Trademark Appeal Case
歴史人物名商標の登録可否
本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。
基本情報
| 審判番号 | 異議2000−90879(T2000−90879/J7) |
|---|---|
| 審判種別 | 異議 |
| 結論 | 敗訴(請求棄却) |
理由テキスト
1 本件商標
本件登録第4389688号商標(以下「本件商標」という。)は、「北条時宗」の文字を横書きしてなり、平成11年4月30日に登録出願、第33類に属する商標登録原簿に記載のとおりの商品を指定商品として平成12年6月9日に設定登録されたものである。
2 登録異議の申立ての理由
本件商標は、「北条時宗」の文字を書してなるところ、これは平成13年に日本放送協会(以下、NHKという)が大河ドラマとして放送を予定しているドラマのタイトルと同一の文字よりなることから、NHKと何ら関係を有しない出願人が商標として採択使用することは、競業秩序の維持を計る商標法の目的に照らして穏当ではなく、また、NHKと関係のある者の業務に係る商品と混同を生ずるおそれがある。
したがって、本件商標は、商標法第4条第1項第7号及び同第15号に該当し、その登録は取り消されるべきである。
3 当審の判断
(1)本件商標は、上記に示すとおり「北条時宗」の文字よりなるところ、NHKは、平成11年4月28日に同13年の大河ドラマを「北条時宗」にすると発表し(例えば、同11年4月29日付け「朝日新聞」参照)、本件商標の登録出願はその直後であったことが認められる。
ところで、「北条時宗」は、我が国の鎌倉時代における鎌倉幕府の第八代執権であった歴史上の人物であることは、広く一般に知られているものと認められるところ、本件商標は、「北条時宗」の文字のみよりなるものであって、該大河ドラマの主人公役と認め得る人物像或いは「NHK」又は「大河ドラマ」など、該大河ドラマの「北条時宗」であることを示唆する図形、文字は本願商標に含まれていない。
そうすると、本件商標の「北条時宗」の文字は、NHK大河ドラマの「北条時宗」との関連でのみ捉えることは必ずしも適切でなく、単に歴史上の人物を表記したに止まるものと認めるのが相当であるから、本件商標を採択使用することが競業秩序を乱すおそれがあり、穏当でないとする申立人の主張は採用することができない。
加えて、本件商標は、その構成自体が矯激、卑猥、差別的な文字又は図形からなるものではなく、また、本件商標を指定商品に使用することが社会公共の利益・一般道徳観念・国際信義に反するということはできない。
したがって、いずれの点からしても、本件商標は、公の秩序又は善良の風俗を害するおそれがある商標とは認められない。
(2)また、申立人は、「北条時宗」の文字は大河ドラマ「北条時宗」の製作発表の時より、直ちに、NHKの該大河ドラマのタイトルとして周知著名になった旨主張するが、製作発表自体は該ドラマを製作する旨の告知に止まるものであり、また、申立人の提出に係る証拠では、該ドラマの製作発表をもって、直ちにそのタイトルが周知著名になったことの証左とするのは到底困難であり、他にこの点を認め得る証左はない。
そうすると、「北条時宗」の文字は、本件商標の登録出願の時に、平成13年にNHKが放送を予定している大河ドラマ「北条時宗」のタイトルとして周知著名であったものとは判断し得ないから、本件商標は、他人の業務に係る商品と混同を生ずるおそれがある商標ということはできない。
(3)したがって、本件商標は、商標法第4条第1項第7号及び同第15号に違反して登録されたものではない。
よって、同法第43条の3第4項の規定に基づき、結論のとおり決定する。
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