結論テキスト
審判費用は、請求人の負担とする。
Trademark Appeal Case
本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。
| 審判番号 | 平成10年審判第30689号 |
|---|---|
| 審判種別 | 不服 |
| 結論 | other |
本件登録第547177号商標(以下、「本件商標」という。)は、昭和33年12月19日に登録出願され、「ATOM」の文字を横書きしてなり、第44類「茶、コーヒー、ココア及びコーヒー入角砂糖の類並にその模造品」を指定商品として、昭和35年1月22日に設定登録されたものであり、その後、2回にわたり商標権存続期間の更新登録がなされ、現に有効に存続しているものである。
請求人は、「本件商標の指定商品『ひめまつたけを成分として含む飲料およびこれに類似する商品』についての登録はこれを取り消す、審判費用は被請求人の負担とする、との審決を求る。」と申し立て、その理由及び答弁に対する弁駁を次のように述べ、証拠方法として甲第1号証及び甲第2号証を提出した。
(1) 被請求人は、少なくとも継続して3年以上日本国内において、本件商標の指定商品「ひめまつたけを成分として含む飲料およびこれに類似する商品」についての登録商標の使用をしていない。また、本権利については、通常使用権及び専用使用権の設定はなされていない。したがって、本件商標については、少なくとも継続して3年以上日本国内において、商標権者、専用使用権者または通常使用権者のいずれもが、指定商品「ひめまつたけを成分として含む飲料およびこれに類似する商品」についての登録商標の使用をしていないので、商標法第50条に該当する。
(2)被請求人の答弁に対する弁駁
(イ)乙第2号証〜乙第11号証について
これら証拠は、いずれも、取引関係のあると解される私法人の証明であり、請求人は予め知ることができないものであって、不知である。
(ロ)乙第12号証〜乙第22号証について
これら証拠は、いずれも、私法人間の内部取引書類らしきものであり、請求人は予め知ることができないものであって、不知である。
(ハ)乙第23号証について
この証拠は、包装袋らしきものであり、請求人は予め知ることができないものであって、不知である。また、その下部には賞味期限につき、「98・12・01」なる記載があり、本件審判の請求の予告登録日以後の日付を示すものと解される。
(ニ)乙第24号証について
この証拠は、広告書類らしきものであり、請求人は不知である。その5頁下部には、「1994・9・3000」なる記載があり、本件審判の請求の予告登録日前3年以前の日付を示すものと解される。また、その7頁下部には、「60.10」なる記載があるが、これを昭和60年10月と解した場合には、本件審判の請求の予告登録日前3年以前の日付を示すものである。
被請求人は、「本件審判の請求は成り立たない。審判費用は請求人の負担とする、との審決を求める。」と答弁し、その理由及び弁駁に対する答弁を次のように述べ、証拠方法として乙第1号証乃至乙第24号証(枝番号を含む。)を提出した。
(1)「登録商標の使用説明書」
(イ) 本説明書に添付の商標の使用の事実を示す書類のうち、乙第2号証乃至乙第11号証の証明書は被請求人と取引関係のあるものの書証であり、被請求人の業務に係る商品「ココア」に「ATOM/アトム」、「アトム」の各文字よりなる商標を使用していたことが証明されている。そして、これら使用商標は、欧文字に片仮名文字を併記し、書体がややレタリング化したものであったり、あるいは片仮名文字だけのものという差異があるが、自他商品識別標識としての機能を果たすべき「ATOM」の部分において共通であり、あるいは、欧文字の表示を片仮名文字に変更するものであって、同一の称呼‘観念を生ずる商標であるから、いずれも社会通念上、本件商標と同一と認めて差支えないものである。
(ロ) 同じく、商標の使用の事実を示す書類のうち、乙第12号証乃至乙第21号証の出荷指令書等には、取引された商品「ココア」に「使用商標2」が記載されており、かつ、取引先の名称及び出荷日等が明記されている。なお、上記「使用商標2」は、本件商標と社会通念上同一の商標の使用といい得るものであることは、前(イ)項において記述したとおりである。なお、上記取引伝票(乙第12号証乃至乙第21号証)は、納品書、納品請書、出荷指令書の3枚1組の様式のものである(乙第22号証)。
(ハ)同じく、商標の使用の事実を示す書類のうち、写真(乙第23号証)については、商品「ココア」の包装用容器(ダンボール箱及び紙袋)を撮影したものであり、その表面に本件商標と社会通念上同一と認められる「ATOM/アトム」の商標を使用しており、商品「ココア」を該容器で包装し、取引先へ出荷している。
(ニ)また、被請求人の製作した宣伝・広告用パンフレット(乙第24号証)においても、本件商標と社会通念上同一と認められる商標を商品「ココア」に使用(広告)している。
以上、被請求人は、本件審判の請求の登録前3年以内に、日本国内において、本件商標をその指定商品中「ココア」について使用しているものである。よって、本件商標の登録は、請求に係る商品につき、商標法第50条第1項の規定によりこれを取り消すことができない。
(2)請求人の弁駁に対する答弁
