該当するものといわざるを得ないから、これと同旨の理由をもって本願を拒絶した原査定は、妥当であって取り消すべき限りでない。

よって、結論のとおり審決する。

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