Trademark Appeal Case
Antipastoの外国語記述性
本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。
基本情報
| 審判番号 | 異議2000−90070(T2000−90070/J7) |
|---|---|
| 審判種別 | 異議 |
| 結論 | 勝訴(請求認容) |
理由テキスト
1 本件商標
本件登録第4321210号商標(以下「本件商標」という。)は、平成10年10月21日に登録出願され、「Anti−」の文字と「pasto」の文字を上下2段に横書きしてなり、第29類「生ハム,その他のハム,ソーセージ,ベーコン,コロッケ,肉のつくだに,肉の瓶詰,肉の缶詰,乾燥肉,かす漬け肉,その他の肉製品」を指定商品として平成11年10月1日に設定登録されたものである。
2 登録異議の申立ての理由
本件商標は、商標法第3条第1項第3号及び同法第4条第1項第16号に該当するものである。
したがって、本件商標の登録は取り消されるべきである。
3 通知した取消理由
商標権者に対して通知した取消理由は、つぎのとおりである。
〈取消理由〉
本件商標は、「Anti」の文字にハイフンを結合し「Anti−」と表し、「pasto」の文字をその下部に併記した構成よりなるものである。 ところで、イタリア料理に係る業界において「Antipasto」の語は「前菜」(オードブル)を意味するものとして普通に用いられているのが実状である。
そして、本件商標の指定商品中「ハム、ソーセージ」等は、前菜に用いられることは一般に良く知られている。
そうとすれば、本件商標をその指定商品について使用した場合、これに接する取引者、需要者は、その商品が前菜として用いるのに適したものであることを端的に表した文字と認識するに止まると認められるから、自他商品の識別標識としての機能を果たし得ないものと判断するのが相当である。
してみれば、本件商標は、その指定商品中の前菜用のハム、ソーセージ等について使用した場合、その商品の用途、品質を普通に用いられる方法で表すものというべきであり、また、前菜用でない商品について使用するときは、品質について誤認を生じさせるおそれがある。
したがって、本件商標は、商標法第3条第1項第3号及び同法第4条第1項第16号に違反して登録されたものである。
4 商標権者の意見
上記3の取消理由通知に対し、商標権者は、要旨次のように意見を述べ、証拠方法として乙第1号証ないし乙第8号証を提出した。
(1)商標権者は、平成11年1月に日本ハム株式会社との間で契約を締結し、本件商標ほか2件の商標を同社の名義で販売する商品「ハム(生ハムを含む)、ソーセージ、ベーコン」について、日本全国を範囲として有償で使用許諾し、同社がこれを受諾したことにより、本件商標は、すでに商品の流通市場において使用され、自他商品の識別機能を発揮している商標である。したがって、本件商標に対する「自他商品の識別機能を果たし得ないもの」という認定は、正しくない。
(2)また、本件商品の需要者・取引者は、ごく普通の知識を有している日本の平均的な生活者であり、「antipasto」なるイタリア料理の専門用語の意味を正確に理解できる階層の人々ではないので、本件商標を付した商品に接した場合でも、本件商標の原語としての意味を理解できず、「その商品が『前菜』として用いるのに適した商品であることを端的に認識するに止まる」ことはないと思料する。
(3)「antipasto」の文字及びこれに類似する文字からなる商標が、「前菜」に適した商品を含む指定商品について、すでに商標登録を許可されている事例がある。したがって、本件商標の登録を取り消すことは、確たる事情の変更もなしに、これの登録事例に反する処分を行なうことに相当するものと思料する。
5 当審の判断
本件商標は、前記したとおり「Anti−」の文字と「pasto」の文字を上下2段に横書きしてなるところ、上記4(1)の商標権者の意見及び乙第1号証によれば、商標権者は件外日本ハム株式会社との間で本件商標などの使用許諾契約を締結し、日本ハム株式会社は、商品「生ハム」について「アンティパスト/Antipasto」の文字からなる商標を使用しているものと推認できる。
しかしながら、最近の旅行、グルメブームも背景にあって、世界各国の食文化に需要者一般の関心が高まっている状況にあり、「アンティパスト/Antipasto」の語は、イタリア語の辞書(辞典)のみならず、食べ歩き関連の書籍及び世界各国の料理・国内外のレストラン等を紹介する事の多い各種月刊誌、さらに、近年、急速に利用されているインターネット(ホームページ欄)等においては、一般にイタリア料理の「前菜」(オードブル)を指称する語として使用されていることが認められる。
これらの事実は登録異議申立人より提出された甲第1号証ないし甲第14号証によっても裏付けられる。
また、乙第3号証ないし乙第5号証として提出した辞典には、「アンティパスト」又「アンチパスト」なる語は収録されていないが、一般に使用されている辞典類で「アンティパスト」又「アンチパスト」の語を収録しているものも見受けられる(「現代用語の基礎知識1999」1457頁、自由国民社1999年1月1日発行、「角川外来語辞典第二版」82頁、株式会社角川書店1987年11月30日発行参照)。
そして、本件商標は、前記したとおりであって、ハイフンを介して「Anti」の文字と「pasto」の文字を普通に用いられる方法で上下2段に横書きしてなるものであり、これは「Antipasto」の文字を横書きしてなるに等しいといえるものである。
以上の事実からすると、本件商標は、その指定商品について使用した場合、「前菜」の意味であって、商品の用途、品質を表示するものと需要者に理解認識されるとみるのが相当である。
また、本件商標を前菜用でない商品について使用するときは、品質について誤認を生じさせるおそれがある。
したがって、前記の取消理由は妥当なものであるから、本件商標登録は、商標法第43条の3第2項の規定により、取り消すべきものである。
よって、結論のとおり決定する。
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