Trademark Appeal Case
称呼認定と類似性
本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。
基本情報
| 審判番号 | 平成11年異議第91499号 |
|---|---|
| 審判種別 | 異議 |
| 結論 | 勝訴(請求認容) |
理由テキスト
1 本件商標
本件登録第4299207号商標(以下、「本件商標」という。)は、平成10年7月31日に登録出願され、「EQUIPS」の文字を横書きしてなり、第18類「かばん類,袋物」を指定商品として、同11年7月30日に設定登録されたものである。
2 登録異議の申立ての理由
本件商標は、平成10年1月7日に登録出願され、「ECLIPSE」と「エクリプス」の文字を二段に横書きしてなり、第18類「皮革,かばん類,袋物,携帯用化粧道具入れ,傘,ステッキ,つえ,つえ金具,つえの柄」を指定商品として、同11年5月14日に設定登録されている登録第4273140号商標及び昭和63年7月22日に登録出願され、「EQUIPE」の文字を横書きしてなり、第21類「スポーツバッグ、カジュアルバッグ」を指定商品として、平成6年4月28日に設定登録されている登録第2654899号商標と類似する商標であり、かつ、その指定商品も類似するものであるから、商標法第4条第1項第11号に該当する。
3 本件商標に対する取消理由
本件商標は、「EQUIPS」の文字を横書きしてなり、平成10年1月7日に登録出願、第18類「皮革,かばん類,袋物,携帯用化粧道具入れ,傘,ステッキ,つえ,つえ金具,つえの柄」を指定商品として、同11年5月14日に設定登録された登録第4273140号商標(以下、「引用商標」という。)に類似する商標であり、かつ、本件商標の指定商品は、引用商標の指定商品と同一又は類似する商品と認められる。
したがって、本件商標は、商標法第4条第1項第11号に違反して登録されたものである。
4 商標権者の意見
本件商標「EQUIPS」は「(ある目的のために)の仕度をする、準備をする、装備する」などの意の英語「EQUIP」の語尾に「S」の文字を付加したものであって、この「EQUIP」は「ikwip」、即ち、「イクウィップ」と発音されるもの(「新クラウン英和辞典」<三省堂>)であり、したがって、上記商標「EQUIPS 」は、当然のことながら「イクウィップス」と称呼される。
この点について、取消理由において「本件商標はその構成文字に相応して「エクイプス」の称呼が生ずるものとみるのが自然である。」とされているが、この判断は、前記の辞書における記述に反するのみならず、これ以外の如何なる辞典を引いても、この「EQUIP」が上記発音以外に、例えば「エクイプス」と発音されるなどとの記載は全く発見されず、また、これが本件商標の指定商品の取引者・需要者を含めた一般世人間において「エクイプス」と称呼されていることも全く無い等々の事実に徴し極めて不自然であって客観性に乏しいものといわざるを得ない。
一方、引用商標「ECLIPSE」「エクリプス」からは、文字通り「エクリプス」の称呼が生ずるものであるが、これは本件商標の称呼「イクウィップス」と対比すると、両者は音数を明らかに異にするのみならず、語頭の「イ」と「エ」という母音自体の相違及びこれに続く「ウィッ」と「リ」の明確な発音の相違によって全体の称呼を判然と聴き別けすることができるものであり、加うるに両者間にはこの聴覚上の識別を阻害する語調、語感上の類似点も全く存在しない。
してみると、前記取消理由における「本件商標と引用商標の称呼を対比すると、第3音において「イ」と「リ」の差異を有するものである。そして、「イ」と「リ」の音は、「リ」の音が「イ」を母音とするものであり、しかも、比較的明確に聴取され難い中間に位置するものであるから、その差異が両称呼の全体に及ぼす影響は小さいものであって、両称呼をそれぞれ一連に称呼するときは、全体の語感が近似したものとなり、彼此聴き誤るおそれがあるものといわなければならない。」との認定は、本件商標の称呼を「エクイプス」とした前述の誤りに基因するものであり、著しく当を失するものといわざるを得ない。
5 当審の判断
本件商標は、前記のとおり、「EQUIPS」の欧文字を横書きしてなり、第18類「かばん類,袋物」を指定商品とするものである。
ところで、「equ」で始まる語は、例えば、「日本語になった外国語辞典 第2版」(株式会社集英社発行)において、「エクィップメント」[equipment]、「エクイティー」[equity]、「エクーリアス」[Equuleus]と表記されていることからも、これに接する取引者・需要者に、「エク・・・」と称呼される場合も決して少なくないものと判断するのが相当である。
そうとすれば、本件商標は、登録異議申立人主張のように、「イクウィップス」の称呼を生ずる場合があるとしても、前記事情を勘案すれば、「エクイプス」の称呼をも生ずるものといわざるを得ない。
他方、引用商標は、「ECLIPSE」と「エクリプス」の文字よりなるところ、片仮名文字部分が欧文字部分の称呼を特定したものと無理なく判断し得るものであるから、これよりは「エクリプス」の称呼を生ずるものと認められる。
そこで、本件商標より生ずる「エクイプス」と引用商標より生ずる「エクリプス」の両称呼を比較するに、両者は、共に5音という共通の音構成で、聴者の耳に残り難い中間音である第3音目において、僅かに「イ」と「リ」の音にその差異を有するものであるが、「リ」の音は「イ」を母音とするものであり、その差異が両者の全体の称呼に与える影響は少さいものとみるのが相当であるから、両者をそれぞれ一連に称呼するときは、その語調・語感が近似し、称呼上彼此相紛れるおそれがあるものといわなければならない。
してみれば、本件商標と引用商標とは、その外観・観念を考慮してもなお「エクイプス」と「エクリプス」の称呼において類似する商標であり、かつ、本件商標の指定商品は引用商標の指定商品中に包含されるものである。
したがって、本件商標は、商標法第4条第1項第11号に違反して登録されたものとして、その登録を取り消すべきものとした先の取消理由(上記3)は妥当なものである。
以上のとおり、本件商標は、商標第43条の3第2項の規定により、その登録を取り消すべきものである。
よって、結論のとおり決定する。
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