結論テキスト
審判費用は、請求人の負担とする。
Trademark Appeal Case
本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。
| 審判番号 | 平成10年審判第30722号 |
|---|---|
| 審判種別 | 不服 |
| 結論 | 敗訴(請求棄却) |
本件登録第2377650号商標(以下、「本件商標」という。)は、レタリング化した「GRACE」の文字を横書きしてなり、第29類「コーヒー、その他本類に属する商品」を指定商品として、昭和61年12月23日に登録出願、平成4年2月28日に設定登録されたものである。
請求人は、「本件商標の指定商品中『茶、清涼飲料、果実飲料、氷』の登録を取り消す、審判費用は被請求人の負担とするとの審決を求める。」旨主張し、その理由及び答弁に対する弁駁を次の通り述べ、証拠方法として甲第1号証及び甲第2号証を提出している。
(1)本件商標は、上記指定商品中「茶、清涼飲料、果実飲料、氷」について、本件審判請求前3年間わが国において被請求人によって使用された事実はない。また、登録原簿上、本件商標について専用使用権者並びに通常使用権者は登録されておらず、また連合商標も存在していなかった。
したがって、本件商標は、上記商品について、商標権者、専用使用権者及び通常使用権者のずれによっても本件審判請求前3年間わが国において使用されて被請求人によって使用されていないし、その連合商標であった商標の使用もありえないから、本件商標の登録は、上記商品について、商標法第50条の規定により取消されるべきである。
(2)答弁に対する弁駁
(イ)乙第1号証は、インスタントティー入りの瓶でレッテルが貼られたものの写真であるが、この写真は、「この写真の物品が、審判請求前3年以内にわが国において現実に販売されたこと」を証明していない。すなわち、本号証は、その撮影日である平成10年10月2日の時点で、写真の物品が存在することを示しているにすぎない。また、本号証の写真中の瓶のレッテルの真否に関しても疑義がある。すなわち、本号証中の物品3本を並べてこれらの正面を撮影した写真において、その各物品の各レッテル中の「Tea」と表示された横長の四角形の部分は、いずれも正確な四角形をしておらず、また、これら3つの各四角形の形状が不揃いであることからすると(甲第1号証参照)、上記「『Tea』と表示された横長の四角形の部分」は、「Tea」(ティー)以外の商品のレッテルの上に他の紙片を貼りつけたもののように看取できる。したがって、写真中の係るレッテル及びこれを付した物品の真正には疑いが生じざるをえない。また、本号証の写真中の物品の背面のレッテルに付された賞味期限の「98.6.20」の表示も、四角に切った紙片にスタンプで押したようなものを貼付したにすぎず、このような簡単なものは、後からいつでも貼付することが可能であり、係る表示は、本件商標が上記3年以内に使用されたことを裏付ける客観的な証明資料とは言えない。
(ロ)乙第2号証は、「株式会社太陽食研」が、被請求人宛に作成した証明書であるが、この証明書も、「被請求人が当該インスタントティーを審判請求前3年以内にわが国において現実に販売したこと」を客観的に証明するものではない。ましてや、「被請求人が、その商品に関して、商標法が認める『登録商標の使用』の態様で本件商標を使用したこと」も証明するものではない。また、本号証は、被請求人と取引関係にある者が被請求人のために単に証言するという形式によるものであり、このような証拠方法は客観性を欠き、証拠価値が乏しいものである。また、係る証明書は、会社名義で作成されたものであり、その捺印も社印にすぎないから、すなわち、係る証言の責任が帰属すべき人物が明らかでないから、係る証明書に証拠価値は認められない。さらに、係る証明書の内容文言中の「グレイスティー」が、上記乙第1号証の写真の物品と同一のものであるかどうかは不明である。
(ハ)乙第3号証は、「神戸オフセット印刷株式会社」作成の証明書であるが、この証明書は、「被請求人が、証明書で述べたラベルを使用した商品を、審判請求前3年以内にわが国において現実に販売したこと」を証明するものではない。また、当該ラベルの表示内容が、商標法が認める「登録商標の使用」の態様で本件商標を使用する内容であったことまでも証明するものではない。また、本号証の証拠方法は、被請求人を相手(被請求人が顧客・納品先)に取引関係にある者が被請求人のために単に証言するという形式によるものであり、このような証拠方法は客観性を欠き、証拠価値が乏しいものである。また、係る証明書は、会社名義で作成されたものであり、その捺印も社印にすぎないから、すなわち、係る証言の責任が帰属すべき人物が明らかでないから、係る証明書に証拠価値は認められない。さらに、係る証明書の内容文言中の「グレイステイーラベル」が、上記乙第1号証の写真の物品中のラベルと同一のものであるかどうかは不明である。特に、上記乙第1号証の写真の物品のラベルは、先に述べたように「その各物品の各レッテル中の『Tea』と表示された横長の四角形の部分は、いずれも正確な四角形をしておらず、また、これら3つの各四角形の形状が不揃いである」ことからすると、このようなラベルが本当にあるかどうかは極めて疑わしい。
