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Trademark Appeal Case

複合商標の要部抽出

本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。

基本情報

審判番号異議2000−90570(T2000−90570/J7)
審判種別異議
結論敗訴(請求棄却)

結論テキスト

登録第4362601号商標の商標登録を維持する。

理由テキスト

1 本件商標

本件登録第4362601号商標(以下、「本件商標」という。)は、平成8年1月9日に登録出願され、別掲(1)に示すとおりの構成よりなり、第42類に属する商標登録原簿に記載のとおりの役務を指定役務として、同12年2月18日に設定登録されたものである。

2 登録異議の申立ての理由

本件商標は、他人の名称の著名な略称である「ORIENT EXPRESS」の文字を含む商標であるから、商標法第4条第1項第8号に該当する。

また、本件商標は、平成4年9月28日に登録出願され、「VENICE SIMPLON−ORIENT−EXPRESS」の文字を書してなり、第42類に属する商標登録原簿に記載のとおりの役務を指定役務として、同10年2月20日に設定登録されている登録第3369052号商標及び平成4年9月28日に登録出願され、「ORIENT−EXPRESS」の文字を書してなり、第42類に属する願書に記載のとおりの役務を指定役務とする平成4年商標登録願第219042号商標(以下、これらを一括して「引用商標A」という。)と類似する商標であって、引用商標Aに係る指定役務と同一又は類似の役務について使用するものであるから、同第11号及び同法第8条第1項に該当する。

更に、申立人は、上記商標以外にも、昭和57年7月6日に登録出願され、別掲(2)に示すとおりの構成よりなり、第28類に属する商標登録原簿に記載のとおりの商品を指定商品として、同60年2月27日に設定登録されている登録第1746325号商標(以下、「引用商標B」という。)外数多くの登録商標を所有しており、上記各商標は、申立人の業務に係る輸送の役務を表示するものとして取引者・需要者の間において広く認識されている商標であるから、商標権者が本件商標をその指定役務に使用するときは、申立人の業務に係る役務とその出所について混同を生ずるおそれがあり、同法第4条第1項第15号に該当するものである。

したがって、本件商標の登録は、取り消されるべきである。

3 当審の判断

本件商標は、別掲(1)に示すとおり、「NOSTALGIE」、「ORIENT」の文字を上下二段に表した右側に一対の獅子と思しき図形の中央に配された楕円形輪郭内に「N 」「O」「E」と思しき各欧文字からなるモノグラムを配し、当該図形の右側に「ISTANBUL」、「EXPRESS」の各文字を上下二段に表してなるのに対し、引用商標Aは、上記に示すとおり、「VENICE SIMPLONーORIENTーEXPRESS」の文字あるいは「ORIENTーEXPRESS」の文字を書してなるものであり、引用商標Bは、別掲(2)に示すとおり、「VENICE」、「SIMPLON」の文字を上下二段に配し、その下に当該文字よりやゝ大きめの「ORIENT〜EXPRESS」の各文字を配し、その下方に「V」「S」「O」「E」と思しき各欧文字からなるモノグラムを配してなるものである。

しかして、商標権者が審査の過程で提出した証拠及び申立人の提出した証拠を総合勘案すると、「ORIENT EXPRESS」(オリエント急行)なる列車は、当事者外のワゴンリ社が1883年6月5日にパリとイスタンブールを初めて走らせた豪華旅客列車を指すことに始まり、その後、戦争で中断したり、経営主体が変わったり、紆余曲折を経て、申立人側において「ベニス、シンプロン、オリエント急行(Venice Simplon Orient Express)」、商標権者側において「ノスタルジック、オリエント急行(Nostalgic Orient Express」の名称でそれぞれ蘇らせ、異なる路線を運行し、現在では、両者が別異のものとして認識され棲み分けられており、かつ、前者の略称を「V.S.O.E」、後者の略称を「N.O.E」として一般に親しまれていることが認められ、両者が「ORIENT EXPRESS」なる略称で親しまれているものであるという証左は見出し得ない。

そうとすれば、「オリエント急行」の歴史的経緯及び本件商標が「ノスタルジック、オリエント、エクスプレス(略称「N.O.E.」)」と称され親しまれている事実からすれば、本件商標から「ORIENT EXPRESS」の文字部分のみを殊更に分離して把握、理解しなければならない格別の事情は存しないものといわなければならない。

してみれば、本件商標から「ORIENT EXPRESS」の文字部分のみを分離、抽出できることを前提にして、本件商標と引用商標とが「オリエントエクスプレス」の称呼を共通にする類似の商標であるとする申立人の主張は、その前提において失当であり、採用することはできない。

また、本件商標は、上記のとおりに理解されるものであるから、申立人の著名な略称を含む商標とは認められないものであり、かつ、本件商標と引用各商標とは別異のものであるから、本件商標をその指定役務に使用しても、その役務が申立人又は申立人と関係のある者の業務に係るものであるかのごとく、役務の出所について混同を生じさせるおそれはないものである。

したがって、本件商標は、商標法第4条第1項第8号、同第11号、同第15号及び同法第8条第1項に違反して登録されたものではない。

よって、商標法第43条の3第4項の規定に基づき、結論のとおり決定する。

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