Trademark Appeal Case
濁音・清音の称呼類似
本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。
基本情報
| 審判番号 | 異議2000−90284(T2000−90284/J7) |
|---|---|
| 審判種別 | 異議 |
| 結論 | 勝訴(請求認容) |
理由テキスト
1 本件商標
本件登録第4340700号商標(以下、「本件商標」という。)は、「SARAJYU」の文字と「サラジュ」の文字とを二段に左横書きしてなり、平成10年9月17日に登録出願、第3類「せっけん類,香料類,化粧品,歯磨き」を指定商品として、同11年12月3日に設定の登録がされたものである。
2 登録異議申立ての理由
これに対して、本件商標登録異議の申立ての理由は、平成7年5月2日に登録出願され、「サラシュ」の文字を書してなり、第3類「化粧品」を指定商品として、同9年4月25日に設定の登録がされた登録第3295779号商標(以下、「引用商標」という。)を引用し、本件商標は、商標法第4条第1項第11号に該当するものであるから、その指定商品中の「化粧品」についての登録は取り消されるべきであるとするものである。
3 本件商標に対する取消理由
本件商標登録異議の申立てがあった結果、本件商標は、引用商標と称呼上類似する商標であり、かつ、本件商標の指定商品中の「化粧品」と引用商標の指定商品は類似するものであるから、商標法第4条第1項第11号に該当する旨の取消理由を通知した。
4 商標権者の意見
本件商標と引用商標とは、語尾音ではあっても、僅か3音という短い音構成において、しかも比較的明瞭に発声される音において、濁音の「ジュ」と清音の「シュ」の違いがあり、注意深く商品を吟味し、商標も注意深く観察して購入する化粧品の取引者・需要者にとって、この差異を軽々しく見落とすことはなく、十分に聴別できるものである。 また、「SARAJYU」あるいは「サラジュ」の構成からなる商標は、本権利者の関連会社であるカメリア化粧品株式会社が、商標登録第2076838号及び第2076839号として、昭和63年9月30日から平成10年9月30日にかけて所有していた商標であり、引用商標は、これらの商標とは非類似の商標と判断されて登録されたものであって、引用商標の登録から3年半ほどの間に、類否判断を左右するほどの化粧品取引状況の変化が取引者・需要者層の認識も含めてあったとものとは思われない。
5 当審の判断
本件商標と引用商標とは、上記のとおりの構成よりなるところ、いずれも、その構成文字に相応して、本件商標は「サラジュ」の称呼を生ずるものであり、引用商標は「サラシュ」の称呼を生ずるものである。
そこで、「サラジュ」と「サラシュ」の称呼について比較するに、両者は共に3音という音構成の中で前2音「サラ」の音を共通にするものであり、その差は語尾における「ジュ」と「シュ」の濁音と清音の徴差にすぎず、両者をそれぞれ一連に称呼するときはその語調、語感が近似し、称呼上彼此相紛れるおそれのある類似の商標といわなければならない。
また、両者は、特定の意味合いを有しない造語と認められるものであるから、観念の点から区別し得る要素はなく、更に、本件商標の構成中、読みやすい片仮名文字の「サラジュ」と引用商標の「サラシュ」とは、「シ」の文字に濁点が有るか無いかの差異であり、外観上の紛らわしさこそあれ、外観の点からも区別し得る要素は見当たらない。
してみれば、本件商標と引用商標とは称呼上において、全体として互いに紛れるおそれのある類似する商標であり、かつ、本件商標の指定商品中の「化粧品」と引用商標の指定商品とは同一又は類似するものである。
なお、商標権者は、引用商標は過去に登録されていた「SARAJYU」あるいは「サラジュ」の構成からなる商標と非類似の商標と判断されて登録されたものである旨主張しているが、当該両商標について出所の混同をきたすおそれはないと考え得る特別の事情の存在が立証されている訳でもなく、上記のような事情があるというだけでは、本件商標と引用商標との類否の判断を左右することにはならない。
したがって、本件商標は、その指定商品中の「化粧品」について、商標法第4条第1項第11号に違反して登録されたものであるから、同法第43条の3第2項の規定により、「化粧品」についての登録を取り消すべきものである。
よって、結論のとおり決定する。
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