結論テキスト
審判費用は、被請求人の負担とする。
Trademark Appeal Case
本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。
| 審判番号 | 平成10年審判第30943号 |
|---|---|
| 審判種別 | 不服 |
| 結論 | 勝訴(請求認容) |
本件登録第2585357号商標(以下「本件商標」という。)は、「COLUMNA」の欧文字と「コルムナ」の片仮名文字を二段に横書きしてなり、平成3年11月20日に登録出願され、第21類「装身具、ボタン類、かばん類、袋物、宝玉およびその模造品、造花、化粧用具」を指定商品として、平成5年10月29日に登録されたものである。
請求人は、結論同旨の審決を求め、その理由及び被請求人の答弁に対する弁駁を要旨以下のように述べ、証拠方法として甲第1号証ないし甲第3号証を提出した。
(1)請求の理由
商標権者である被請求人は、正当な理由なく、本件商標を、継続して3年以上、日本国内で、その指定商品中「身飾品,ボタン類,宝玉およびその模造品」のいずれについても使用していない。
本件商標の登録原簿によれば、本件商標には、専用使用権も通常使用権も登録されておらず、かつ、登録されていない使用権者が存在していて、本件商標を、その指定商品中「身飾品,ボタン類,宝玉およびその模造品」のいずれかに現在使用しているという事実も存在せず、また、過去3年以内に使用していたという事実も存在しない。
また、平成9年3月31日以前に本件商標と相互に連合関係に立っていた登録商標は存在していないので、連合関係に立っていた登録商標の使用は問題にならない。
よって、本件商標の指定商品中「身飾品,ボタン類,宝玉およびその模造品」についての登録は取消されて然るべきである。
(2)弁駁(平成11年3月4日付弁駁書)
被請求人の乙第1号証、乙第2号証、乙第3号証を根拠にする反論は虚偽である。乙第1号証は、不使用取消を免れんがために本件審判が起きてから日付をさかのぼらせて作成したものである。
乙第2号証「納品書」、乙第3号証「請求書」は、いずれも文房具店で広く市販されている定型用紙を用いているものである。ごく小さな企業であるならばこのような市販の定型用紙を用いることもあろうが、いやしくも「株式会社日刊スポーツの広告担当の子会社」ほどの会社であるならば、自前で独自に印刷した納品書、請求書を使用しているはずである。よって、乙第2号証及び乙第3号証は、真実に同社の納品書、請求書であるか極めて疑わしい。
仮に乙第2号証及び乙第3号証が真実のものとしても、乙第2号証及び乙第3号証から立証される事実は、「平成10年2月15日頃に株式会社アレンジの何らかのチラシが、新聞に折り込まれて頒布された」という事実にとどまり、決して「折り込まれたチラシは、乙第1号証であった」という事実についてまで証明するものではない。新聞に折り込まれて頒布されたチラシは、乙第1号証ではない。すなわち、乙第2号証にも乙第3号証にも、「B3サイズ」と明記してあるにもかかわらず、乙第1号証はより小さなチラシであり、サイズが合わないという客観的事実が存在する。
「株式会社アレンジ」が本件商標の登録されていない使用権者である旨の立証が欠落している。
仮に、乙第2号証及び乙第3号証の書証としての成立が主張・立証され、乙第2号証及び乙第3号証の対象となっているチラシが乙第1号証であり、被請求人と「株式会社アレンジ」との間でしかるべき使用契約が締結されていたと仮定したとしても、乙第1号証は、商標法にいう「使用」に該当しない。
乙第1号証を検討するに、「Columna」と欧文字で記載された下に「ギリシャの大理石製の円柱の上部に似た図形」が描かれている態様となっているが、この「Columna」と「ギリシャの大理石製の円柱の上部に似た図形」を組み合わせた商標は、スイス国、ローザンヌ、リュー ドプール 18に所在するスイス法人 コルムナ ソシエテ アノニム(以下「コルムナ社」という)が全世界的に使用している商標である。
