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Trademark Appeal Case

地名と役務の識別力

本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。

基本情報

審判番号平成11年審判第16911号
審判種別不服
結論敗訴(請求棄却)

結論テキスト

本件審判の請求は、成り立たない。

理由テキスト

1.本願商標

本願商標は、「マルセイユ」の片仮名文字を標準文字とし、平成10年1月9日に登録出願、指定役務については、願書記載の指定役務を、同11年8月11日付手続補正書により、「第42類 フランス料理を主とする飲食物の提供」に補正してなるものである。

2.原査定の拒絶の理由

原査定は、「本願商標は、フランス南東部の地中海沿岸に位置する港湾都市である「マルセイユ」の文字を書してなるものであるから、これを本願指定役務中「フランス料理を主とする飲食物の提供」に使用しても、単に役務の提供に供する物、質を表示するにすぎないものと認める。したがって、本願商標は、商標法第3条第1項第3号に該当し、前記役務以外の「飲食物の提供」に使用するときは役務の質の誤認を生じさせるおそれがあるから、同法第4条第1項第16号に該当する。」旨認定し、本願を拒絶したものである。

3.当審の判断

本願商標は、上記のとおり「マルセイユ」の文字を書してなるところ、これよりは、フランスの一都市名を容易に認識させるにすぎないものである。

ところで、「マルセイユ」の文字(語)について書籍等をみるに、例えば、「ブルーガイド・ワールド ヨーロッパ(実業之日本社、1994年8月29日第1改訂版第1刷発行)」の「マルセイユ」の項において、「・・・旧港を眺めながら名物の魚介料理を食べるのがいちばんマルセイユ観光らしい。・・・」との記載、「フランス料理用語辞典(株式会社白水社、平成10年12月10日第7刷発行)」の「marseillais,e[マルセイエ,ーズ]」の項において、「1、マルセイユの。2、マルセイユ風。 ・・・bouillaisse a la 〜e かさご、まとだい、たら、あなご、ほうぼう、手長えび又はいせえびなど、・・・湯又は魚のブイヨンを加えて煮た料理。・・・」との記載、及び「調理用語辞典(株式会社調理栄養教育公社、平成11年4月2日改訂版第2刷発行)」の「マルセイエーズ」の項において、「マルセイユの、マルセイユ風の意。マルセイユは地中海沿岸の都市で、フランス最大の貿易港として知られる。ニンニク、オリーブ、トマト、アンチョビーを使った料理にこの名前がつけられる。代表的料理はブイヤベース・ア・ラ・マルセイエーズ。」との記載が各々認められる。

また、株式会社ジー・サーチの提供に係る「G−Searchの新聞情報データベース」をみるに、「1986年12月6日付、日本経済新聞夕刊」には、「男の手料理」の見出しのもと「・・・ブイヤベースの本拠地マルセイユまで出掛け、・・・・」との記載、「1987年9月18日付、日本経済新聞夕刊」には、「味に想う(45)マルセイユの旧港。」の見出しのもと「・・・マルセイユといえばブイヤベース。・・・」との記載、「1987年11月1日付、読売新聞東京朝刊」には、「『人バラエティー』心もホカホカ鍋料理を紹介」の見出しのもと、「・・・ブイヤベース。南仏はマルセイユ地方を代表する、サフランの香りがする魚介類のスープ料理だ。・・・」との記載、「1992年1月29日付、共同通信」には、「時言」の見出しのもと「南フランスの古い港町マルセイユで名物の魚料理ブイヤベースを味わった。・・・」との記載、1993年11月19日付、日本食糧新聞」には、「ますやみそ、『世界の鍋料理』などを発売」の見出しのもと、「・・・『魚介でブイヤベース』は、好みの海鮮素材をぜいたくに煮るマルセイユ生まれの漁師鍋で、・・・」との記載、「1995年3月9日付、毎日新聞東京夕刊」には、「ホテルにゅーす」の見出しのもと「・・・マルセイユの名物料理ブイヤベース・・・」との記載が認められる。

以上によれば、ブイヤベースで有名なマルセイユ料理があることが認められる。

そうとすれば、本願商標を構成する「マルセイユ」の文字からは、「マルセイユの名物料理(例えば、ブイヤベース)」を容易に認識させるというのが相当であるから、これをその指定役務中、前記料理を主とする飲食物の提供について使用した場合、これに接する需要者は、該役務の質を表示したものと理解するに止まり、それをもって自他役務の識別標識とは認識し得ないものといわなければならない。また、前記料理以外の料理を主として提供する役務に使用するときは、役務の質について誤認を生じさせるおそれがあるものといわざるを得ない。

してみれば、本願商標は商標法第3条第1項第3号及び同法第4条第1項第16号に該当し、登録することができない。

よって、結論のとおり審決する。

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