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Trademark Appeal Case

液体とティーパックの類似性

本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。

基本情報

審判番号判定2000−60146(T2000−60146/J6)
審判種別記載はありません。
結論other

結論テキスト

商品「第30類、ティーパック入りの六条大麦を使用した麦茶」に使用する(イ)号標章は、登録第4105669号商標の商標権の効力の範囲に属しない。

理由テキスト

1 本件商標

本件登録第4105669号商標(以下、「本件商標」という。)は、「六条」と「麦茶」の文字を上下二段に横書きしてなり、第30類「麦茶」を指定商品として、平成5年5月31日に登録出願され、その後、商標法第3条第2項の適用を申し出て、平成7年5月2日付け手続補正書をもって、指定商品を「六条大麦を使用した麦茶」として、平成10年1月23日に設定登録されたものである。

その後、平成10年1月23日付けの商標登録無効審判(平成10年審判第35373号)において、指定商品「六条大麦を使用した液体麦茶以外の六条大麦を使用した麦茶」についての登録を無効にする審決が平成12年9月13日に確定し、商標原簿に平成12年10月25日登録されたものである。

2 (イ)号標章

被請求人が商品「ティーパック入りの六条大麦を使用した麦茶」について使用する標章として、請求人の示す(イ)号標章は、「六条麦茶」の文字を縦書きした構成よりなるものである。

3 請求人の主張の要点

(1)請求の趣旨

本件商標は、「六条」の漢字を左横書きし、これの下に「麦茶」の文字を左横書きにて配してなるものであるから、これから「ロクジョームギチャ」の称呼の生することは明らかである。

一方、(イ)号標章も、甲第2号証における表示態様からみて、「ロクジョームギチャ」の称呼を生するものである。

したがって、本件商標と(イ)号標章は、「ロクジヨームギチャ」の称呼を同じくする類似の商標である。

(2)請求の理由

本件商標の指定商品「六条大麦を使用した液体麦茶」と(イ)号標章の使用商品「ティーパック入りの(六条大麦の)麦茶」の類否

商品の類似とは、対比すべき商品に同一又は類似の商標を使用したとき、取引者、需要者が両商品を同一の出所より出でたものではないかとその出所を混同するおそれがあるか否かによって決すべきとされ、混同するおそれがある場合には、その商品は類似の商品である。

これを本件商標の指定商品である「六条大麦を使用した液体麦茶」と(イ)号標章の使用商品である「ティーパック入り(六条大麦の)麦茶」についてみると、前者は、六条大麦を炒ってこれを煎じたものであり、後者は、六条大麦を妙ってパックに入れたものでありますから、両者は、その使用材料を同じくするものである。

加えて、後者は、そのままで飲むことはできないが、需要者は、これを麦茶を飲むという意図で購入するのであり(これ以外の意図で購入することなどは皆無か、例えあったとしても、極めて稀なことである。)前者も同様であるから、両者は麦茶を飲むためという用途を同じくするものであるうえに、両者は、極く限られた富裕層の者のみが購入するというようなものではなく、広く一般家庭においても飲まれているものであるから、両者は、その用途(購入目的)及び需要者を共通にするものである。

さらに、両者は広く一般家庭においても飲まれているものであるところから、これらは、例えは極く限られた商品のみを取り扱っている専門店といったような店舗のみで販売されているようなことはなく、一般世人が日常頻繁に利用している店舗で販売されている場合が決して少なくないものである。

してみれは、「六」「条」「麦」及び「茶」の文字を同じくし、「ロクンヨームギチャ」の称呼も同じくする類似商標である本件商標と(イ)号標章のうち、前者が「六条大麦を使用した液体麦茶」に、後者が「ティーパック入りの(六条大麦の)麦茶に」使用されたとき、これら両商品に接する取引者、需要者は、これら商品が同一人の業務に係るものではないかと、その出所を混同するおそれがあるとみるのが相当である。

したがって、「六条大麦を使用した液体麦茶」と「ティーパック入りの(六条大麦の)麦茶」は、類似の商品というべきである。

以上によると、(イ)号標章は本件商標と類似のものであって、本件商標の指定商品と類似の商品について使用するものであるから、「ティーパック入りの(六条大麦の)麦茶」に使用する(イ)号標章は、本件商標の商標権の効力の範囲に属するものである。

