Trademark Appeal Case
結合商標の要部抽出
本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。
基本情報
| 審判番号 | 異議2000−90277(T2000−90277/J7) |
|---|---|
| 審判種別 | 異議 |
| 結論 | 勝訴(請求認容) |
理由テキスト
1 本件商標
本件登録第4339566号商標(以下「本件商標」という。)は、別掲(1)に表示したとおりの構成よりなり、平成10年4月15日に登録出願、第9類、第28類、第41類及び第42類に属する商標登録原簿に記載したとおりの商品及び役務を指定商品及び指定役務として、平成11年12月3日に設定登録されたものである。
2 登録異議の申立ての理由
本願商標は、登録異議申立人(以下「申立人」という。)の引用に係る、別掲(2)に表示したとおりの構成よりなり、平成1年7月3日に登録出願、第24類「おもちゃ、人形、娯楽用具、運動具、釣り具、楽器、演奏補助品、蓄音機、レコード、これらの部品および附属品」を指定商品として、平成4年10月30日に設定登録された登録第2471245号商標(以下「引用商標」という。)と外観上類似し、その指定商品中、結論掲記の指定商品については、引用商標の指定商品と同一又は類似するものである。
したがって、本願商標は、商標法第4条第1項第11号に該当し、その登録は取り消されるべきである。
3 本件商標に対する取消理由の要旨
本件商標は、黒塗り円形図形の右横側を三角形状に切り欠いた構成よりなるもので、恰も右横向きにて口を開いたかの如き印象を与える幾何図形よりなるものである。
これに対して、引用商標は、該構成中の幾何図形部分と文字部分とは常に一体不可分のものとして把握、認識されるとみるべき特段の理由が見いだせないから、それぞれの部分が自他商品の識別標識としての機能を果たすものとして把握、認識されるものというべきであるから、該構成中の幾何図形部分も独立して認識されるものである。
そして、引用商標の幾何図形部分は、黒塗り円形図形の右横側を三角形状に切り欠いた構成よりなるもので、恰も右横向きにて口を開いたかの如き印象を与えるものである。
してみれば、本件商標と引用商標とは、幾何図形部分においてその構成の軌を同じくし、その外観の印象を共通にする類似の商標であり、かつ、その指定商品中、結論掲記の指定商品については同一又は類似の商品と認められる。
したがって、本件商標登録は、商標法第4条第1項第11号に違反してなされたものである。
4 商標権者の意見の要旨
(1)引用商標は、黒色で塗りつぶされた円形を基礎とし、当該円形の中心に向かつて三角形状の切り欠きを有する幾何学的図形があり、その右横直近にしかも図形部分の上下とほぼ同じ幅の範囲内に、英文字で「Fruitgum」と「Company」の文字が同書・同大・等間隔に横書き二段表記されて構成されているものである。
以上のような構成からするならば、引用商標の幾何図形部分が、恰も右 横向きにて口を開いたかの如き印象を与えるものであることと、その図形 部分の直近に「Fruitgum」の語が配されていることと相まって、 幾何図形部分と文字部分とは、不可分一体に「フルーツガムをかんでいる 人の顔」を想起させるように見えるものである。
したがって、引用商標の文字部分から独立して幾何図形部分のみが認識されることはない。
(2)これに対して、本件商標は、黒色で塗りつぶされた円形を基礎とし、当該円形の中心に向かって三角形状の切り欠きを有する幾何学的図形のみからなるものであり、恰も右横を向いて口を開いたかのような人の顔を印象付けるような、その他の文字や図形要素が存在するわけではない。
(3)以上述べたように、引用商標は、図形部分と文字部分とが不可分一体として構成された商標であり、常に一体として認識、把握されるべき特段の事情のある商標であるのに対し、本件商標は単に幾何学的図形のみから構成され、特定の観念が生じることのない商標であるから、本件商標と引用商標とは称呼・観念のみならず、外観においても、印象を著しく異にし、彼此相紛れるおそれのない非類似の商標である。
4.申立人は、証拠方法として甲第3号証の1ないし5を提出するが、これは全て文字部分と図形部分との観念的関連性が全くなく、また、図形部分と文字部分とが明確に分離されている例であるため、本件登録異議の申立ての場合と同列に論じられないものである。
(4)仮に、本件商標と引用商標とが類似するとしても、商標権者は、引用商標の指定商品中「おもちゃ、人形、娯楽用具、運動具、釣り具、これらの部品及び附属品、前記全ての商品の類似商品」について、不使用取消審判を請求した(取消2000−30690)。本審判が認容されれば、本件と引用商標との抵触関係は一部解消する。ついては、当該取消審判の確定するまで、本登録異議の申立てについての審決を猶予されたい。
5 当審の判断
本件商標と引用商標とは、それぞれの構成よりして外観において類似するものといわざるを得ないから、本件商標を商標法第4条第1項第11号に該当するとした上記取消理由は、妥当なものである。これについて述べる商標権者の意見は、以下の理由により採用することができない。
(1)商標権者は、引用商標はその図形部分の直近に「Fruitgum」の語が配されていることと相まって、幾何図形部分と文字部分とは、不可分一体に「フルーツガムをかんでいる人の顔」を想起させるように見えるものであり、幾何図形部分のみが認識されることはない旨、主張するが、図形と文字とよりなる商標の場合、視覚、意味合い、或いは、称呼などにおいて、両者が補完する関係にある場合など、図形と文字とが何らかの因果関係があるものと認識される場合には、不可分一体のものとして認識されることもあるものといえる。しかしながら、引用商標には、幾何図形と文字とには上記の如き関連性ないし因果関係は乏しいものというべきである。
そうすると、引用商標について、「構成中の幾何図形部分と文字部分とは常に一体不可分のものとして把握、認識されるとみるべき特段の理由が見いだせないから、それぞれの部分が自他商品の識別標識としての機能を果たすものとして把握、認識されるものというべきである」と認定した取消理由は、妥当なものといわなければならない。
(2)商標権者は、本件商標に対し取消審判を請求したので審理を猶予されたい旨述べるが、商標法第50条第1項に規定する取消審判においては、取り消すべき旨の審決が確定したときは審判の請求の登録の日に商標権が消滅したものとみなされるのであり(同法第54条第2項)、同法第43条の3に規定する登録異議の申立ての審理及び決定に、取消審判の審理結果が影響を及ぼさないことは明白であるから、上記商標権者の意見には審理を猶予すべき理由がない。
したがって、上記の取消理由は妥当なものと認められるので、本件商標登録は、指定商品(指定役務)中、登録異議の申立てに係る指定商品について商標法第43条の3第2項の規定により取り消すべきものである。
よって、結論のとおり決定する。
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