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Trademark Appeal Case

著名商標の要部認定

本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。

基本情報

審判番号平成9年審判第18685号
審判種別不服
結論敗訴(請求棄却)

結論テキスト

本件審判の請求は、成り立たない。

理由テキスト

1 本願商標

本願商標は、別掲の(1)に表示したとおりの構成よりなり、平成4年10月16日に登録出願、第3類「米糠を原料素材とする化粧品」を指定商品とするものである。

2 原査定の理由

原査定は、登録異議の結果「登録異議申立人(以下『申立人』という。)は、平成2年4月頃から登録第2715234号商標(以下『引用商標』という。)を使用して『洗糠(糠袋)』の販売を開始し(甲第12号証)、この事実が平成3年5月頃から本願出願前にかけて、女性誌等に紹介されていることが認められる(甲第30号証ないし同第35号証)。そして、平成2年には30万個、同3年には60万個の販売実績があったとの記事も見受けられる(甲第32号証)。また、この間引用商標を使用した4種類のリ一フレットを作成し約9万枚使用したと主張している(甲第14号証ないし同第17号証)。さらに、甲第76号証によれば、平成5年の予想としてではあるが、申立人の『美人ぬか』が『米糠』の部として、ブランド別シェアで第2位、25.0パーセントのシェアを占めることが見込まれている。以上の事実を総合すれば、引用商標は、『洗糠(糠袋)』に使用された結果、本願の出願前には、その取引者、需要者の間において周知、著名な商標として認識されるに至っていたと推認することができ、出願人の答弁によってもこの事実を覆すことはできない。出願人は、周知性獲得には、宣伝広告手段が少なく、また使用期間が短い旨反論しているが、近時の情報化時代において、しかも洗糠のように単品で需要者、取引者の範囲が広くない商品にあっては、そのことのみをもって周知、著名性の取得を否定するのは相当でない。しかして、本願商標『美人ぬか』と引用商標の要部『美人ぬか』とは称呼、観念を同じくし、また、本願の指定商品『米糠を原料素材とする化粧品』と引用商標の使用商品『洗糠(糠袋)』とは、取引者、需要者を共通にする場合が多いと認められるものである。してみれば、本願商標は、これが指定商品に使用された場合、商品が互いに非類似のものであるとしても、引用商標の著名性の故に、該商品が申立人又は申立人と何等かの関係を有する者の製造、販売に係る商品の如くその出所について混同を生ずるおそれがあると判断するのが相当である。したがって、本願商標は商標法第4条第1項第15号に該当するから、本件登録異議申立ては理由がある。」旨、認定判断した平成9年9月9日付け登録異議の決定に記載した理由により、本願を拒絶したものである。

3 請求人の主張

請求人は、「引用商標は実質的な販売は平成3年より行われたものと推認でき、本願出願日である『平成4年10月16日』までの使用期間は僅かに約1年10ヶ月にすぎないもの。上記期間内における引用商標使用の『洗糠(糠袋)』の販売実績は平成3年度:約36万本/年、平成4年度:約30万本/年にすぎない。雑誌への掲載は甲第30号証ないし同第35号証と僅かに6件にすぎず、『著名性』を有しない旨の反証となり得るものである。リーフレットの使用は平成3年1月からであり、その使用期間は本願出願日『平成4年10月16日』までの僅か1年10ヶ月程度にすぎないのみならず、その使用枚数も『約9万枚』を下回るもの。甲第76号証は『洗糠(糠袋)』のみならず『化粧品』を含めたブランド別シュアを示すに留まり、『洗糠(糠袋)』のみのブランド別シェアを示すものでない点からみて、『使用期間』『販売数量』『広告宣伝の方法・回数・内容』等があまりにも貧弱であり、『著名性』を獲得したとは云えない。さらに付言すれば、拒絶査定の理由において引用商標の要部を『美人ぬか』と認定されているが、引用商標は『縦長な長方形輪郭内に略変形楕円状の図形が描かれると共に、その両側外周に一対の尾長鶏とおぼしき動物図形が縁取り状に描かれ、同下部に竜の落し子とおぼしき図形が偏平輪状に連続して描かれた』特別顕著な図形中に『美人ぬか』の文字が一体不可分に配されたレトロ調のものであってみれば、全体として『著名性』獲得の有無を判断すべきものであり、殊更に『美人ぬか』の文字のみに拘泥する必然性は全くないものである。本願商標は商標法第4条第1項第15号の規定に該当するものではない。」旨を主張して、証拠方法として甲第1号証を提出した。