(ニ)本号証は、被請求人の本社ビルの一階に設置された店舗(リパブリック三宮店)によって作成された販売証明者及び同店の商品設定一覧表(在庫表)の写しであるが、この証明書は、少なくとも、「この証明書中の商品設定一覧表(在庫表)中に表示される商品名『グレイス テイー』の商品に関して、商標法が認める『登録商標の使用』の態様で本件商標が使用されたこと」を証明していない。また、本号証の証拠方法は、被請求人の本社ビル内に設置されている被請求人の直営店(甲第2号証参照)の者、すなわち、被請求人本人と同一視できる者が被請求人のために証言するという形式によるものであり、このような証拠方法は客観性を欠き、証拠価値が乏しいものである。また、本証明書中の商品設定一覧表(在庫表)は、同店の電算機打ち出しデータリストであり、そのデータの内容は同店によって自由に記録可能なものであるから、このリストにも証拠価値は認めがたい。また、商品の在庫の証明は、直ちに、一定期間中の商品の販売を証明するものではない。さらに、係る証明書中の商品設定一覧表(在庫表)中に表示される商品名「グレイスティー」の商品が、上記乙第1号証の写真の物品と同一のものであるかどうかは不明である。
(3)さらに、被請求人の主張する「テスト販売」の実体についても疑わしい。この「テスト販売」が、被請求人が答弁書中で述べたように「本格的に販売を開始するかどうか」を決定するためのものであるのならば、被請求人は、それなりの目的意識・熱心さを以てそのテスト販売に臨んだ(例えば、広告・宣伝等)はずである。しかしながら、答弁書においては、「テスト販売」を裏付けるための資料として上記乙各号証のようなものしか提出されておらず、これでは、上記「テスト販売」の実体に疑義が生じざるをえず、さらに、本当に上記「テスト販売」自体が行われたのかという疑いも生じる。また、「平成9年の7月から平成10年の1月の半年以上の期間」にわずか「200」個前後の商品を売っただけで、何故に、「テスト販売の結果評判が良かった」と言えるのか不可解であるし、このようなわずかなテスト販売結果に基づいて、「近々、本格的販売を開始する予定である。」というのも不可解であり、係る「テスト販売」については不審な点が多い。
被請求人は、結論同旨の審決を求めると答弁し、その理由を下記の通り述べ、証拠方法として乙第1号証乃至乙同第12号証を提出している。
(1)本件審判請求は、本件商標が商品「茶、清涼飲料、果実飲料、氷」について請求前3年間我が国において被請求人によって使用されていないから、登録を取り消す旨の審決を求めるものである。これに対し、被請求人は以下のとおり答弁する。
(2)被請求人は審判請求に係る上記商品のうち、少なくともインスタントティー(即席紅茶)について本件審判請求前3年以内に我が国において使用しているので、これを立証する。
乙第1号証は被請求人の代理人が平成10年10月2日に、神戸市中央区海岸通8番の鳥巣特許事務所内で撮影した、被請求人の製造販売にかかる瓶入りインスタントティー(以下、本製品という)の正面(表側)の写真と、本製品の背面(裏側)の写真ならびに本製品を3本並べて撮影した正面の写真である。本製品の表側のレッテルの上下方向のほぼ中央部および裏側のレッテルの上部右側に、本件商標「GRACE」がそれぞれ表示されている。また、裏側のレッテルの本件商標の表示部の下に、本製品の賞味期限である(19)98.6.20が印字(刻印)されている。本製品は株式会社太陽食研(埼玉県川越市旭町2丁目20の18)に製造を依頼し、株式会社太陽食研によって200g入り瓶詰225本が製造され、平成8年6月27日に被請求人宛に出荷されたものである。このことは、株式会社太陽食研が証明した乙第2号証(写しですが、原本が必要であれば提出致します)に示すとおりである。また、本製品の瓶の表裏に貼着しているグレイスティーのラベルは、被請求人が神戸オフセット印刷株式会社(神戸市中央区筒井町2丁目3番11号)に依頼し、同神戸オフセット印刷株式会社は表用および裏用の各ラベルをそれぞれ500枚づつ印刷して平成8年(1996年)5月20日に被請求人に納入している。これは、神戸オフセット印刷株式会社の証明による乙第3号証に示すとおりである。