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Trademark Appeal Case

魚種名「KISU」の識別力

本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。

基本情報

審判番号平成11年異議第91168号
審判種別異議
結論勝訴(請求認容)

結論テキスト

登録第4270966号商標の商標登録を取り消す。

理由テキスト

1 本件商標

本件登録第4270966号商標(以下、「本件商標」という。)は、平成9年10月8日に登録出願、「KISU」の横書き文字を標準文字とし、第28類「釣り具」を指定商品として、平成11年5月14日に設定登録されたものである。

2 登録異議の申立ての理由

本件商標は、これをその指定商品中「キス用の釣り具」に使用しても、これに接する取引者、需要者は、単に商品の用途・品質を表示した語と認識するに止まるから、該文字は自他商品識別標識としての機能を果たし得ないものというべきであり、かつ、上記以外の商品に使用するときは、商品の品質について誤認を生ずるおそれがあるので、商標法第3条第1項第3号及び同法第4条第1項第16号に該当し、その登録は取り消されるべきである。

3 本件商標に対する取消理由

本件登録異議の申立てがあった結果、本件商標は、商標法第3条第1項第3号及び同法第4条第1項第16号に該当するものとして、商標権者に対して通知した取消理由は、つぎのとおりである。

本件商標を構成する「KISU」の文字は、その指定商品 「釣り具」との関係においては、釣りの対象魚である「キス(鱚)」を ローマ字綴りしたものと容易に看取し得るものである。

そして、登録異議申立人の提出に係る証拠中において、各釣り具メーカーが「釣り針」、「釣り竿」の商品カタログにおいて、キス(鱚)用の用具を指称するものとして該ローマ字を取引上普通に使用している事実を認めることができる。

してみれば、本件商標をその指定商品中「キス用の釣り具」について 使用する場合は、単に該商品の用途・品質等を表示したものと理解されるに止まり、自他商品の識別標識とは認識し得ないものというべきであり、また、前記以外の「釣り具」について使用するときは、商品の品質について誤認を生ずるおそれがあるといわなければならない。

したがって、本件商標は、商標法第3条第1項第3号及び同法第4条第1項第16号に該当し、これに違反して登録されたものといわざるを得ない。

4 商標権者の意見

商標権者は、上記取消通知に対して、要旨つぎのように意見を述べ、証拠方法として、参考資料1ないし13を提出した。

商標権者は、「キス用の釣り具」について「キス(鱚)」とは表示されても「KISU」とは表示されていないし、「釣り具」商品に「KISU」と表示しても当業界の釣り人、当業者に「キス(鱚)」をイメージさせるものではない。また、「KISU」なる商標を、14年間以上もの間使用し、他社釣り具商品から識別され、長い間混同を生じることなく取り引きされている旨述べ、本件商標は、商標法第3条第1項第3号及び同法第4条第1項第16号に該当するものでないから、その登録は維持されるべきである。

5 当審の判断

本件商標についてした先の取消理由は妥当であって、その認定の誤りを述べる商標権者の意見は、以下の理由により、採用することができない。

すなわち、本件商標は、「KISU」の文字を書してなるところ、これが我が国において馴染まれた外国語を表示したとする特段の事由はなく、これに接する者は、ローマ字綴りしたものと認識し、「キス」と読むものというのが自然である。

そうすると、本願商標をその指定商品「釣り具」との関係においてみれば、釣りの対象魚としてポピュラーな「キス(鱚)」をローマ字綴りしたものと容易に看取し得るものとみるのが相当である。

また、登録異議申立人ダイワ精工株式会社の提出に係る証拠中、「株式会社オーナーばり」及び「株式会社がまかつ」に係る釣り針の商品カタログ(甲第3号証及び同4号証)、並びに「リョービ株式会社」に係る釣り竿の商品カタログ(甲第6号証)にみられるように、釣り具の主要メーカー各社がキス(鱚)用の用具を指称するものとして、該ローマ字を取引上普通に使用している事実を認めることができる。

そして、商標権者の提出に係る証拠においても、「KISU SPECIAL」とする釣り竿の見出し語句として「キスの数釣り・・・」(参考資料8)、「キスを制する、・・・」(参考資料10)及び「キス(鱚)」の写真を掲載したもの(参考資料11)等、その使用する「KISU」の文字部分は、釣りの対象魚を表示した文字(語)として理解するに止まるというべきであり、それ以上に商品の出所を識別するための標識とは認識し得ないものと判断するのが取引の実情よりみて相当である。

してみれば、本件商標をその指定商品について使用した場合、自他商品の識別標識としての機能を十分に果たしうるものである旨述べる商標権者の主張は、前記各事情に照らし採用の限りでない。その他、商標権者の主張を認めるに足りる証拠はない。

そして、本件商標を「キス用の釣り具」以外の商品について使用するときは、あたかも該商品が上記用途又は仕様に係るものであるかの如く、商品の品質について誤認を生じさせるおそれがあるものといわなければならない。

したがって、本件商標の登録は、商標法第3条第1項第3号及び同法第4条第1項第16号に違反してされたものといわざるを得ないから、商標第43条の3第2項の規定により、その登録を取り消すべきものとする。

よって、結論のとおり決定する。

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