4 当審の判断

(1)本願商標と引用商標の類否について、

本願商標は、別掲の(1)に示したとおり「美人ぬか」の文字を縦書きしてなるものであるから、「ビジンヌカ」の称呼及び「美人ぬか」の観念を生ずることは明らかである。

他方、引用商標は、別掲の(2)に示したとおり「美人ぬか」の文字部分が中央に縦書きしてあり、その文字部分のまわりを飾るように図形が描かれている構成からは、「美人ぬか」の文字部分が取引者・需要者に強い印象を与えるものと認められるものであって、この文字部分を捉えて取引に資されることが多いものと認められるから、この文字部分は、独立して自他商品の識別標識としての機能を果たすものと認められる。

そうすると、引用商標は、自他商品の識別標識として機能する「美人ぬか」の文字部分から「ビジンヌカ」の称呼及び「美人ぬか」の観念を生ずるものと認められるから、本願商標と引用商標は、「ビジンヌカ」の称呼及び「美人ぬか」の観念を共通にする類似の商標といわざるをえない。

(2)引用商標の周知・著名性について

申立人提出の甲第12号証ないし同第76号証、同第87号証ないし同第90号証を総合すると、引用商標は、申立人が「洗糠」のみならず「純米シャンプー」、「化粧品(純米水ドライスキン,純米水オイリースキン,純米洗顔,純米トリートメント,純米ふきとり水,純米乳液,純米パック)」について使用した結果、本願商標の登録出願の時に取引者・需要者の間に既に広く認識されていたことが以下の事実より認められ、その周知・著名性は現在も継続していることが推認できるものである。

すなわち、引用商標は、申立人提出の甲第13号証ないし同第29号証のカタログ、リーフレット、パンフレットにおいて「洗糠」、「シャンプー」、「化粧品」に使用していることが認められる。

そして、引用商標を使用した前記の商品は、本願商標の登録出願前において「洗糠」が615,473個(平成3年が368,313個、平成4年は227,160個(月平均25,240個×1月から9月までの出荷個数))、「純米シャンプー,化粧品(純米水ドライスキン,純米水オイリースキン,純米洗顔,純米トリートメント,純米ふきとり水,純米乳液,純米パック)」が528,744個と大量に取引されていることが申立人提出の甲第74号証により認められる。

また、取引先も全国に及んでいることが申立人提出の甲第75号証により認められる。

さらに、引用商標を使用した前記の商品は、申立人提出の株式会社マガジンハウス(1991年5月17日発行)「an・an」(甲第30号証)、光文社(平成3年11月1日発行)「CLASSY 11月号」(甲第31号証)、日経BP社(1992年4月10日発行)「日経ギフト 4月号」(甲第32号証)、集英社(平成4年2月3日発行)「セブンティーン・2月3日号」(甲第33号証)、(株)主婦の友社(平成4年8月1日発行)「レイ8月号」(甲第34号証)、三起商行株式会社(平成4年6月1日発行)「マンスリー・ミキハウス 6月号」(甲第35号証)に広告又は商品の紹介記事が掲載されており、これら雑誌は、申立人提出の甲第68号証の株式会社大広(1994年12月号)「雑誌の発行部数と読者特性」によれば主として女性が購読者であって、それぞれ相当大量に発行され購読されていたものと認められる。加えて、申立人提出の甲第13号証ないし同第29号証のカタログ、リーフレット、パンフレットは、「洗糠,純米シャンプー,化粧品(純米水ドライスキン,純米水オイリースキン,純米洗顔,純米トリートメント,純米ふきとり水,純米乳液,純米パック)」の商品が本願商標の登録出願前に大量に取引されていたことからすれば、相当の数が頒布されたものと推認できる。

そして、引用商標を使用した商品は、その後も「せっけん類,化粧品」について多くの種類の商品に使用され、平成5年が2,080,474個、平成6年が3,102,748個、平成7年が2,745,077個、平成8年が2,344,039個と大量に取引されていることが申立人提出の甲第74号証において認められる。また、雑誌、ラジオ、新聞による宣伝広告(申立人提出の甲第36号証ないし同第67号証、同第69号証ないし同第73号証、同第87号証ないし同第90号証)も大量に行われたことが認められる。

(3)そうすると、本願商標は、別掲の(1)に示すとおり「美人ぬか」の文字を縦書きしてなるものであり、前記周知・著名な引用商標の「美人ぬか」と同じ文字を書してなるものであるから、本願商標をその指定商品「米糠を原料素材とする化粧品」に使用した場合には、前記実情からして、これに接する取引者・需要者は、引用商標を想起・連想し、該商品が申立人又は同人と組織的・経済的に何らかの関係を有する者の業務に係る商品であるかのように出所について混同を生じさせるおそれがあるものといわざるを得ない。

したがって、本願商標は、商標法第4条第1項第15号に該当するとして、本願を拒絶した原査定は、妥当なものであって取り消すべき限りでない。

よって、結論のとおり審決する。

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