そして、本製品は被請求人の本社ビルの−階に設置された店舗(リパブリック三宮店)において平成9年(1997年)7月頃からテスト販売を開始した。本製品に関する平成10年(1998年)1月22日付けの商品設定一覧表(棚卸し時の在庫数を示すコンピュータ打ち出しデータ)から明らかなように、本年1月22日の時点で本製品は9本残っていた。この事実は、リパブリック三宮店の証明による乙第4号証(販売証明書)に示すとおりである。本製品はテスト販売期間中に200個前後が販売されたものであるが、テスト販売の結果、評判が良かったことから、近々、本格的に販売を開始する予定である。なお、乙第1号証の写真に写っている3本の本製品は、テスト販売する前に被請求人が開発商品として保管していたものである。
(3) 第二答弁として
(イ)請求人によれば、乙第1号証について平成10年10月2日に被請求人の代理人が撮影した3本の本件商標「GRACE」を付けたインスタントティーの商品(以下、グレーステイ一という)について、表のレッテル中のTeaと表示された横長形の四角形の部分はいずれも正確な四角形をしておらず、形状が不揃いで、Teaと表示された横長の四角形の部分は、ティー以外の商品にのレッテル上に他の紙片を貼り付たもののようであると、また裏のレッテルについては、賞味期限の「98.6.20」の表示も四角に切った紙片にスタンプで押したものを貼付した疑いがあって、本件商標の使用の客観的な証明にならないと、それぞれ被請求人の代理人が偽りの写真を提出したと主張されている。しかしながら、乙第1号証の写真は被請求人の代理人が同事務所内で撮影したものであり、複数の事務職員がグレーステイーを現認している。また、そのときのグレースティーについては、賞味期限が切れてはいたが、被請求人の代理人をはじめ事務職員全員で試飲している。そこで、被請求人の代理人の事務職員の一人である、佐々木良子を証人として申請する(尋問事項については別紙のとおり)。またグレーステイーの賞味期限については、レッテルに白色の横長部分を設けてあり、そこに期限を打ち込んだものである。被請求人は裏(背面)のレッテルについて、賞味期限の箇所にのみ注目しているが、上部の右側にGRACEの商標が表示され、その左側にTeaの表示がはっきりと示されており、裏側のレッテルによっても、本件商標が商品「茶」について付されていることを示している。なお、上記のグレースティーの残品については廃棄処分したので、現品を提出できないが、グレースティーの瓶に貼付した表裏のレッテルが残っているので、証拠(乙第5号証)として提出する。
(ロ)乙第3号証について、同レッテルを印刷した神戸オフセット印刷株式会社の納品伝票(乙第6号証)を提出するとともに、神戸オフセット印刷株式会社が写真のグレースティーのレッテルを被請求人の依頼で印刷したこと、並びに同レッテルを被請求人に納品したことを立証してもらうため、神戸オフセット印刷株式会社の営業部小森裕司氏を証人として申請する(尋問事項は別紙のとおり)。
(ハ)乙第4号証について、請求人は被請求人の直営店の者の証明であるから、被請求人と同一視でき証拠価値が乏しく、また直営店の電算機打ち出しデータリスト(商品設定一覧表)は自由に記載できるから、本件商標を使用したという証明にはならない旨、主張している。しかしながら、グレーステイ一はテスト販売の商品であるから、直営店で販売するのを常とするものである。また、テスト販売にも今回のように宣伝は行わず、新商品に対する顧客の反応や販売状況等を見るために販売する場合がある。グレースティーは200個という少量販売であるが、乙第1号証に示すように本件商標「GRACE」を付してインスタントティーを販売したことは事実である。またデータリスト(商品設定一覧表)が簡単に改ざんできるか否かは別にして、乙第4号証として提出のリストは被請求人の直営店のコンピュータに記録されている商品設定一覧表であることに間違いがない。そこで、それらが真実であることを立証するために、リパプリック三宮店の当時の店長であった藤堂俊宏氏を証人として申請する(尋問事項は別紙のとおり)。なお、乙第3号証については、株式会社太陽食研が倒産しているので、証人の申請を控える。
(4)第三答弁として
乙第6号証の原本に代わるものとして、乙第7号証および乙第8号証を提出する。
乙第6号証は平成11年10月15日に提出した神戸オフセット印刷株式会社の納品書写しである。これは、被請求人のところに納品書が残っていなかったことから再発行されたものであるが、この納品書(乙第6号証)は乙第7号証および乙第8号証の作業意図書に記載の内容に基づいて作成されたものである。納品書(乙第6号証)に記載の受注ナンバー06086339/06086340は、乙第7号証および乙第8号証の作業意図書に記載の作業ナンバーと一致する。また、乙第7号証および乙第8号証の作業意図書に記載されているとおり、グレイスティーラベルはいずれも、株式会社太陽食研(埼玉県川越市旭町2丁目20の18)へ直接に納品されたこと、ならびに1996年5月20日午前中に必着の要請があったことが認められる。
