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Trademark Appeal Case

キャッチフレーズの識別力

本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。

基本情報

審判番号平成11年審判第10229号
審判種別不服
結論敗訴(請求棄却)

結論テキスト

本件審判の請求は、成り立たない。

理由テキスト

1 本願商標

本願商標は、「WE MAKE THE THINGS THAT MAKE COMMUNICATIONS WORK」の英文字を表示してなり、第9類「配電用又は制御用の機械器具,電池,電線及びケーブル,電気通信機械器具,電子応用機械器具及びその部品」を指定商品として平成9年8月14日に登録出願されたものである。

2 原査定の拒絶の理由

原査定は、「本願商標は、『WE MAKE THE THINGS THAT MAKE COMMUNICATIONS WORK』の文字を普通に用いられる方法をもって書してなるが、当該英文よりは、例えば、『我々は通信の作業をするものを造り上げる』程度の意味合いが容易に理解されるところ、その指定商品がいわゆる通信機器や情報処理機器などであることをも勘案するならば、これを、その指定商品に使用したときは、需要者をして、いわゆるキャッチフレーズのひとつ程度に認識されるにとどまり、何人かの業務に係る商品であることを認識することができない商標と認める。したがって、本願商標は、商標法第3条第1項第6号に該当する。」旨の理由で本願を拒絶したものである。

3 当審の判断

企業は、その取扱商品や企業イメージに関して、消費者や需要者に親しみや好感、信頼感などの良い印象を抱いてもらうよう日常的に心掛けているといえるところ、その一手段として、標語(キャッチフレーズ)などを採択し、それを通して商品の広告・宣伝や企業イメージの向上に努めているのが実情である。

そして、これらの中には、端的な宣伝語句であるもののほか、商品や企業のイメージを向上させることを目的とする観念的・抽象的表現の標語も採択されているところであり、その場合、これらが、需要者により、自他商品の識別標識(商標)として認識・理解されるものと、単なる標語(キャッチフレーズ)の一種として認識されるにとどまるものがあるというのも実情である。

一方、商標は、商品の出所表示標識として機能するという本質に照らせば、比較的簡潔で記憶されやすいものが採択されるのが一般的であり、構成が散漫なものや極めて冗長なものは、それ自体覚えにくく、記憶印象も確然とせず商標としての機能が薄弱になることから採択され難い傾向にあるといえる。

そこで、本願商標をみるに、その構成は前記のとおり「WE MAKE THE THINGS THAT MAKE COMMUNICATIONS WORK」の英文字よりなるところ、書された文字の全体からは直ちに特定の意味合いの熟語的文字とは認識し得ない一方、これが直ちに全体を一体的に把握できるような簡潔な構成でもないことから、まずは、何らかの意味合いを有する文章を綴ったものとの認識がされるとみるのが相当である。

そして、各語が比較的簡明な英単語であって、我が国における近時の英語教育の普及程度からすれば、これに接する取引者、需要者は、さほどの困難を伴うことなく、全体として「私たちは通信業務に関する物を作ります」程度の抽象的意味合いを感得・把握するとみて差し支えなく、以て本願指定商品に係る業務を含む請求人(出願人)業務の内容と関連づけて認識・理解するとみるのが相当である。

また、本願商標の構成は極めて冗長であり、格別要部として把握し得る部分があるとも認め難いことから、その意味合いを看取した取引者・需要者は、前記した、企業における標語(キャッチフレーズ)の採択の実情よりすれば、これをその取り扱いに係る特定の商品について使用する商品識別の標識と認識するというよりは、むしろ、「電気通信機械器具」を含む情報通信に関する指定商品を取り扱っている請求人の業務に関し、その企業理念を端的に表現した標語(キャッチフレーズ)の一種と認識し理解するとみるのが社会通念上相当である。

してみれば、本願商標をその指定商品に使用しても、取引者、需要者は、消費者向けに企業のイメージを訴えるためのキャッチフレーズ(キャッチコピー)の一類型と理解するに止まり、それをもって自他商品の識別標識とは認識し得ないものであるから、結局、本願商標は、需要者をして何人かの業務に係る商品であるのかを認識することができない商標というべきである。

請求人は、本願商標より文章構造が簡易で、その意味合いが一見して容易に理解される「WE MAKE COMMUNICATIONS WORK」の文字よりなる商標が登録されているにも拘わらず、一見して容易にその意味合いを理解できない本願商標がキャッチフレーズとされるのは不自然である旨主張している。

しかしながら、提示の登録商標は極めて冗長、散漫ともいえず、商品の品質などを具体的に表示する構成ともいえないものであって、登録要件を具備するものというべきであり、本願商標とは事案を異にするものであるから、請求人の主張は採用できない。

したがって、本願商標が商標法第3条第1項第6号に該当するとした原査定の認定・判断は妥当なものであって、これを取り消す限りでない。

よって、結論のとおり審決する。

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