(3)証拠方法

請求人は、証拠として甲第1号証ないし同第2号証(枝番を含む。)を提出した。

4 被請求人の答弁の要点

(1)答弁の趣旨

被請求人が商品「ティーパッグ入りの(六条大麦の)麦茶」に使用する(イ)号標章は、登録第4105669号商標の商標権の効力の範囲に属さない、との判定を求める。

(2)答弁の理由

(イ)本件商標は、平成10年1月23日、登録された時は、「六条大麦を使用した麦茶」を指定商品として、商標法第3条第2項により登録されたところ、無効審判の請求を受けるや、一転して、請求人は、指定商品中「六条大麦を使用した液体麦茶」についてのみ正当な登録である旨答弁し、自ら、本件商標が、指定商品「六条大麦を使用した麦茶」のすべてをカバーしているものでないとの見解を表明し、かつ、当該事件において提出された種々の証拠を勘案した結果、平成12年7月24日、特許庁より、「指定商品中六条大麦を使用した液体麦茶以外の指定商品については、商標法第3条第1項第3号に違反して登録されたものであるから、指定商品中、六条大麦を使用した液体麦茶以外の六条大麦を使用した麦茶についてはその登録を無効とすべきである」として、無効と結論され、その旨、平成12年10月25日登録されたものである。

以上により明らかなとおり、判定請求書の請求理由(1)において、本件商標は、最初に登録された平成10年1月23日当時から指定商品を「六条大麦を使用した液体麦茶」としていたかの如き記述となっているのは大きい誤りであって、事実は、上記の如き経過をたどり、最近になって、ようやく、指定商品を限定した登録にいたったものである。

(ロ)以上の動きに加え、以下の事情を附加する。

被請求人は、農林水産省所管の公益法人「全国麦茶工業協同組合」に加入している組合員であるところ、被請求人は、平成10年7月29日、請求人から、「六条麦茶」の標章を麦茶に使用することを止められたい、との趣旨の警告を受けたため、当代理人より、平成10年8月13日、回答すると共に、同日付で、前記組合から、本件商標の無効審判の請求をなすにいたったものである。

被請求人が平成10年7月29日に請求人から上記のとおり警告を受けた当時、前記組合に所属する組合員企業で、被請求人のほかにも、この種警告を受けたものがあった。

ところが、組合から本件商標についての無効審判請求を受けるやピタリとその動きをとめ、その后今日まで、何らの動きを示すことはなかった。

然るに、前述(1)(イ)のとおり、一部無効審決に対し、組合から審決取消訴訟が提起されることなくそれが確定し、その旨最近の平成12年10月25日に登録されたのを見定めるや、本件判定請求に及んだのである。

つまり、請求人による今回の判定請求は、禁反言の法理に反し、紛争の再発に火をつける行為と断ぜざるを得ない。

附言するに、前記組合は、前回被請求人が請求人から警告された時も、本問題は、一組合員たる被請求人と請求人との間の係争問題として傍観するべきでない、ティーパッグ麦茶を扱う全組合員の利害に大きく関わる問題として、被請求人を含む全組合員のために、理事会決議をもって本件商標に対する無効審判請求をすることを決めた。今回も、前回と同様、組合員全体の利害に関わる問題として、2001年早々にも、理事会を開いて、被請求人に対する支援策を決定する予定である。

(ハ)そもそも、麦茶の原料には、大麦とはだか麦とがあり、原料の大麦の穂は、小穂が三個ずつ互生するのであるが、粒が縦に並んだ形となるものを「六条大麦」、三つの穂のうち、中央の背負う穂のみ稔性で、両側の小穂が不稔のものが「二条大麦」と呼ばれている。

而して、二条大麦は、主としてビールの原料に使用される。つまり、「六条大麦」は、麦茶の原料としてはまさに本命といってよい。

そうすると、「六条麦茶」が請求人の所有物になったとしたら、まことに不条理な話といわねばなるまい。これらのことは、既に、前述の本件商標に対する無効審判請求書(乙第3号証)に詳論したところであり、ここで改めて、くり返すまでもないところである。

