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Trademark Appeal Case

称呼類似性と発音慣習

本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。

基本情報

審判番号平成11年異議第91138号
審判種別異議
結論勝訴(請求認容)

結論テキスト

登録第4269164号商標の指定商品中「自動車並びにその部品及び附属品、二輪自動車並びにその部品及び附属品」についての商標登録を取り消す。

理由テキスト

1 本件商標

本件登録第4269164号商標(以下「本件商標」という。)は、「AUDEA」の文字を横書きしてなり、平成9年10月23日に登録出願され、第9類「配電用又は制御用の機械器具,電線及びケーブル,電気通信機械器具」及び第12類「自動車並びにその部品及び附属品,二輪自動車並びにその部品及び附属品」を指定商品として、平成11年4月30日に設定登録されたものである。

2 登録異議申立ての理由

昭和42年2月28日に登録出願され、別記(1)に示すとおりの構成よりなり、第12類「輸送機械器具、その部品および附属品」を指定商品として、昭和43年6月6日に設定登録されている登録第782912号商標(以下「引用A商標」という。)、昭和58年3月8日に登録出願され、別記(2)に示すとおりの構成よりなり、第12類「輸送機械器具、その部品および附属品」を指定商品として、昭和61年9月29日に設定登録されている登録第1889758号商標(以下「引用B商標」という。)及び平成8年2月20日に登録出願され、別記(3)に示すとおりに構成よりなり、第12類「自動車並びにその部品及び附属品」を指定商品として、平成10年1月16日に設定登録されている登録第4104015号商標(以下「引用C商標」という。)は、申立人の業務に係る「自動車」を表示するものとして、需要者の間に広く認識され、著名になっているところ、本件商標は、引用A、B及びC商標と類似し、本件商標をその指定商品中「自動車並びにその部品及び附属品,二輪自動車並びにその部品及び附属品」については同一又は類似する商品に使用するものであるから、本件商標は、商標法第4条第1項第11号及び同第10号に該当する。

したがって、本件商標は、その指定商品中第12類「自動車並びにその部品及び附属品,二輪自動車並びにその部品及び附属品」についての登録を取り消されるべきものである。

3 取消理由

本件商標は、その指定商品中の第12類「自動車並びにその部品及び附属品,二輪自動車並びにその部品及び附属品」についての登録を取り消すべきものであるとして、商標権者に通知した取消理由は以下のとおりである。

本件商標は、登録異議申立人の引用する引用A商標と類似する商標であり、かつ、本件商標の指定商品中、第12類「自動車並びにその部品及び附属品,二輪自動車並びにその部品及び附属品」は、引用A商標の指定商品と同一又は類似する商品と認められる。

したがって、本件商標は、その指定商品中前記商品について、商標法第4条第1項第11号の規定に違反して登録されたものである。

4 商標権者の意見

本件商標は、商標法第4条第1項第11号に違反して登録されたものである、との認定であるが、日本人のアルファベット表示(ローマ字表示)の発音に関する慣習を無視して、導き出されたものであって、失当である。

まず、”外観類否”に関しては、本件商標は、5つの大文字をもって、「AUDEA」と表示され、他方、引用A商標は大文字と小文字を組み合わせた4文字から成る「Audi」の文字を極めてデザイン化が進められた独特な表示である。

従って、外観上非類似であることは、明らかである。

次に、本件商標と引用A商標との“称呼類否”について、検討する。

本件商標は、5つの大文字のアルファベットを「AUDEA」と横書きされた造語である。

株式会社岩波書店から発行されている「岩波英和大辞典」(乙第1号証)に於て、「au」から始まる英単語を全て精査した結果、以下の事実が判明した。

即ち、英語式発音では全て 「オー」又は「オ」と称呼される。

特に、本件商標と引用A商標の指定商品と特に関連性の高い単語として、auto(自動車),automatic(自動の),automation(オートメーション),automobile(自動車)等も当然に「オー」又は「オ」と称呼されている。

(例外的な発音は、フランス語源又はドイツ語源等である。)

日本人は、このような英単語に日常的に親しみ、慣習的に「au」から始まる単語は、100人が100人共に、「オー」又は「オ」と英語式の発音を行うという事実がある。

そして、本件商標の後半部の「DEA」については、日本人ならば ”idea(アイデア)や ”ear ”(イヤ)や ”clear ”(クリア)等の親しい英単語の存在、及び、造語については日本人はローマ字読みをする習癖を有する点を、勘案すれば、「DEA」を「ディア」と称呼するのが最も自然である。

従って、本件商標は、「オーディア」と称呼されるべき商標である。

これに対し、引用A商標は、そのドイツ車としての広告宣伝によって、日本人にも知名度があって、必ず「アウディ」と、ドイツ語(フランス語)式発音がなされる商標である。

以上のように、引用A商標は、「アウディ」であり、本件商標は、「オーディア」であり、英語式発音を慣習としている日本人にとって、このような両商標は、明確に相違して聴取される。

引用A商標がドイツ車として特殊な称呼をすべきであると、一般の日本人に教え込んだが故に、逆に、本件商標とは、全く称呼上相違するに到っている事実から、本件商標は、引用A商標とは、全く非類似である。

5 当審の判断

本件商標は、「AUDEA」の文字よりなるものであり、該構成文字は特定の語義を有するものとして一般に知られ親しまれているものとは認められない造語と認められる。

そして、本件商標の構成中の「AU」の文字部分が英語風読みによる場合は、「オー」又は「オ」と発音されるものである。

また、本件商標の構成中の「EA」の文字部分は、「イー」と発音される場合が多いところ、例えば、「deal(分配する)」が「ディール」、「dean(学部長)」が「ディーン」、「pea(えんどう豆)」が「ピー」、「sea(海)」が「シー」、「tea(茶)」が「ティー」とそれぞれ発音されることは良く知られていることに倣い、本件商標構成中の「DEA」の文字部分は「ディー」と発音される場合も決して少なくないものといえるから、本件商標は「AUDEA」の文字に相応して、「オーディア」及び「オーディー」の称呼を生ずるものとみるのが相当である。

これに対し、引用A商標「Audi」は「アウディ」と称呼され著名となっているものであるが、自動車の商標として需要者の間に広く認識され、かつ、著名になっている「BMW」商標が当初「ベーエムヴェー」とドイツ語風読みにより称呼されていたものが現在ではこれを英語風読みにより「ビーエムダブリュー」と称呼されている事例から、引用A商標「Audi」もドイツ語風読みの「アウディ」のほか英語風読みにより「オーディ」と称呼される場合も決して少なくないものと判断するを相当とするから、引用A商標は、該構成文字に相応して英語風読みによる「オーディ」の称呼をも生ずるものと認められる。

してみれば、本件商標より生ずる「オーディー」の称呼と引用A商標より生ずる「オーディ」の称呼とは、語尾における長音の有無の微差にすぎず、本件商標は、引用A商標と該称呼においても類似の商標といわざるを得ない。

そうとすれば、本件商標は、引用A商標と類似する商標であり、かつ、その指定商品中第12類「自動車並びにその部品及び附属品,二輪自動車並びにその部品及び附属品」については、引用A商標の指定商品と同一又は類似する商品について使用するものであるから、本件商標は、商標法第4条第1項第11号に違反して登録されたものといわざるを得ない。

したがって、申立人の主張する他の理由について言及するまでもなく、本件商標は、その指定商品中第12類「自動車並びにその部品及び附属品,二輪自動車並びにその部品及び附属品」についての登録は、商標法第43条の3第2項の規定により、取り消すべきものである。

よって、結論のとおり決定する

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