Trademark Appeal Case
称呼類似と要部認定
本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。
基本情報
| 審判番号 | 平成11年審判第16951号 |
|---|---|
| 審判種別 | 不服 |
| 結論 | 敗訴(請求棄却) |
理由テキスト
1 本願商標
本願商標は、「マリーンコラーゲン」の片仮名文字を横書きしてなり、第3類「せっけん類,香料類,化粧品」を指定商品として、平成10年6月22日に登録出願されたものである。
2 原査定の引用商標
原査定において本願の拒絶の理由に引用した登録第498880号商標(以下「引用A商標」という。)は、「マーリン」の片仮名文字を横書きしてなり、第3類「香料及び他類に属しない化粧品」を指定商品として、昭和31年4月10日登録出願、同32年3月28日設定登録、その後、同52年6月6日、同62年3月17日及び平成9年3月11日の3回に亘り商標権の存続期間の更新登録がされ、現に有効に存続するものである。同じく、登録第601205号商標(以下「引用B商標」という。)は、「マリン」の片仮名文字と「MARINE」の欧文字とを二段に横書きしてなり、第4類「せつけん、洗剤および歯磨」を指定商品として、昭和35年6月8日登録出願、同37年11月22日設定登録、その後、同48年5月15日、同58年3月25日及び平成4年12月24日の3回に亘り商標権の存続期間の更新登録がされ、現に有効に存続するものである。
3 当審の判断
本願商標は、前記構成のとおりであって、「マリーン」と「コラーゲン」の文字を結合したと認められるものであるところ、その全体をもって特定の意味合いを有する熟語を構成するともいい難いものである。
そして、本願商標中、後半の「コラーゲン」の文字部分は、「動物の皮革・腱・軟骨などを構成する硬蛋白質の一種」を称する「collagen」を片仮名文字で表したものであり、該コラーゲンが肌や髪の若返りに効くものとして、「化粧品、せっけん」等の原材料として使用されていることは、本願指定商品を取り扱う業界のみならず、広く一般に知られているところである。
このことは、例えば、「哺乳動物の皮膚、角膜、腱、血管などの結合組織を構成している、繊維状タンパク質のことを一般にコラーゲン(膠原)といっている。・・・コラーゲンは、・・・皮膚の老化防止、若返りの目的で化粧品に使用されている(「コラーゲン」の項)。コラーゲンの起源としては仔牛、豚の皮膚を用い、化粧品には保湿剤として使用することが多い(「コラーゲン加水分解物」の項)。水に可溶性のコラーゲンを配合したシャンプーである。シャンプー後コラーゲンが皮膜として毛髪に残り、毛髪を保護し、毛髪の状態を良くする効果がある(「コラーゲンシャンプー」の項)。」(「廣川 香粧品事典」 株式会社廣川書店 平成4年10月発行)、「化粧品のコマーシャルなどでよく耳にする『コラーゲン』とは、人間を含む動物の体内の結合組織に多く含まれているたんぱく質の一つです。」(月刊雑誌「健康と医学No.970」 健康と医学社 平成11年10月発行)、「保湿成分など他の成分と混ぜても沈殿したり濁らないコラーゲンを開発し、新コラーゲンを配合したボディー用化粧品三品目を発売した。」(平成4年6月23日付日経産業新聞)、等の記載からも認めることができる。
そうとすれば、本願商標は、その指定商品中「せっけん類,化粧品」等に使用された場合、これに接する取引者・需要者は、後半の「コラーゲン」の文字部分を「コラーゲン含有の商品」であること、即ち、商品の品質、原材料を表示するにすぎないものとして理解し、前半の「マリーン」の文字部分が自他商品の識別標識としての機能を果たすものと認識して、これより生ずる称呼をもって取引に当たる場合も決して少なくないと判断するのが相当である。
してみれば、本願商標は、その構成文字中の「マリーン」の文字部分に相応して、単に「マリーン」の称呼をも生ずるといわなければならない。
他方、引用A商標及びB商標は、それぞれの構成文字に相応して、前者が「マーリン」、後者が「マリン」の称呼を生ずるものであること明らかである。
そこで、本願商標より生ずる「マリーン」の称呼と引用A商標及びB商標より生ずる「マーリン」及び「マリン」の各称呼を比較するに、両者は、称呼の識別において重要な要素を占める冒頭音を含む「マ」「リ」「ン」の3音を共通にし、長音の位置、長音の有無に差異を有するにすぎないものである。そして、長音は、前音を発音したままの状態で伸ばす音であり、前音の余韻として感じられる程度のものであって明確には聴取され難いものということができる。
そうとすれば、両者の称呼における前記差異が、その称呼全体に及ぼす影響は決して大きいものとはいえず、それぞれ一連に称呼するときは、全体の語調・語感が相近似し、彼此聞き誤るおそれがあるものといわざるを得ない。
したがって、本願商標と引用各商標とは、その外観、観念について相違するところがあるとしても、称呼において類似する商標であり、かつ、その指定商品も同一又は類似のものである。
なお、請求人は、「MARINE」又は「マリーン」の文字と指定商品の品質を表示する文字とを結合した商標が、引用各商標とは非類似の商標として登録されている事実があるとして、過去の登録例を挙げ、本願商標も非類似とすべきである旨主張しているが、請求人が挙げる事例をもって本件についての前記認定を左右するものではない。
4 むすび
以上のとおり、本願商標が商標法第4条第1項第11号に該当するとして本願を拒絶した原査定は、妥当であって取り消すことはできない。
よって、結論のとおり審決する。
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