(3)(イ)号標章

勿論、被請求人の商品「ティーパッグ入りの(六条大麦)麦茶」に使用する(イ)号標章は、この商品の包装に表示された縦書きの「六条麦茶」の文字であることは、請求人が云われるとおりである。

(4)本件商標と(イ)号標章の類否

しかしながら、請求人が問題として提起された「本件商標と(イ)号標章の類否」という問題の提起自体全く無意味であり、成り立たない話である。

なぜなら、請求人が所有する本件商標は、「液体麦茶」に対してのみ効力を有するのであって、「ティーパッグ入りの(六条大麦)麦茶」に対しては、その効力は及ばないからである。

(5)本件商標の指定商品「六条大麦を使用した液体麦茶」と(イ)号商標の使用商品「ティーパッグ入りの(六条大麦)麦茶」の類否

この問題提起も、標章の類否と同様、無意味であり、成り立たない。

なぜなら、この二つの商品は全然別個の商品とされて、ようやく、本件商標の効力が定まったからである。

(6)結論として、本件商標の効力範囲は、「液体麦茶」に限定され、「ティーパッグ入りの(六条大麦)麦茶」には及ばない。

(7)証拠方法

請求人は、証拠として乙第1号証ないし同第3号証(枝番を含む。)を提出した。

第4 当審の判断

(1)本件商標の構成は、別掲に表示したとおり、「六条」と「麦茶」の文字を上下二段に横書きした構成よりなるものである。

(2)請求人の提出に係る甲第2号証「ティーパック入りの六条大麦を使用した麦茶の包装用容器(包装袋)」の表面に表示された(イ)号標章は、別掲に表示したとおり、中央部に縦書きで「六条麦茶」の文字を大きく表し、これらの文字より小さな文字で、右上部に「蒸し上げ製法 熟成の味」の文字を縦長の楕円形の中に白抜きで表し、左やや下部にグラスの中に麦茶とおぼしき写実的な図形を配した構成よりなるものである。

(3)ところで、「六条」の文字は、指定商品との関係では、「穂の各節に穎果が三個づつ互生する大麦」の語義のある「六条大麦」としても知られているところである。このことは、被請求人の提出する証拠においても認められるところである。

(4)そこで(イ)号標章をみると、(イ)号標章は、「六条」の文字に「大麦を殻付きのまま炒って茶の葉の代わりとするもの」の語義のある「麦茶」の文字が付加されているものであるから、(イ)号標章に接する取引者、需要者は、「六条麦茶」の文字は、「六条大麦を使用してなる麦茶」の意味合いを端的に表したものと認識するとみるのが相当である。

してみると、(イ)号標章構成中の「六条麦茶」の文字部分は、商品「麦茶」の原材料の1つが「六条大麦」を使用しているものであることを理解させるにすぎないものであるから、取引者、需要者は、「六条麦茶」の文字を一体のものとして捉え、「六条」の文字から生ずる「ロクジョウ」の称呼をもって取引に資するものとはいえないものと判断するのが相当である。

そうとすれば、被請求人が商品「ティーパック入りの六条大麦を使用した麦茶」に使用する(イ)号標章中の「六条」の文字部分は、自他商品識別標識として機能するものではなく、当該商品の品質を普通に用いられる方法で表示したものといえるものである。

また、請求人の所有する「六条」と「麦茶」の文字を上下二段に横書きした構成よりなる本件商標「六条麦茶」についても、請求人が商品「六条大麦を使用した麦茶液体」に使用する「六条」の文字部分も、(イ)号標章と同様に自他商品識別標識として機能するものではなく、当該商品の品質を普通に用いられる方法で表示したものといえたものである。

しかして、請求人の所有する本件商標「六条麦茶」は、商品「六条大麦を使用した液体麦茶」について、使用された結果需要者が何人かの業務に係る商品であることを認識することができるものになったことにより、商標法第3条第2項の適用が認められたものであるから、「六条大麦を使用した液体麦茶」以外の商品については、商標法第26条第1項第2号に該当するものといわなければならない。

したがって、本件商標の商標権の効力は、(イ)号商標には及ばない。

よって、結論のとおり判定する。

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