Trademark Appeal Case
「何度でもテープ」の識別力
本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。
基本情報
| 審判番号 | 異議2000−90455(T2000−90455/J7) |
|---|---|
| 審判種別 | 異議 |
| 結論 | 敗訴(請求棄却) |
理由テキスト
1 本件商標
登録第4353479号商標(以下「本件商標」という。)は、「何度でもテープ」の文字を横書きしてなり、平成11年4月23日に登録出願、第5類「失禁用おしめ」を指定商品として平成12年1月21日に設定登録されたものである。
2 登録異議申立人(以下「申立人」という。)の異議理由(要旨)
本件商標は、何度でも(何回でも)又は繰り返し使えることを直感させ、商品の品質又は効能を表示するにすぎないものである。
したがって、本件商標は自他商品の識別標識機能を有していないものであるから、その登録は取り消されるべきである。
3 当審の取り消し理由
当審では、商標権者に対し、「失禁用おしめ」を取り扱う業界においては、商品「失禁用おしめ」の「テープ止めタイプの商品」について、「何度でもテープ」、「何度でもつけ直しテープ」、「面ファスナー使用のテープ止め紙おむつ、何度でもくり返しつけ直しが可能」、「何度も付けはずし可能なマジックテープ」等の語句が用いられているのが実状である。そうとすれば、「何度でもテープ」の文字よりなる本件商標を、その指定商品「テープ止めタイプの失禁用おしめ」について使用した場合、これに接する者は、前記実状から「何度でも付け直しができるテープ方式の商品」、「何度でも付けはずしができるテープ方式の商品」であることを認識するに止まるものといえる。したがって、本件商標は、単に商品の品質、機能、効能を普通に用いられる方法で表してなるにすぎず、自他商品の識別標識としての機能を果たさないものであり、商標法第3条第1項第3号に該当するものといわざるを得ない。よって、本件商標の登録は、商標法第3条第1項第3号に違反してされたものである、との取消理由を通知した。
4 上記3に対する商標権者の意見
本件商標の登録が維持されるべき理由
(1)申立人の提出した甲各号証より、商品「矢禁用おしめ」の「テープ止めタイプ」の商品について、「何度でもテープ」、「何度でもつけ直しタイプ」、「面ファスナー使用のテープ止め紙おむつ、何度でもくり返しつけ直しが可能」、「何度も付けはずし可能なマジックテープ」の語句が用いられていることは認められる。そして、その語句のうち、「何度でもつけ直しタイプ」「面ファスナー使用のテープ止め紙おむつ、何度でもくり返しつけ直しが可能」「何度も付けはずし可能なマジックテープ」については、その商品の記述から「何度でもつけ直しができるテープ方式の商品」「何度でも付けはずしができるテープ方式の商品」であることは理解できる。いいかえると、「何度でもつけ直しタイプ」「面ファスナー使用のテープ止め紙おむつ、何度でもくり返しつけ直しが可能」「何度も付けはずし可能なマジックテープ」には「つけ直し」「付けはずし」という語句が含まれているが故に「何度でもつけ直しができるテープ方式の商品」「何度でも付けはずしができるテープ方式の商品」を認識させるものということができるのである。
しかしながら、「何度でもテープ」は「つけ直し」とか「付けはずし」とかの語句は含まれていない。どうして「何度でもテープ」から「何度でもつけ直しができるテープ方式の商品」「何度でも付けはずしができるテープ方式の商品」を認識させることができるのであろうか。「何度でもテープ」には、「つけ直し」とか「付けはずし」という意味合いは全くないばかりか、それを示唆するなにものもないのである。申立人も、「何度でもテープ」と「何度でもつけ直しテープ」「止めテープは何度もつけはずし可能なマジックテープ」「何度もつけ直しテープ」「何度でもつけ直しができる」「何度でもくり返しつけ直しか可能」が同じ意味合いであると述べているが、上述の理と同様に「何度でもテープ」に「つけ直し」とか「付けはずし」とかの意味合いの生じることのないことは明白である。もし、「何度でもテープ」に「つけ直し」とか「付けはずし」の意味合いが生じるのであれば、その理由を具体的に述べるべきであろう。申立人は意味合いが同じであると短絡的に述べているにすぎない。
