Trademark Appeal Case
称呼の類似性と要部抽出
本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。
基本情報
| 審判番号 | 異議2000−90135(T2000−90135/J7) |
|---|---|
| 審判種別 | 異議 |
| 結論 | 勝訴(請求認容) |
理由テキスト
1 本件商標
本件登録第4326621号商標(以下、「本件商標」という。)は、「Jテック」の文字を左横書きしてなり、平成5年8月25日に登録出願、第9類「配電用又は制御用の機械器具,回転変流機,調相機,電池,電気磁気測定器,電線及びケーブル,電気通信機械器具,電子応用機械器具及びその部品,オゾン発生器・電解槽,電気ブザー」を指定商品として、同11年10月22日に設定登録されたものである。
2 登録異議申立の理由
これに対して、本件商標登録異議の申立ての理由は、登録第1091188号商標外3件の商標を引用し、「TEC」あるいは「テック」の商標は申立人の業務に係る商品「電子レジスター」等を表示するものとして取引者・需要者の間において広く認識されている商標であるから、本件商標は、商標法第4条第1項第10号、同第11号及び同第15号に該当し、その登録は取り消されるべきであるとするものである。
3 本件商標に対する取消理由
本件商標は、下記の商標と同一又は類似であって、その商標に係る指定商品と同一又は類似の商品について使用をするものであるから、商標法第4条第1項第11号に違反して登録されたものである旨の取消理由を通知した。
取消理由に引用した商標(以下、これらの商標を一括して「引用商標」という。)は、以下のとおりである。
(1)昭和46年12月2日に登録出願され、「TEC」の文字を書してなり、第9類「産業機械器具、動力機械器具(電動機を除く)風水力機械器具、事務用機械器具(電子応用機械器具に属するものを除く)その他の機械器具で他の類に属しないもの、これらの部品及び附属品(他の類に属するものを除く)機械要素」を指定商品として、同49年10月1日に設定登録された登録第1091188号商標
(2)昭和46年12月2日に登録出願され、「テック」の文字を書してなり、第9類「産業機械器具、動力機械器具(電動機を除く)風水力機械器具、事務用機械器具(電子応用機械器具に属するものを除く)その他の機械器具で他の類に属しないもの、これらの部品及び附属品(他の類に属するものを除く)機械要素」を指定商品として、同49年10月1日に設定登録された登録第1091189号商標
(3)昭和44年6月10日に登録出願され、「テック」の文字を書してなり、第11類「電気機械器具、電気通信機械器具、電子応用機械器具(医療機械器具に属するものを除く)電気材料」を指定商品として、同51年12月13日に設定登録された登録第1240435号商標
(4)昭和53年4月12日に登録出願され、「TEC」の文字を書してなり、第11類「電球類および照明器具、民生用電気機械器具、電気通信機械器具、電子応用機械器具」を指定商品として、同59年3月22日に設定登録された登録第1668400号商標
4 商標権者の意見
本件商標は、その構成全体をもって一体不可分のものと認識し、把握されるとみるのが自然であるから、引用商標とは、外観、称呼、観念のいずれの点からみても非類似のものである。
本件商標と同様に、欧文字と片仮名をまとまりよく一連的に横書きして表したもので、既に商標登録された事例として、「Gホーン」「EXマート」「ユーネット/Uネット」「Gショック/G−SHOCK」等があり、一連的にまとまり良く書き表された商標の場合は、これらを一気に称呼し、全体構成をもって一体不可分のものと認識され把握されるのが従来からの判断であり、本件商標の場合も上記登録例と同じく、当然登録されるべきものである。
5 当審の判断
本件商標は、「Jテック」の文字からなるところ、欧文字と片仮名文字から構成されているものであるから、視覚上、「J」と「テック」に分離して看取されるものであり、又、「J」の文字と「テック」の文字とが一体となって、親しまれた熟語を形成するものでもなく、全体をもって常に一体不可分のものとして把握されるとみるべき格別の事情も見出せない。
しかも、本件商標の指定商品を取り扱う業界においては、一般にローマ字の1字が商品の種別あるいは型式を表す記号、符号として、類型的に採択使用されているところから、本件商標にあっても、その構成中の「J」の文字部分は記号、符号の一類型と理解され、「テック」の文字部分が自他商品の識別標識として認識されるものとみるのが相当である。
そうとすれば、本件商標に接する取引者、需要者は、「J」の文字と「テック」の文字とを分離して把握・認識し、称呼することが十分にあり得るものというべきであるから、本件商標は、全体として「ジェイテック」の称呼を生ずるとしても、「テック」の文字部分に相応して「テック」の称呼をも生ずるものといわなければならない。
これに対して、引用商標は、前記のとおりの構成からなるものであるから、いずれもその構成文字に相応して「テック」の称呼を生ずるものである。
してみれは、本件商標と引用商標とは「テック」の称呼を共通にする類似の商標であり、かつ、両者の指定商品も同一又は類似のものである。
なお、商標権者は、欧文字と片仮名からなる商標が一体不可分のものと判断されて登録された事例を挙げて、本件商標も同様に扱われるべきである旨主張しているが、商標の類否の判断は、各商標につき個別に判断されるべき性質のものであるから、商標権者が主張するような事例があるというだけでは、本件商標と引用商標との類否の判断を左右することにはならない。
したがって、本件商標は、商標法第4条第1項第11号に違反して登録されたものであるから、同法第43条の3第2項の規定により、その登録を取り消すべきものである。
よって、結論のとおり決定する。
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