したがって、乙第1号証掲載の商品は、コルムナ社の製造・販売にかかる商品であり、日本に輸入されたコルムナ社の商品を、流通の過程でどこかから仕入れてきて販売している「株式会社アレンジ」が、そのチラシ広告の乙第1号証に「Columna」と「ギリシャの大理石製の円柱の上部に似た図形」を組み合わせた商標を印刷しているとしても、商標法における「使用」という行為の面でとらえれば、「使用」しているのはコルムナ社であって「株式会社アレンジ」ではない。
このことは、町中にある家庭用電気製品を販売する小売店が「Sony」「ナショナル」などの表示とともにその家庭用電気製品の商品写真を掲載したチラシを作成して頒布したとしても、商標法上は、「Sony」「ナショナル」という商標を「使用」しているのは、「ソニー株式会社」「株式会社松下電器産業」であって、当該小売店ではないのと同様である。
よって、商標法上の「使用」に該当しない以上は、不使用であるとの結論になる。
(3)上申の内容(平成11年5月25日付審判事件上申書)
「COLUMNA」ブランドは、コルムナ社が、全世界的に登録し、使用している有名な商標である。
しかるに、たまたま、コルムナ社が「COLUMNA」商標を日本国で登録し忘れていたところ、平成3年に、当時コルムナ社の製品の輸入をしていた某会社の代表者であった魚住泰二が、コルムナ社に無断で勝手に個人名義にて「COLUMNA/コルムナ」を出願してしまい、平成5年に登録第2585357号商標として登録を得てしまったのが本件商標である。
その後、魚住泰二は事業に失敗したために、その借金の形の一部として、債権者である本件審判の被請求人が本件商標を取得し、本件商標は、被請求人名義に登録移転されてしまったものである。これらの経緯に照らせば、「COLUMNA」商品の事業とは何ら関係のない現所有者である被請求人が本件商標を所有すべきものではなく、コルムナ社に帰属すべきものである。
コルムナ社は、穏便に解決がつくのであれば、話し合いによる譲渡交渉で解決しようと試みたが、交渉にのぞんでも、被請求人は譲渡対価を提示しようとせず、時間の引き延ばしを計り、ようやく昨日になって、5000万円以上という法外な対価をコルムナ社に要求してきた。
被請求人の企図が、本件審判請求を奇貨として、商標ブローカーのごとくに、不当な利益を貧ろうとするのが明らかになったので、本件商標を被請求人からコルムナ社に譲渡することはなくなったものと判断いたします。
(4)弁駁(平成12年8月22日付第二弁駁書)
「B3サイズ一式」を、語句に合わせて素直に読むとしたならば、「B3サイズのもの複数枚からなる1セット」となるのであり、乙第1号証(B4サイズ)も、乙第1号証の2(A3サイズ)も、乙第2号証及び乙第3号証とは全く関係のない別の広告チラシ(不使用による取消を免れんがために本件審が起きてから日付をさかのぼらせて作成したもの)、との結論に至るはずである。
被請求人は、「本件審判請求を却下する。審判費用は、請求人の負担とする。」との審決を求めると答弁し、その理由を要旨以下のように述べ、証拠方法として乙第1号証、乙第1号証の2、乙第2号証、乙第3号証及び乙第4号証を提出した。
(1)答弁の理由
乙第1号証、乙第2号証、乙第3号証から明らかなように、平成10年2月15日に株式会社日刊スポーツ広告社(株式会社日刊スポーツの広告担当の子会社)により納品されたDM用チラシが頒布され、このチラシにおいて、身飾品について本件商標が使用されている。また、このチラシによれば、本件商標の使用者は株式会社アレンジであるが、株式会社アレンジは、本件商標の登録されていない使用権者である。乙第4号証から明らかなように、被請求人である國田宇弘は株式会社アレンジの取締役であるから、取締役所有の登録商標を会社に使用させることは、単に不使用による登録取り消しを免れるために行われたものではなく、商慣行上通常に行われていることである。
してみれば、請求人の主張は事実を歪曲したものであり、本件商標は商標法第50条第1項の規定に該当しない。
(2)答弁(平成11年8月10日第2答弁書)