(5)第四答弁
(イ)本件商標「GRACE」を付したインスタントティーの商品(以下、グレイスティーという)について、乙第5号証としてラベルを提出した。その裏用ラベルには容量100gと表示されているが、グレイスティーの内容量は200gであったところから、被請求人は神戸オフセット印刷株式会社に200gのシールを発注し、グレイスティーの製造元で、現在は廃業してしいる株式会社太陽食研へ納品するように1996年6月19日依頼した。この状況を示す、神戸オフセット印刷株式会社の作業指図書写しを乙第9号証として提出する。被請求人は本件商標「GRACE」を付したインスタントコーヒー(以下、グレイスコーヒーという)を、1996年6月19日以前から既に製造販売していたが、グレースコーヒーの容量は90gであったところから、グレイスティーについてもほぼ同容量の100gとして被請求人は神戸オフセット印刷株式会社にラベルの印刷を発注したものと推測される。つまり、実際にグレイスティーを容器(瓶)に詰めたところ、100gでは瓶の半分程度で、200gを詰めなければ適量にならないので、200gのシールを発注したものと推測される。一方、被請求人が容量は200gと発注していたにも拘わらず、神戸オフセット印刷株式会社のミスで、100gと印刷された可能性もあるが、もしそうであれば、200gのシール代金は被請求人には請求されないであろうから、代金が請求されているところから判断して、前者の可能性が高いように思われる。いずれにしても、グレイスティーラベル用200gシールを神戸オフセット印刷株式会社へ発注し、そこから株式会社太陽食研へ直接納品してもらい、そこでシールを貼着してグレイスティーは1996年6月27日頃に被請求人へ出荷されたものである。
(ロ)平成10年10月27日付け答弁書で、グレイスティーのテスト販売を被請求人の本社ビル1階の店舗「リパブリック三宮店」で1997年7月頃から開始した旨、述べたが、実際には本社ビルが竣工した1997年1月20日に、リパブリック三宮店も同時に開店しており、平成12年2月21日の証人尋問で、証人の藤堂俊宏が証言したとおり、グレイスティーのテスト販売は1997年1月20日に開始されたと思われる。
乙第10号証の1は被請求人が全国の得意先である、小売店・一般喫茶店・レストラン・ホテルなどに、毎月1回配布している小冊子「UCOFEEFOODbreak」(97年4月号)である。この小冊子には、新装開店時のりパブリック三宮店の店内を示す写真が掲載されており、そこ(内開きの右側下段)にグレイスティー」が他のグレースシリーズの商品(コーヒー、コーヒーシュガー、パウダーミルクなど)とともに、店内の棚に陳列されている様子が掲載されている。また、乙第10号証の2および乙第10号証の3は、それぞれグレイスティー」が陳列されている写真の一部を拡大したもので、いずれも写真の原版(ポジ)から拡大したものであり、乙第10号証の3は乙第10号証の2に比べて倍率を大きくしている。グレイスティーの表用ラベルの色はオレンジ(澄色)で、オレンジ色のラベルを貼った商品はグレイスティー以外に存在しないこと、並びに乙第10号証の3からグレイスティーと認められることから、グレイスティーが店内の棚に陳列されていたことが確認される。また上記小冊子に掲載の写真(乙第10号証の1〜3)は、グレイスティーが販売のために展示されている状態を表しており、商標法第2条第3項第2号に規定の商標の使用に該当する。さらに上記小冊子の内開きの右側上段には、店内を別の角度から撮った写真が掲載されているが、この写真には桃の節句の御雛様(内裏様と共に)が飾られていることから、1997年2月(3月3日よりもかなり以前)に撮影されたものと認められる。以上のことから、リパブリック三宮店におけるグレイスティーの販売開始時期が1997年1月20日であったことが確認されたので、グレイスティーの販売開始時期をこのように訂正する。ところで、上記の小冊子は毎月1回の割合で8000部ずつ印刷され、上記したように全国のお得意様に配布されている。この印刷は、大同高速印刷株式会社(大阪市北区中崎2丁目6の19)でなされたものである。
