Trademark Appeal Case
著名商標の要部と混同
本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。
基本情報
| 審判番号 | 平成11年異議第91182号 |
|---|---|
| 審判種別 | 異議 |
| 結論 | 勝訴(請求認容) |
理由テキスト
1.本件商標
本件登録第4272023号商標(以下、「本件商標」という。)は、平成10年5月6日に登録出願され、「GIO PUNTO」と「ジオ プント」の文字を二段に横書きしてなり、第3類に属する商標登録原簿に記載のとおりの商品を指定商品として、同11年5月14日に設定登録されたものである。
2.登録異議の申立ての理由
平成1年7月11日に登録出願され、別記(1)に示すとおりの構成よりなり、第4類に属する商標登録原簿に記載のとおりの商品を指定商品として、同3年12月25日に設定登録された登録第2362847号商標及び平成9年1月7日に登録出願され、別記(2)に示すとおりの構成よりなり、第3類に属する商標登録原簿に記載のとおりの商品を指定商品として、同11年1月22日に設定登録された登録第4233506号商標(以下これらを合せて、「引用商標」という。)は、登録異議申立人(以下、「申立人」という。)が、商品「香水」に使用し、取引者・需要者の間に広く認識されている商標である。
そして、本件商標はその商標中に申立人の著名商標である「GIO」の文字を含むものであるから、これをその指定商品について使用するときは、その商品の出所について混同を生ずるおそれがある。
したがって、本件商標は商標法第4条第1項第15号に該当し、その登録は取り消されるべきである。
3.本件商標に対する取消理由
本件登録異議の申立てがあった結果、本件商標は商標法第4条第1項第15号に該当するとして、下記した旨の取消理由通知書を発した。
<取消理由通知書>
本件商標は「GIO PUNTO」と「ジオ プント」の文字よりなるものである。
そして、申立人の提出に係る甲各号証を総合勘案すれば、引用商標は、本件商標の登録出願時には申立人の業務に係る商品「香水」の商標として、取引者・需要者の間に広く認識されていたものと認められる。
そうとすれば、引用商標と「GIO」の綴りを同じくする文字を含む本件商標は、それを指定商品について使用するときは、申立人の業務に係る商品、若しくは申立人と何らかの関係を有する者の業務に係る商品であるかのように、その商品の出所について混同を生ずるおそれがあるものといわなければならない。
したがって、本件商標は、商標法第4条第1項第15号に違反して登録されたものである。
4.商標権者の意見
異議の証拠の大半は、第25類「衣服」における「GIORGIO ARMANI」に関するものであり、「衣服」において「GIORGIO ARMANI」は、取引者・需要者の間に広く認識されている可能性がある。しかし「香水」における証拠は、全て「GIORGIO ARMANI」と「GIO」との併記によるものであって、「GIORGIO ARMANI」を削除した「GIO」のみの商標は一切ない。
「GIORGIO ARMANI」との併記によって始めて「GIORGIO ARMANI」が「GIO」の出所であると推定し得るものであり、「GIO」が単独では、取引者・需要者の間に広く認識されているものではない。
申立人は、「PUNTO」は英語の「POINT」を示し、日本語で「点」を意味すると言うが、イタリア語を理解する日本人はほとんど存在せず、「PUNTO」が「点」という意味があるとはいえないものである。
これに対して本件商標は、「GIO」と「PUNTO」を組み合わせた一連の造語による「GIO PUNTO」であって「GIO」と出所混同することはありえない。
5.当審の判断
(1)本件商標は上記した通り、「GIO PUNTO」と「ジオ プント」の文字よりなるところ、構成文字全体で一連の特定の観念を生ずるという事情は存しないものと判断するのが相当である。
しかして、申立人提出に係る甲各号証によれば、申立人の引用する商標「GIO」は、申立人が商品「香水」に使用し、本件商標の出願前より、取引者・需要者の間に広く認識されていた事実を認めることができる。
商標権者は、申立人提出に係る甲各号証は、第25類「衣服」における「GIORGIO ARMANI」に関するものであり、香水における証拠は、全て「GIORGIO ARMANI」と「GIO」との併記によるものであって、「GIO」のみの商標は一切ないものであるから、「GIO」が単独で著名性を有するものとは認められない旨主張しているが、申立人提出に係る甲第45号証〜甲第67号証をみるに、「GIORGIO ARMANI」の香水は、「GIO」、「ジオ」又は「アクア ディ ジオ」のように略称されて取引されている事実を認めることができる。
(2)以上のとおり、引用商標は、本件商標の出願前より、申立人の取り扱いに係る商品「香水」についての商標として我が国内でも著名性を獲得している事実を認め得るものであるから、商標権者がその商標中に申立人の著名商標である「GIO」を含む本件商標をその指定商品について使用するときは、これに接する取引者・需要者をして、申立人又は申立人と何らかの関係を有する者の業務に係る商品であるかの如く、その出所について混同を生じさせるおそれがあるものと判断するのが相当である。
してみれば、本件商標は、商標法第4条第1項第15号に違反して登録されたものとして、その登録を取り消すべきものとした先の取消理由(上記3)は妥当なものである。
(3)したがって、本件商標は、商標法第4条第1項第15号に違反して登録されたものといわざるを得ないから、商標第43条の3第2項の規定により、その登録を取り消すべきものである。
よって、結論のとおり決定する
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