Trademark Appeal Case
防ダニの識別力
本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。
基本情報
| 審判番号 | 平成11年審判第2951号 |
|---|---|
| 審判種別 | 不服 |
| 結論 | 敗訴(請求棄却) |
理由テキスト
1.本願商標
本願商標は、「防ダニ」の文字を標準文字として横書きしてなり、平成9年8月21日に商標登録出願、指定商品については、第24類に属する願書記載の指定商品を、同10年11月18日付手続補正書により、「ダニを通さない処理を施した、布団、布団カバー、布団側」に補正してなるものである。
2.原査定の理由
原査定は、本願商標は、「防ダニ」の文字を普通に用いられる方法で書してなるにすぎないものであるところ、近時、この種業界においては、アレルギーの原因のひとつと言われるダニ対策として、防ダニ加工を施した布団等を取扱い市販していることからすれば、これをその指定商品中「防ダニ処理を施した商品」に使用するときは、単に商品の効能、品質を表示するにすぎないものと認める。したがって、本願商標は、商標法第3条第1項第3号に該当する旨認定して、本願を拒絶したものである。
3.当審の判断
本願商標は、「防ダニ」の文字を書してなるものであるところ、その構成よりして「防」と「ダニ」の各文字を組合わせてなるものと容易に理解させるものである。
そして、本願指定商品との関係において前記文字(語)を考察するに、前半の「防」の文字は、例えば、「広辞苑第5版(株式会社岩波書店、1998年11月11日第五版第一版発行)」の「防」の項において、「ふせぐこと。まもること。」と記載されており、また、後半の「ダニ」の文字は、「だに【壁蝨】」の項において、「クモ綱ダニ目の節足動物の総称。動植物に寄生し、土中・水中・海中など、あらゆる場所に生活。」と記載されており、その「だに」の文字を、片仮名文字をもって表したものと容易に理解されるものである。
そうとすれば、本願商標は、「防」と「ダニ」を結合させたものであって、全体として「ダニが侵入したり、ついたりするのを防ぐこと」の如き意味合いを容易に理解・把握させるというのが相当である。
ところで、「防ダニ」の文字の用例についてみると、例えば、株式会社ジー・サーチの提供に係る「G−Searchの新聞記事データベース」において、1986年2月7日付、日経産業新聞、14頁には、「・・・防ダニ性など特徴のあるアクリル素材の改質、新規商品の開発を急ぐ。」との記載、1988年5月17日付、日経産業新聞、34頁には、「・・・抗菌加工効果を付与したり、防虫加工の流れが進み、防ダニ用など防虫繊維の進展が著しい。・・・」との記載、1989年7月15日付、日本経済新聞、夕刊、6頁には、「防ダニふとん(ヘルシーぐっず)」の見出しのもと『ふとんはソファやカーペットと並びダニの温床。・・・「防ダニふとん綿」を帝人、東レが相次いで開発、この綿を使った防ダニふとんが登場した。・・・』との記載、1991年7月22日付、日本経済新聞、朝刊、45頁には、「防ダニ布団−薬品や超極細繊維で寄せつけず(2001年の大型市場)」の見出しのもと『ぜんそくなどのダニを寄せ付けない布団やカーペットの需要が急速に高まっている。・・・七割近い消費者が「防ダニ機能付布団、カーペットを評価している。・・・』との記載、1989年5月23日付、朝日新聞、東京朝刊、17頁には、「小児ぜんそく、ダニ防除シーツが効果 大阪市大講師の堀内医師ら調査」の見出しのもと『・・・防ダニ寝具としては、テイジンがアース製薬と共同開発した、防虫綿を使った布団「マイティトップ」を発売している。・・・』との記載、1991年6月12日付、朝日新聞、大阪地方版/奈良には、「防ダニふとん(生活科学センターから) 奈良」の見出しのもと「・・・防ダニふとんを製造しているメーカーのパンフレットによると・・・」との記載、1994年11月19日付、朝日新聞、東京夕刊、8頁」には、「・・・ダニが多いのは、布団や畳、じゅうたんなど。そこで帝人は、八六年から防ダニふとんを販売している。・・・」との記載が認められる。
さらに、いわゆる通信販売カタログの一つ「フジサンケイグループのショッピングカタログ ディノス2000春夏号」(株式会社フジサンケイリビングサービス、平成12年1月17日発行)において、「寝装・ベッド」の項目の商品紹介に、その商品の品質を表示する記述として「防ダニ」の文字が使用されていることが認められる。
以上によれば、本願商標の指定商品に関連する寝具の業界において、「防ダニ」の文字は、商品の品質を表示するものとして普通に使用されている状況が認められる。
そうとすると、「防ダニ」の文字を書してなる本願商標を、その指定商品について使用した場合、これに接する取引者、需要者は、「ダニが侵入したり、ついたりするのを防ぐこと」を認識し、当該商品を「防ダニ効果(機能)を有する商品」であること、すなわち、当該商品の品質を表示したものと理解するに止まり、それをもって自他商品の識別標識とは認識し得ないものといわなければならない。
してみれば、本願商標を商標法第3条第1項第3号に該当するものとして本願を拒絶した原査定は妥当であって、取り消すことはできない。
なお、請求人提出の証拠をみるに、寝具について使用されている「防ダニ」の文字部分は、その商品の品質(機能)を表す文字(語)として把握、認識されるものであって、該文字は、自他商品の識別標識としての機能を有しているものとは認め難いものである。
また、請求人が引用する登録例は、本願商標とは、具体的構成並びに指定商品との関係において、事案を異にするものである。
したがって、この点について述べる本願商標の登録適格があるとする請求人の主張は採用することができない。
よって、結論のとおり審決する。
Next Action
次の一手につながるサービス
類似審決の追加調査から中間応答、新規出願の費用確認まで、この審決を起点に次のアクションへ進めます。