(ハ)乙第11号証は被請求人の会社における1998年3月31日の決算時における商品棚卸表の一部を被請求人のオフコンの記録データに基づいて印字した写しである。そこには、リパブリック三宮店の商品棚卸表が記載され、グレイスティー」(商品M.70496)が7個残っていることが示されている。つまり、乙第11号証によれば、リパブリック三宮店には、1998年3月31日にグレイスティーが7個在庫されていたことが示されている。これは、あくまでリパブリック三宮店だけの在庫数であり、被請求人の会社全体で7個という意味ではない。いいかえれば、リパブリック三宮店へグレイスティーが入庫(仕入れ)される前に、例えば本社に移されていたグレイスティーがいくつかあったとしても、それらはリパブリック三宮店におけるグレイスティーの在庫数には関係しないからである。なお、現在、会社全体で賞味期限切れのグレイスティーが7個残っているようである。ところで、乙第4号証に示されているように、リパブリック三宮店におけるレジPOSの1998年1月22日付け印字データでは、グレイスティーの在庫数が9個であったから、1998年3月31日までに2個販売されたことになる。そして、そのうちの1個の販売状況が、後述する乙第12号証の下側のレジスタージャ一ナル写しに記録されている。この2カ月間の販売数2個は前年度の各自販売数に比べて極めて少ないようであるが、販売状態に波があるのは常であり、第10号証の1に掲載された写真に写っているように、店内の棚に陳列しただけで、広告・宣伝は一切行わずに販売されたからであろう。
(ニ)乙第12号証は、リパブリック三宮店に設置されている物品販売用レジスターのジャーナルに記録されていた売上レシートのうち、グレイスティーが販売された状況を示す2件のデータである。うち1件(上側)は、1997年12月4日にお得意様に販売したもの、他の1件(下側)は、1998年03月19日に一般のお客様に販売したものである。乙第12号証は、グレイスティーがリパブリック三宮店で販売されたことを裏付ける何物でもない。
(ヘ)以上述べると同時に、本年2月21日に行われた証人尋問における証人による証言並びに今回追加した乙第9号証〜乙第12号証の書証により、本件商標を商品「紅茶」について本件審判請求の予告登録前3年以内に日本国内で使用したことがより明白になったものと確信する。
4当審の判断
被請求人は本件商標を使用する証拠として乙第1号証から同第12号証までを提出している。そこで提出されている証拠をみるに、乙第1号証は、瓶入りの「インスタントティー(即席紅茶)」の容器の表側と裏側の写真と認められ、そこには「GRACE」の文字よりなる商標が表示されているものである。同じく、乙第2号証は、株式会社太陽食研が瓶入りインスタントティー225本を平成8年6月27日に被請求人に製造出荷したことを証明した書類である。同じく、乙第3号証と同第6号証は、神戸オフセット印刷株式会社が被請求人の乙第7号証〜同第8号証の作業指図書に基づいて作成した乙第5号証のシール見本(表用と裏用のラベル各500枚)を1997年5月30日に被請求人に納品した納品書(写し)である。乙第10号証の1〜3は、被請求人が発行する小冊子とその拡大コピーと認められるものであるが、1997年に発行された該小冊子には被請求人の直営店のリパブリック三宮店において「コーヒー、紅茶等」等多数の商品が陳列販売されていることが窺い知れる。同じく、乙第11号証はリパブリック三宮店の商品記録データ(商品棚卸表の写し)と認められるものであるが、そこには1998年3月31付けで「グレースティー」の在庫が7個あったことの記録が残されている。
一方、乙第1号証の容器の商標、同第5号証のラベルの商標は、いずれも「GRACE」の文字よりなり、該商標は本件商標と社会通念上同一性を有する商標と認められるものである。加えて、96年7月29日の完了印の押されている作業指図書(乙第9号証)及びグレースティーの売り上げレシート(乙第12号証)は、上記「GRACE」の商標が付された商品が現実に販売されたことを裏付ける証拠といえるものである。
してみれば、提出されている関係各社のラベル等の印刷証明、電算機打ち出しのデーターリスト、その他乙各号証及び口頭審理時における各証人の証言等を総合勘案すれば、被請求人は、本件審判請求の登録前3年以内に、日本国内において、本件商標と社会通念上同一性を有すると認められる商標を、取消請求に係る指定商品中の「茶」の範疇に属するものと認められる「インスタントティー(即席紅茶)」について使用していたものと言わざるを得ない。
したがって、本件商標は、商標法第50条の規定により、その登録を取り消すべき限りでない。
よって、結論のとおり審決する。
Next Action
類似審決の追加調査から中間応答、新規出願の費用確認まで、この審決を起点に次のアクションへ進めます。
商標の登録可能性を無料で確認するか、費用の目安を料金表・シミュレーターで把握できます。