標章の「使用」とは商標法第2条第3項に掲げる行為を指し、商品又は商品の包装に標章を付す行為ばかりでなく、商品関する広告、定価表、取引書類に付して用いれば使用に該当する。なお、広告には、看板、引札、新聞や雑誌等の広告、ネオンサイン、テレビの広告が含まれ、取引書類には、注文、納品書、インボイス、カタログ等が含まれている。また、登録商標と同一でなくても、登録商標の要部が変更されていなければ、当該登録商標の使用に該当すると解べきである(パリ同盟条約第5条C(2)参照)。
かかる前提に立って、請求人の弁駁理由について反論する。
(イ)乙第2号証一乙第11号証及び乙第12号証一乙第22号証について
被請求人の業務に係る商品「ココア」に、「ATOM/アトム」若しくは「アトム」の商標を付し、本件審判の請求の登録前以内に取引のあった事実を証明するための各取引先の書証であって、各書証は以下のとおりそれぞれ対応しているものである。
[使用商標の証明者と出荷指令書の取引者は同一人である]
乙第2号証←→乙第12号証 乙第3号証←→乙第13号証
乙第4号証←一乙第14号証 乙第9号証←→乙第18号証
乙第6号証←→乙第15号証 乙第7号証←→乙第16号証
乙第8号証←→乙第17号証 乙第10号証←→乙第19号証
乙第11号証←→乙第20号証、乙第21号証
したがって、商標法第50条第2項による本件商標の使用は、被請求人の取引者が証明すれば足りるのであって、公証人等の認証までを求めているものではない。そして、前記の書証に対する請求人の不知は関係のないことである。
(ロ)乙第23号証について
商品「ココア」の包装容器に本件商標を付したものの写真であり、前記商標法第2条第3項の「使用」に該当する。請求人の「不知」は関係のないことである。なお、請求人は、商品の賞味期限(98・12・01)が本件審判の請求の登録日(平成10年8月5日)以後の日付となっていることをとりあげているが、この点のみをもって、その内容を否定することはできないことは明白である。
(ハ)乙第24号証について
商品カタログの頒布について請求人の不知は関係のないことである。商品カタログの印刷日(1994・9・3000)若しくはパンフレットの作成日(60.10.)が、本件審判の請求の登録日(平成10年8月5日)前3年以前の日付を示すものであっても、この一事をもって、本件審判の請求の登録前3年以内に、本件商標を商品「ココア」について使用(商品の販売、カタログの頒布)している事実を否定することはできない。
(1)請求人は「ひめまつたけを成分として含む飲料及びこれに類似する商品」についての登録の取り消しを請求しているが、「ひめまつたけを成分として含む飲料及びこれに類似する商品」はいかなる商品であるか、その原材料、用途、生産者、販売場所等を説明されたい。
(2)登録第547177号商標の指定商品中に上記商品が含まれると考える理由について説明されたい。
(1)「ひめまつたけを成分として含む飲料及びこれに類似する商品」は、現行分類の第32類である。
(2)現行分類の第32類の「清涼飲料、果実飲料」には、コーヒーシロップが含まれ、このコーヒーシロップは現行分類の第30類の「コーヒー」に類似する。
(3)「ひめまつたけを成分として含む飲料及びこれに類似する商品」は、「ひめまつたけを成分として含む」ものであり、コーヒーの類と混合することは当然にあり得る。
(4)したがって、「ひめまつたけを成分として含む飲料及びこれに類似する商品」が、「茶、コーヒー、ココア及びコーヒー入角砂糖の類並にその模造品」と同一又は類似の商品になるものである。
よって判断するに、本件商標の指定商品は「茶、コーヒー、ココア及びコーヒー入角砂糖の類並にその模造品」であり、これらの商品は日常主に嗜好的な飲料として用いられているものである。
これに対して、請求人が不使用取消審判請求の対象としている商品は、「ひめまつたけを成分として含む飲料及びこれに類似する商品」である。
ところで、当審の上記3の審尋書に対して、請求人は、参考資料1〜2を提出し、「ひめまつたけを成分として含む飲料及びこれに類似する商品」とは、参考資料の1及び2の「姫マツタケの体験者例」の商品と同様、これを使用することによって、ガン、高血圧、十二指腸潰瘍、糖尿病、乳ガン、膀胱炎、水虫、等に効果がある飲料である旨を述べている。
そうとすれば、請求人がいう「ひめまつたけを成分として含む飲料及びこれに類似する商品」は、嗜好的な性質の強い「コーヒー、紅茶」等の商品とは異なり、近年、人々の健康志向が高まるにつれて新しく開発され、世間でいわゆる「健康食品」と称されている商品と認められるものであるから、本件商標の出願時には存在せず、かつ、その指定商品中にも含まれていないものと判断するのが相当である。
したがって、本件審判請求に係る商品「ひめまつたけを成分として含む飲料及びこれに類似する商品」についての取り消しを求める請求は、対象物のない不適法な請求と認められるから、商標法第56条で準用する特許法第135条の規定によりこれを却下すべきものとする。
よって、結論のとおり審決する。
Next Action
類似審決の追加調査から中間応答、新規出願の費用確認まで、この審決を起点に次のアクションへ進めます。
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