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結論

勝訴(請求認容)

商標「アンティパスト」のアンティパストの識別力(第4条第1項第16号・第3条第1項第3号|審判異議2000−90097(T2000−90097/J7))

審判番号
異議2000−90097(T2000−90097/J7)
審判種別
異議

本文で言及されている区分

事件のポイント・要約

対象商標
本件商標「アンティパスト」
争点(論点)
アンティパストの識別力
適用条文
第4条第1項第16号・第3条第1項第3号
指定商品・役務の区分
第29類
最終結論
登録取消(勝訴(請求認容))

この審決(審判異議2000−90097(T2000−90097/J7)・異議)は、本件商標「アンティパスト」について、商標法第4条第1項第16号・第3条第1項第3号への該当性が争われた事例です。主な争点は「アンティパストの識別力」です。指定商品・役務は第29類に属します。特許庁は「登録第4330872号商標の商標登録を取り消す」と判断しました(登録取消)。商品の品質や用途を直接表す語は識別力が否定されやすいため、出願前に造語化や図形との組合せを検討することが有効です。

※ 上記は審決公報の本文から自動で整理した要約です。正確な内容は下記の公報原文をご確認ください。

結論テキスト

登録第4330872号商標の商標登録を取り消す。

理由テキスト

1 本件商標

本件登録第4330872号商標(以下「本件商標」という。)は、平成10年11月26日に登録出願され、標準文字により「アンティパスト」の文字を書してなり、第29類「食肉,食用魚介類(生きているものを除く。),ハム,ソーセージ,ベーコン,その他の肉製品,加工水産物,豆,加工野菜及び加工果実,冷凍果実,冷凍野菜,卵,加工卵,乳製品,食用油脂,カレー・シチュー又はスープのもと,なめ物,お茶漬けのり,ふりかけ,油揚げ,凍り豆腐,こんにゃく,豆乳,豆腐,納豆,食用たんぱく」を指定商品として、平成11年10月29日に設定登録されたものである。

2 登録異議の申立ての理由

本件商標は、商標法第3条第1項第3号、同第6号及び同法第4条第1項第16号に該当し、その登録は取り消されるべきである。

3 本件商標に対する取消理由の要点

本件商標は、上記に表示したとおりの構成よりなるところ、登録異議申立人(以下「申立人」という。)の提出に係る各甲号証によれば、イタリア料理に係る業界において「アンティパスト」の語は「前菜」(オードブル)を意味するものとして普通に用いられているのが実状である。

そして、本件商標の指定商品中「ハム、ソーセージ」等が前菜に用いられることは一般に良く知られている。

そうとすれば、本件商標をその指定商品について使用した場合、これに接する取引者、需要者は、その商品が前菜として用いるのに適したものであることを端的に表した文字と認識するに止まると認められるから、自他商品の識別標識としての機能を果たし得ないものと判断するのが相当である。

してみれば、本件商標は、その指定商品中ハム、ソーセージ等、前菜に用いられる商品について使用した場合、その商品の用途、品質を普通に用いられる方法で表すものというべきであり、また、前菜用でない商品について使用するときは、品質について誤認を生じさせるおそれがある。

したがって、本件商標は、商標法第3条第1項第3号及び同法第4条第1項第16号の規定に違反して登録されたものである。

4 商標権者の意見の要点

(1)本件商標は、すでに商品の流通市場において使用され、自他商品の識別機能を発揮している商標である。

(2)本件商標の指定商品の需要者・取引者は、ごく普通の知識を有している日本の平均的な生活者であり、「アンティパスト」なるイタリア料理の専門用語の意味を正確に理解できる階層の者ではないので、本件商標を付した商品に接した場合でも、本件商標の原語としての意味を理解できず、その商品が「前菜」として用いるのに適した商品であることを端的に認識するに止まることはないと思料する。

(3)「アンティパスト」の文字及びこれに類似する文字からなる商標が、「前菜」に適した商品を含む指定商品について、すでに商標登録を許可されている事例がある。

5 当審の判断

本件商標は、その指定商品中ハム、ソーセージ等、前菜に用いられる商品について使用した場合、その商品の用途、品質を普通に用いられる方法で表すものというべきであり、また、前菜用でない商品について使用するときは、品質について誤認を生じさせるおそれがある。したがって、商標法第3条第1項第3号及び同法第4条第1項第16号に該当するとの理由により、本件商標の登録を取り消すべきものとした先の取消理由(上記3)は妥当なものであって、これについて述べる商標権者の意見(上記4)は、以下の理由により、採用することができない。

(1)商標権者は、証拠として乙第1号証ないし乙第9号証を提出し、本件商標は、すでに商品の流通市場において使用され、自他商品の識別機能を発揮している商標であり、また、本件商標の指定商品の需要者・取引者は、日本の平均的な生活者であって、「アンティパスト」の語の意味を正確に理解できる階層の者ではないので、本件商標を付した商品に接した場合でも、その商品が「前菜」として用いるのに適した商品であることを認識することはない旨主張する。

しかしながら、申立人の提出に係る甲第4号証の「anan」(1996年5月24日 株式会社マガジンハウス発行)は、一般の女性向け雑誌としてよく知られているといえるものであり、また、同甲第12号証ないし甲第17号証の各種ホームページは、一般に手軽に閲覧することができるといえるものであるから、これらに掲載されている事実は、平均的生活者が「アンティパスト」の語の意味を理解し得る状態にあることを示しているものといえる。そして、申立人の提出に係る各甲号証を総合勘案すれば、上記認定のとおり、「アンティパスト」の語は「前菜」を意味するものとして普通に用いられているとみるのが相当である。

(2)商標権者は、「アンティパスト」の文字及びこれに類似する文字からなる商標が、「前菜」に適した商品を含む指定商品について、すでに商標登録を許可されている事例がある旨主張する。

しかしながら、本件については上記認定のとおり、本件商標をその指定商品について使用した場合、これに接する取引者、需要者は、その商品が前菜として用いるのに適したものであることを端的に表した文字と認識するに止まるとみるのが相当であるから、この点に関する商標権者の主張も採用の限りでない。

(3)以上のとおりであって、本件商標は、商標法第3条第1項第3号及び同法第4条第1項第16号の規定に違反して登録されたものといわざるを得ないから、その登録は取り消すべきものである。

よって、同法第43条の3第2項の規定により、結論のとおり決定する。

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