Trademark Appeal Case
ユーザー車検の識別力
本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。
基本情報
| 審判番号 | 平成8年審判第12760号 |
|---|---|
| 審判種別 | 不服 |
| 結論 | 敗訴(請求棄却) |
理由テキスト
1 本願商標
本願商標は、「ユーザー車検」の文字を横書きしてなり、第37類「自動車の修理又は整備」を指定役務として平成4年10月1日に登録出願されたものである。
2 原査定の拒絶理由
原査定は、「本願商標は、車の所有者が自分で車検をとることをいう『ユーザー車検』の文字を書してなるところ、このようなものをその指定役務について使用するも、単にユーザー車検の代行を業とすることを表すに止まるから、何人かの業務に係る役務であるかを認識することができないものである。したがって、本願商標は商標法第3条第1項第6号に該当する。」旨認定して本願を拒絶したものである。
3 当審の判断
本願商標が自他役務の識別標識としての機能を果たし得るものであるかどうかについて判断するに、本願商標は、前記のとおり、「ユーザー車検」の文字を普通に用いられる方法で表示した構成からなるところ、自由国民社発行「現代用語の基礎知識1998」の「ユーザー車検」の項には、「いわゆる車検とは、道路運送車両法の『継続検査』のこと。安全な走行ができるためにブレーキランプ、サイドスリップ、排ガスなどの検査が義務づけられている。検査の手段が複雑なため点検整備事業をすることができるのは自動車整備士の資格を持つ技術者のいる認定工場に限られる。このように車検代行に委託する車検に対し、ユーザー自ら車検場とよばれる運輸省の陸運支局や自動車検査登録事務所へ出向いて継続検査を受けることをユーザー車検と呼称している。」と記述され、集英社発行「imidas’95」の「ユーザー車検代行」の項にもユーザー車検について同旨の記述がされている。
してみると、本願商標は、何ら特徴のない普通の態様による「ユーザー車検」の文字を書してなるものであるから、上記意味合いを有する語を表したものであって、本願指定役務との関係においては上記ユーザー車検に供するための役務の提供ないしはユーザー車検の代行をすることを認識せしめるに止まり、自他役務の識別標識としての機能を果たし得ないものというのが相当である。
この点に関し、請求人は、本願商標が使用された結果、需要者が何人かの業務に係る役務であるかを容易に認識できる商標として確立されている旨主張し、証拠を提出している。
しかしながら、請求人の提出に係る証拠を徴するに、甲第1号証ないし甲第20号証、甲第25号証ないし甲第152号証は、上記意味合いのユーザー車検又は「ユーザー車検友の会」、「兵庫ユーザー生協」、「兵庫ユーザー車検生協」等に関して新聞、雑誌等で紹介又は報道された記事であること、甲第21号証ないし甲第24号証は「ユーザー車検」を本願指定役務とは関係のない「印刷物等」の商品について商標登録した旨の記事であること、甲第153号証ないし甲第156号証は「ユーザー車検友の会」の業務内容の紹介であることが認められる。これらの証拠によれば、請求人が初期にいわゆるユーザー車検代行の業務を開始してそれを継続していることが窺えるとしても、「ユーザー車検」の文字自体は、請求人の商標としてではなく、むしろ上記意味合いを有するものとして請求人のみならず、広く一般に使用されているというのが相当である。
そうすると、請求人の提出に係る各証拠をもって本願商標が使用された結果、自他役務の識別力が生じているものということはできない。
これを覆すに足りる証拠は発見できない。
なお、審判長は上記甲第1号証ないし甲第153号証の証拠の他に商標としての使用を示す証拠の提出を求めて審尋を行ったが、請求人から提出された証拠は上記証拠に止まるものである。
以上のとおり、本願商標は、これをその指定役務に使用しても、これに接する取引者、需要者は何人かの業務に係る役務であることを認識することができないものであって、自他役務の識別標識としての機能を果たし得ないというのが相当である。
したがって、本願商標が商標法第3条第1項第6号に該当し、これを登録することはできないとした原査定は、妥当なものであって、取り消すべき限りでない。
よって、結論のとおり審決する。
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