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Trademark Appeal Case

年号商標の識別力

本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。

基本情報

審判番号異議2000−90281(T2000−90281/J7)
審判種別異議
結論勝訴(請求認容)

結論テキスト

登録第4340092号商標の商標登録を取り消す。

理由テキスト

1 本件商標

本件登録第4340092号商標(以下、「本件商標」という。)は、平成10年12月10日に登録出願され、「二千年」の文字を縦書きしてなり、第33類「日本酒,洋酒,果実酒,中国酒,薬味酒」を指定商品として、同11年12月3日に設定登録されたものである。その後、平成12年9月25日に指定商品の一部放棄により「果実酒」を放棄した旨の登録が同年10月17日になされている。

2 登録異議申立の理由

本件商標は、指定商品の生産・提供又は使用の時期を表示するものにすぎず、少なくとも需要者が何人の業務に係る商品であるかを認識することができないものであるから、商標法第3条第1項第3号、同第6号及び同法第4条第1項第16号に該当し、その登録は取り消されるべきである。

3 本件商標に対する取消理由

登録異議申立人提出の甲各号証によれば、「2000年」の文字がその指定商品との関係において「2000年産ヌーボー、2000年産ラベルワイン、2000年産新酒ワイン、2000年ボトル、2000年記念ワイン、2000年の酒、2000年記念ビール」のように多数使用されている事実を認め得るところである。

してみれば、2000年に通じる本件商標をその指定商品について使用した場合は、単に該商品の生産・提供・使用の時期等を表示するにすぎないものとみるのが相当である。

したがって、本件商標は、商標法第3条第1項第3号に違反して登録されたものである。

4 商標権者の意見

ワインについて「二千年」と表示すれば、それは「2000年」もしくは「西暦2000年」を想起させるおそれがあるので、指定商品中の「果実酒」を放棄した。

しかし、その他の酒類については、原料の収穫年あるいは生産年によって品質の差が表れることはないので、これらの年号を明示する必要性はなく、その慣習もない。「二千年」印の酒として、例えば「二千年の食文化を有する酒」、「二千年の歴史の重みを持つ酒」等の意味合いをも看取され、十分に登録性を有するものである。

申立人が提出した証拠についても、商標が異なっているか、もしくは実際に商標として使用しているか否か不明なもの、あるいは、本件商標権者が、本件商標権の登録日以後に、その使用を許諾しており、甲第28号中の1件(純米千年酒・2000年)を除いて、許諾に基づく使用であって、商標権者の管理下の使用であるから、本件商標の登録性を損なうものではない。又、本件出願の審査以前に使用されていたか否かについても、甲各号証は何一つ情報を与えていない。

5 当審の判断

本件商標は、上記のとおりの構成からなるところ、商品、サービスにかかわらず、2000年を記念して、「ミレニアム・グッズ」あるいは「2000年グッズ」等と称する商品やサービスが数多く出現していることは周知の事実である。

これを登録異議申立人の提出に係る証拠についてみるに、本件商標の査定前の発行に係る、例えば、甲第1号証(平成11年4月9日付毎日新聞)によれば、「ミレニアム・グッズ続々 2000年 時計、酒、旅行・・・商戦過熱」とあり、甲第3号証(DIME 4/16 1998)によれば、「こんなにある!西暦2000年商品」の表題のもとに「10兆円をはるかに超える2000年ビジネスの魅力・・・時計や日記・・世紀越えを祝うお酒など・・商品だって世紀越え記念という形で誰でも発売できる。・・・2000年町おこし型イベント、2000年に届くタイムカプセル郵便」等々の記述を認めることができる。

そして、本件商標の指定商品に関する記述についても、「ワイン」等の果実酒については、多くの甲号証に「2000年産ヌーボー、2000年産ラベルワイン、2000年産新酒ワイン、2000年ボトル、2000年記念ワイン」等の表示がなされており、「2000年」の語がワイン等の果実酒の品質を表すものであることについては、商標権者も認めているところである。

また、果実酒以外の酒類についても、甲第22号証(近江酒造株式会社のホームページ)には、「20世紀のおみやげ 2000年の酒(2000年まで、あと255日の表示がある)」の表示のもとに2000年の酒の申し込みを期間限定で受け付けており、更に、甲第28号証(SAKE王国のホームページ)によれば、多くの酒造メーカーにより「純米大吟醸二千年」、「2000年自家熟セット」、「2000年仕込シリーズ」、「純米千年酒・2000年」等々の表示が用いられていることを認めることができる。

この点について、商標権者は、商標登録異議意見書のなかで、「本件商標権者が、本件商標権の登録日以後に、その使用を許諾しており、許諾に基づく使用であって、本件商標の登録性を損なうものではない。」旨主張して、乙第3号証(日本酒造組合中央会の平成11年12月9日付通達と傘下会員の商標権使用者名簿)を提出している。

しかしながら、同号証によれば、「最近、西暦2000年を迎えるに当たり様々な商品が発売されており、当中央会傘下の製造者におかれましても、ミレニアム商品として2000年等の商標を使用した商品が店頭でも見受けられるようになりました。また、日本の酒情報館におきましても、その様なミレニアム商品を集めて販売いたしております。しかし、今回、表記の『2000年』及び『二千年』について、某清酒製造者において商標登録がなされ、商標権を取得されていることが判明いたしました。(中略)つきましては、中央会で一括して商標権使用許諾のお願いをいたしたいと存じますので(後略)」と記載されていることを認めることができる。

しかして、上記中央会の通達の文面からみれば、甲第28号証にみられる酒造メーカーによる「2000年」の表示の使用は、少なくとも、商標権者による許諾に基づく、許諾後の使用ばかりでないことは明らかであり、例えば甲第22号証の事実等とも合わせ考慮してみれば、「2000年」の表示は、商標権者が本件商標権についての使用を許諾する以前から、酒造メーカーにより日本酒について一般的に使用されていたものであることは容易に推認し得るところである。

してみれば、「2000年」の語は、本件商標の登録査定時には、本件商標の指定商品の生産・提供・使用の時期等を表わす語として、取引者・需要者間において普通に使用されていたものというべきであるから、「2000年」に通じる本件商標をその指定商品について使用しても、需要者が何人かの業務に係る商品であることを認識することができないものと判断するのが相当である。

したがって、本件商標は、商標法第3条第1項第3号に違反して登録されたものであるから、同法第43条の3第2項の規定により、その登録を取り消すべきものとする。

よつて、結論のとおり決定する。

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