Trademark Appeal Case
複合商標の要部抽出と称呼
本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。
基本情報
| 審判番号 | 異議2000−90554(T2000−90554/J7) |
|---|---|
| 審判種別 | 異議 |
| 結論 | 敗訴(請求棄却) |
理由テキスト
1 本件商標
本件登録第4360828号商標(以下「本件商標」という。)は、平成10年9月16日に登録出願され、「The PROGRESS Academy」の文字を横書きしてなり、第9類に属する商標登録原簿に記載のとおりの商品を指定商品として、平成12年2月10日に設定登録されたものである。
2 登録異議の申立ての理由
本件商標は、他人の名称の著名な略称を含む商標であるから、商標法第4条第1項第8号に該当する。
また、本件商標は、登録異議申立人(以下「申立人」という。)の引用に係る商標、すなわち、平成2年1月12日に登録出願され、「PROGRESS」の文字を横書きしてなり、第11類に属する商標登録原簿に記載のとおりの商品を指定商品として、平成8年10月31日に設定登録された登録第2717173号商標(以下「引用商標」という。)と類似する商標であり、かつ、指定商品も同一又は類似のものであるから、商標法第4条第1項第11号に該当する。
さらに、引用商標は、申立人の製造に係る商品「ソフトウェア」の商標として、又、申立人の略称として需要者の間に広く知られている商標であるところ、本件商標は、これと類似するものであり、その指定商品中には電子応用機械器具やソフトウェアを使用した電気通信機械器具等を含んでいるものであるから、本件商標をその指定商品に使用した場合には、申立人の業務に係る商品と出所について混同を生ずるおそれがある。したがって、商標法第4条第1項第15号に該当する。
よって、本件商標の登録は取り消されるべきである。
3 当審の判断
本件商標は、前記に示すとおりの構成よりなるところ、申立人の提出に係る証拠を検討したが、他人の名称の著名な略称を含む商標に該当するものとはいえない。
また、本件商標は、これを構成する各文字は同じ書体でまとまりよく一連に表されていて、ある種の学術団体又は研究所の名称として看取し得るものであるから、全体の構成文字に相応して生ずる「ザプログレスアカデミー」の称呼をもって取引に資されるものとみるのが自然である。そして、かかる構成にあっては、ことさら、構成中の「PROGRESS」の文字部分のみを分離抽出し、それのみが単独で自他商品の識別標識として機能するというよりは、むしろ、全体として不可分一体のものとして認識・把握されるものとみるのが相当である。
そうすると、本件商標より単に「プログレス」の称呼が生ずるということはできないから、これを前提に本件商標と引用商標との類似を述べる申立人の主張は妥当でなく、その理由をもって本件商標を商標法第4条第1項第11号に該当するものとすることはできない。その他、本件商標と引用商標とを類似のものとすべき事由は見出せない。
さらに、申立人の提出に係る甲第5号証ないし同第20号証によれば、引用商標がコンピュータ産業分野の取引者、需要者の間においては申立人の製造・販売に係る「ソフトウェア関連商品」の商標として一定程度認識されていることが認められるとしても、それら証拠は業界新聞又は日刊紙に掲載された関連記事及び申立人(企業)に係るいわゆるインターネットのホームページ情報のみであって、その周知性の度合いを客観的に判断するための資料、すなわち、該商品を広告・宣伝した時期、回数及びその方法、或いは、該商品をどの時期に、どの地域で、どの位の数量を販売したものか等その取引状況を具体的に示す取引書類等の提出がなく、それら証拠によっては、引用商標が申立人の業務に係る商品を表示するものとして需要者間に広く知られたものとする点を立証するに十分なものとはいえない。
加えて、引用商標は、それ自体は成語であって、造語の場合に比較して印象力が弱いといえるものであり、また、本件商標は、引用商標とは別異の商標であること前記のとおりであって、ほかに両者が紛れ得るとする点は見出せない。
してみれば、本件商標をその指定商品に使用した場合、その商品が申立人又は申立人と関係を有する者の業務に係るものであるかの如く、商品の出所について混同を生ずる虞はないといわなければならない。
したがって、本件商標は、商標法第4条第1項第8号、同第11号及び同第15号に違反して登録されたものということはできないから、その登録は商標法第43条の3第2項の規定により、取り消すことはできない。
よって、結論のとおり決定する。
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