請求人は、乙第2号証、乙第3号証の成立を否認する旨を主張している。しかし、乙第2号証、乙第3号証は共に「株式会社日刊スポーツ広告社」の表記及び社印の捺印がなされたものである。してみれば、請求人の主張は、単に市販の用紙を用いていることのみを根拠とするものであり、到底容認することができない。
請求人は、乙第1号証と乙第2号証、乙第3号証との関連性を否認している。その根拠は、「サイズの不一致」、及び「乙第1号証が新聞折込のチラシである」ことである。
このうち、「サイズの不一致」については、被請求人が、審判事件答弁書において、身節品について本件商標を使用したことを立証する乙第1号証のみを添付したことに起因する。このことは、乙第2号証、乙第3号証の何にも、単に「B3サイズ」と表記するのではなく、「B3サイズ一式」と表記してあることからも分かることである。してみれば、請求人のサイズの不一致に関する主張は、故意に「一式」の表記を無視して行ったものであり、到底容認できない。なお、被請求人は、乙第1号証と共に納品されたチラシを乙第1号証の2として提出する。
また、「乙第1号証が新聞折込のチラシである」については、乙第2号証、乙第3号証の何れにも表記されている「DM用チラシ」を故意に無視した主張であるから、到底容認できない。すなわち、「DM用チラシ」がダイレクトメール用チラシであることは自明であり、このチラシを新聞折込のチラシであると曲解した請求人の主張はいたずらに事実を歪曲するものである。 請求人は、「株式会社アレンジ」が本件商標の登録されていない使用権者である旨の立証が欠落していると主張している。しかし、既に述べたように、被請求人である國田宇弘は株式会社アレンジの取締役でありますから、取締役所有の登録商標を会社に使用させることは、単に不使用による登録取り消しを免れるために行われたものではなく、商慣行上通常に行われていることである。そして、このような使用権の許諾について「商標権使用契約書」が必要であることは商標法上何ら規定がないだけでなく、契約書が存在しない場合に契約が成立しないとする規定も存在しない。してみれば、請求人のこの主張に何らの根拠がない。
請求人は、「Columna」と「ギリシャの大理石製の円柱の部に似た図形」とを組み合わせた商標は、コルムナ社が全世界的に使用している商標であると主張している。しかし、少なくとも日本国においては被請求人が登録商標を有しているから、日本国内における使用は商標権の侵害になるものであり、コルムナ社が全世界的に使用している商標であるとの請求人の主張は何ら根拠がなく、到底容認することができない。もちろん、コルナ社が全世界的に使用している商標であることを前提とするその他の主張も何ら根拠がなく、到底容認することができない。
(1)乙第1号証及び乙第1号証の2について
被請求人が、「DM用チラシ」であるとする乙第1号証には、指輪やペンダントなどの商品が掲載され、本件商標と社会通念上同一といえる「Columna」の文字を表した商標が表示され、また、これらの商品の販売元が「株式会社アレンジ」であり、「1万円均一セール」の期間が、1998年3月25日から7月31日までであることが示されている。
また、被請求人は、この「DM用チラシ」が「株式会社日刊スポーツ広告社(日刊スポーツの広告担当の子会社)」により納品されたものとしているが、印刷インクの状態や用紙の材質をみると、これ自体は通常の印刷により作成されたものではなく、カラーコピーにより作成されたものと認められる。 被請求人が、乙第1号証と同時に「株式会社日刊スポーツ広告社」により納品された「DM用チラシ」であるとする乙第1号証の1には、バッグやベルトなどの商品が掲載され(但し、本件審判請求に係る指定商品に属する商品は掲載されていない。)、本件商標と社会通念上同一といえる「Columna」の文字を表した商標が表示され、これらの商品の販売元が「株式会社アレンジ」であることが示されているが、この「DM用チラシ」が作成された時期を窺わせる記載は見あたらない。
(2)乙第2号証及び乙第3号証について
