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Trademark Appeal Case

用途表示と識別力

本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。

基本情報

審判番号平成11年異議第91089号
審判種別異議
結論敗訴(請求棄却)

結論テキスト

登録第4271561号商標の指定商品中「せっけん類、化粧品」についての商標登録を取り消す。
本件登録異議の申立てに係るその余の指定商品についての商標登録を維持する。

理由テキスト

1.本件商標

本件登録第4271561号商標(以下、「本件商標」という。)は、平成8年1月25日に登録出願され、「ターンオーバー」の文字を横書きしてなり、第3類「せっけん類、香料類、化粧品、洗濯用漂白剤、洗濯用でん粉のり、家庭用帯電防止剤、家庭用脱脂剤、さび除去剤、染み抜きベンジン、洗濯用ふのり、つや出し剤、靴墨、靴クリーム、塗料用剥離剤、歯磨き、つや出し紙、つや出し布」を指定商品として、平成11年5月14日に設定登録されたものである。

2.登録異議の申立ての理由

本件商標は「ターンオーバー」の文字よりなるところ、該語は「皮膚の基底層に新しい表皮細胞ができて、それが角質層の表面から角片(あか)となって自然にはがれ落ちるまでのことであり、換言すれば皮膚の新陳代謝を意味するものである。」

また、本類の指定商品中「化粧品等」では、平均28日間である皮膚のターンオーバーが遅れることなく正しく行われるために使用する商品や、むしろ皮膚の老化を遅れさせることを意図することからターンオーバーを緩和させることを狙った商品があって、普通に市場に流通しているものである。

してみれば、本件商標をその指定商品中の「皮膚のターンオーバー調節のための商品」に使用する時は、単にその商品の用途、効能、品質を表示する標章にすぎないものであって、商標法第3条第1項第3号の規定に該当するものであり、また、上記以外の本件指定商品に使用するときは、商品の品質について誤認を生ずる恐れがあるから、商標法第4条第1項第16号の規定に該当する。

さらに、本件商標をその指定商品に使用するときは、需要者が何人の業務にかかる商品であるかを認識できない商標であって、商標法第3条第1項第6号の規定に該当するものである。

3.本件商標に対する取消理由

本件登録異議の申立てがあった結果、本件商標の指定商品中「せっけん類,化粧品」については、本件商標を商標法第3条第1項第3号及び同法第4条第1項第16号に該当するものとして通知した取消理由は、つぎのとおりである。

<取消理由>

本件商標は、「ターンオーバー」の文字よりなり、第3類に属する商標登録原簿に記載のとおりの商品を指定商品とするものであるところ、登録異議申立人(以下、「申立人」という。)の提出に係る甲各号証によれば、せっけん類,化粧品の業界においては、「ターンオーバー」の語は、皮膚の基底層に新しい表皮細胞ができて、それが角質層の表面から角片(あか)となって自然にはがれ落ちるまでのこと、換言すれば、皮膚の新陳代謝を意味する語であり、例えば、「肌の生まれ変わり(ターンオーバー)のリズムをととのえます。」、「古い角質を取れやすくし肌の再生を促すターンオーバー効果をプラスして」、「ターンオーバーが早すぎる肌」、「ターンオーバーを緩和する」等々の如く使用されている事実を認めることができる。

してみれば、本件商標は、これをその指定商品中の「皮膚のターンオーバーを調節するためのせっけん類及び化粧品」について使用する時は、単にその商品の用途、効能、品質を表しているにすぎないものであり、また、上記商品以外のせっけん類及び化粧品について使用するときは、商品の品質について誤認を生じさせるおそれがあるものといわなければならない。

したがって、本件商標は、その指定商品中の表記商品について、商標法第3条第1項第3号及び同法第4条第1項第16号に違反して登録されたものである。

4.商標権者の意見

(1)「ターンオーバー」の意味については、英語の[turnover]の文字からは確かに[転覆、折り返し、出来高、変更、改組等]の意味合いを認識することができる。

しかしながら、本件商標はカタカナ文字で「ターンオーバー」と書してなるものであり、この文字から「皮膚の新陳代謝」を表すものと直ちに認定すべき程一般的ではなく、且つ普通に使用されているものではない。

確かに、異議申立書に添付されている甲各号証によれば、上記意味合いで使用されていることは窺えるが、これらは、この種業界のほんの一部における使用であって、商標的な使用方法は上記甲各号証では見ることは出来ない。

本件商標は審査の段階では、商品の用途、効能、品質を表示する文字とは認定されてはいなかった事実からみても、本件商標の登録は有効なものといわなければならない。

更に、本件商標と同意語である商標「Turnover/ターンオーバー」が登録第2295788号[第1号証、参照]として登録されていた事実、及び後願商標が上記登録商標を引用されて登録を拒絶されている事実、更に、商標「ターンオーバー」の文字で、第5類に属する商品について商標登録第4048957号[第2号証、参照]が登録されている事実等をも勘案すれば、商標権者の主張は採用されてしかるべきである。

(2)なお、上記登録商標は、不使用の理由で商標権者が審判を請求した結果、その登録は取り消され、本件商標が改めて登録を認められている事情等を総合的に判断すれば、本件商標の取消しは絶対に容認することは出来ない。

本件商標は英文文字ではなく「ターンオーバー」なるカタカナ文字で横書きされた構成のみであり、この文字から前記意味合いが直ちに認識される程に知られた語ではない。

したがって、本件商標は適法に判断されて登録されたものであり、本件商標の指定商品に使用しても商標法第3条第1項第3号及び同法第4条第1項第16号に違反して登録されたものということは出来ない。

(3)商標権者の主張の正当性については、一般名称的な文字による商標であっても、取引上商品の識別標識としての機能を果たし得るものと認定して登録が認められた特許庁の過去の審決例に徴しても十分に支持され得るものと確信する。

5.当審の判断

本件商標は、「ターンオーバー」の文字を横書きしてなるものである。

しかして、申立人提出に係る甲各号証によれば、せっけん類・化粧品の業界においては、「ターンオーバー」の語は、皮膚の基底層に新しい表皮細胞ができて、それが角質層の表面から角片(あか)となって自然にはがれ落ちるまでの、換言すれば皮膚の新陳代謝を意味する語として普通に使用されている事実を認めることができる。

してみれば、本件商標は、これをその指定商品中の「皮膚のターンオーバーを調節するためのせっけん類及び化粧品」について使用する時は、単にその商品の用途、効能、品質を表しているにすぎないものであり、また、上記商品以外のせっけん類及び化粧品について使用するときは、商品の品質について誤認を生じさせるおそれがあるものというべきである。

したがって、本件商標は、その指定商品中「せっけん類,化粧品」について商標法第3条第1項第3号及び同法第4条第1項第16号に違反して登録されたものとして、その登録を取り消すべきものとした先の取消理由(上記3)は妥当なものであるから、商標第43条の3第2項の規定により、その登録を取り消すべきものとし、残余の指定商品については、商標法第3条第1項第3号及び同6号並びに同4条第1項第16号に違反して登録されたものではないから、同法第43条の3第4項により、その登録を維持するものとする。

なお、商標権者は、本件商標の登録に至る経緯について種々述べ、取消理由通知に対して意見を述べているが、本件商標の登録の経緯は経緯であって、それによって、本件異議決定の判断が左右されるものではない。また、商標権者はその主張を裏付けるために過去の審決例を提出しているが、これらは、本件商標とは事案を異にするものであるから、これらの点に関する商標権者の主張は認め難いところである。

よって、結論のとおり決定する

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