したがって、「何度でもテープ」から「何度でもつけ直しができるテープ方式の商品」「何度でも付けはずしができるテープ方式の商品」を認識させることは不可能であるから、本件商標は自他商品識別標識としての機能を十分に有する。
(b)申立人の提出した甲第1号証の1乃至3について。
上述したように、「何度でもテープ」については、「つけ直す」「付けはずす」の意味合いは全くない。申立人の提出した甲第1号証の1乃至3に「何度でもテープ」なる語句が用いられてはいる。
しかしながら、この甲号証は、申立人目身の製品に関するものであって、客観性が全くない。自身で他人の案出した語句を使用して、その挙句、自他商品識別標識としての機能を来たし得ないと述べているのである。まさにマッチ・ポンプであって、動機がきわめて不純である。実際に、「何度でもテープ」なる語句は、商標権者の案出に係るものであることは、本件商標に係る指定商品と類似の商品である「紙製幼児用おしめ」に「メリーズ」と「何度でもテープ」の文字が二段に併記されてなる商標が登録されていることから明らかである。この商標は、乙第2号証に示すように、申立人が使用するはるか以前の平成8年9月17日に商標登録出願され平成10年6月19日に登録されている。かかる事実について、申立人は、生理用ナプキンや紙おむつを主力製品としての製造販売を業としているところから当然に熟知していた筈である。
結局、申立人は乙第2号証に示した登録商標を知り得たことを契機として、たまたま商品区分又は指定商品が同一でないことをよいことに「何度でもテープ」を申立人の製造販売に係る失禁用おしめに自ら使用したものである。したがって、申立人は、「何度でもテープ」を自己の商品に使用していることの言い訳のために、本件商標は自他商品識別標識としての機能を果たさないと述べているにすぎない。その証左として、「何度でもテープ」か「何度でもつけ直しかできるテープ方式の商品」「何度でも付けはずしができるテープ方式の商品」に使用されている事例は他に見ることはない。
してみると、申立人の主張を基礎として「何度でもテープ」について、「何度でもつけ直しかできるテープ方式の商品」「何度でも付けはずしかできるテープ方式の商品」と誤認するとの指摘は相当ではない。
(c)以上述べたことから明らかなように、本件商標「何度でもテープ」は、決して「何度でもつけ直しかできるテープ方式の商品」「何度でも付けはずしができるテープ方式の商品」の品質、機能、効能を普通に用いられる方法で表示したものではないから、自他商品の識別標識としての機能を十分に果たすものであること疑う余地はない。
なお、本件商標は、その他によっても取り消されるべき理由は一切存在しない。
5 当審の判断
申立人提出の甲第1号証(「申立人の商品カタログ」)は、本件商標と同じ「何度でもテープ」の文字が使用されているものである。しかしながら、該文字にはカッコを付したり、或いは、その意味を併記するなどして使用されており、「何度でもテープ」の文字が、商品の品質、効能等を表示するものとして普通に使用されているものではない。また、甲第2号証(産経新聞メディアックス発行「ヘルスケア用品食品ガイド」)には、「つけ間違えのない『何度でもつけ直しテープ』」、「止めテープは何度もつけはずし可能なマジックテープを採用」、「何度でもつけ直しテープ方式」、「面ファスナーの使用により、何度も付け直しができる」等、該商品の補助的説明の記述は認められるが、「何度でもテープ」の文字は使用されていない。
そうとすれば、「何度でもテープ」の文字を書してなる本件商標は、需要者間に、直ちに申立人が主張するような「何度でもつけ直しができるテープ方式の商品」「何度でも付けはずしができるテープ方式の商品」の意味合いを看取させず、一種の造語を表したものと認識されるとみるのが相当である。
してみれば、本件商標は、これをその指定商品である「失禁用おしめ」について使用しても、その商品の品質、効能等を表示するものとはいえず、かつ、自他商品の識別標識としての機能を十分に果たし得るものと認められる。
したがって、本件商標の登録は、商標法第3条のいずれの規定にも違反してされたものではない。
よって、同法第43条の3第4項の規定に基づき、結論のとおり決定する。
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