乙第2号証の納品書及び乙第3号証の請求書には、共に「株式会社日刊スポーツ広告社」の表記及び社印の捺印がなされている。また、請求人は、「株式会社日刊スポーツの広告担当の子会社」ほどの会社であるならば、自前で独自に印刷した納品書、請求書を使用しているはずである旨主張するが、大手スポーツ新聞社の子会社だからといって、必ず小企業でなく納品書や請求書に市販の納品書用紙や請求書用紙を使用しないとは断定できない。
そして、他に乙第2号証及び乙第3号証が、真正のものでないとするに足りる証拠はないから、乙第2号証及び乙第3号証は真正のものと認める。
なお、請求人は、被請求人に乙第2号証及び乙第3号証が真正であることを立証するよう求めているが、これが真正でないと主張する請求人において立証すべきものである。また、請求人は、乙第2号証及び乙第3号証に記載されている「DM用」の表記における「DM」は、広告業界では新聞の折込チラシなども含む用語であるとか、被請求人の主張からすると、乙第1号証は、「日刊スポーツ新聞の折込チラシとして発注したとするのが、もっとも自然であり」とか述べているが、「DM」はダイレクト・メールの意であり、普通、「商品の宣伝のため、特定の顧客層に向けて郵送する手紙・カタログなどの印刷物」(「広辞苑」参照)をいうものであるし、「日刊スポーツ新聞」などのスポーツ新聞には折込チラシを通常入れないものである。
(3)チラシのサイズについて
請求人は、乙第2号証の納品書及び乙第3号証の請求書には、「DM用チラシ」が「B3サイズ」と明記されているのに、乙1号証はそれより小さくサイズが合わないことを乙第1号証が真正でないとする理由の一つに挙げている。
これに対して、被請求人は、乙第2号証の納品書及び乙第3号証の請求書には「B3サイズ一式」と記載されており、「一式」の表記を無視する請求人の主張は容認できないと述べている。
そこで、乙第1号証及び乙第1号証の1をみると、乙第1号証はB4サイズ、乙第1号証の1はB3サイズと認められる。
そして、乙第2号証の納品書及び乙第3号証の請求書には、それぞれ「DM用チラシB3サイズ一式」、「DM用チラシ(B3サイズ一式)」と記載されているが、この「B3サイズ一式」の記載はいずれもB3サイズの2枚以上の異なる内容の「DM用チラシ」を一式として組み合わせたものと解するのが相当である。
そうすると、B4サイズの乙第1号証の「DM用チラシ」とB3サイズの乙第1号証の「DM用チラシ」が、乙第2号証の納品書及び乙第3号証の請求書に記載されている「株式会社日刊スポーツ広告社」により納入された「DM用チラシB3サイズ一式」であるとは認め難いものである。
(4)本件商標の使用事実の立証について
以上のようにみてくると、乙第1号証の「DM用チラシ」には、指輪やペンダントなどの商品が掲載され、本件商標と社会通念上同一といえる「Columna」の文字を表した商標が表示され、また、これらの商品の販売元が「株式会社アレンジ」であり、「1万円均一セール」の期間が、1998年3月25日から7月31日までであることが示されてはいるものの、これが実際に頒布されたものであるか否か、作成枚数も含めて明らかではない。
そして、請求人が提出した乙第1号証、乙第1号証の2、乙第2号証、乙第3号証及び乙第4号証(株式会社アレンジの登記簿の謄本)を総合しても、本件審判の請求の登録前3年以内に日本国内において、請求人が本件商標の使用権者であるとする「株式会社アレンジ」によって本件商標が請求に係る指定商品中の「身飾品,ボタン類,宝玉およびその模造品」のいずれかについて使用された事実を認めることができない。
したがって、本件商標の指定商品中、請求に係る「身飾品,ボタン類,宝玉およびその模造品」については、商標法第50条の規定により、その登録を取り消すべきものである。
よって、結論のとおり審決する。
Next Action
類似審決の追加調査から中間応答、新規出願の費用確認まで、この審決を起点に次のアクションへ進めます。
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