結論テキスト
審判費用は、被請求人の負担とする。
Trademark Appeal Case
本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。
| 審判番号 | 平成10年審判第35354号 |
|---|---|
| 審判種別 | 不服 |
| 結論 | 勝訴(請求認容) |
本件登録第2722556号商標は、別紙に表示したとおりの構成よりなり、平成4年2月26日に登録出願され、第21類「装身具、ボタン類、かばん類、袋物、宝玉及びその模造品、造花、化粧用具」を指定商品として、平成9年7月25日に設定登録されたものである。
請求人が本件商標の登録の無効の理由に引用する登録第2062365号商標(以下、「引用商標(1)」という。)は、別紙に表示したとおりの構成のものであり、昭和55年7月21日に登録出願、第21類「装身具、ボタン類、かばん類、袋物、宝玉及びその模造品、造花、化粧用具」を指定商品として、昭和63年7月22日に登録されたものである。同じく登録第1938146号商標(以下、「引用商標(2)」という。)は、別紙に表示したとおりの構成のものであり、昭和57年1月27日に登録出願、第17類「被服(運動用特殊被服を除く)、布製身回品(他の類に属するものを除く)、寝具類(寝台を除く)」を指定商品として、昭和62年2月25日に登録されたものである。同じく登録第2422700号商標(以下、「引用商標(3)」という。)は、別紙に表示したとおりの構成のものであり、昭和59年8月31日に登録出願、第17類「被服(運動用特殊被服を除く)、布製身回品(他の類に属するものを除く)、寝具類(寝台を除く)」を指定商品として、平成4年6月30日に登録されたものである。同じく登録第2708566号商標(以下、「引用商標(4)」という。)は、別紙に表示したとおりの構成のものであり、昭和59年8月31日に登録出願、第22類「はき物(運動用特殊ぐつを除く)、かさ、つえ、これらの部品及び附属品」を指定商品として、平成7年7月31日に登録されたものである。そして、これらの引用各商標は、いずれも現に有効に存続するものである。
請求人は、結論同旨の審決を求めると申し立て、その理由及び被請求人の答弁に対する弁駁を概略次のように述べ、証拠方法として甲第1号証乃至甲第30号証(枝番を含む。)を提示した。
本件商標は、商標法第4条第1項第11号及び同第15号に該当するものであるから、同法第46条第1項第1号によって無効にすべきものである。
(1)各引用商標の著名性について
請求人エス.アー.ジャンカセグレインは、フランス国の法律の下に設立された各種ファッション製品の製造・販売を業とする法人であり、「LONGCHAMP」(ロンシャン)の文字及び競走馬とジョッキーをデザイン化した図形を永年にわたりその商品に使用し、その商品は“ロンシャン”製品と呼ばれ、国内外の取引者・需要者に広く親しまれている。請求人の商品は、当初、「ロンシャン・パイプ」で名声を博していたが、皮革製品の喫煙用品の人気を土台として各種の皮革製品に進出し、その高い品質により高く評価されてきた。なかでもワニ皮のデスクマットは有名で、故ドゴール大統領が当時の全閣僚に発注したり、故ケネディ大統領がホワイトハウス入り(1960年1月20日)したときに、ジャクリーヌ夫人がオリーブのワニ革のデスクマットを贈ったことは世界中に報道され、世界的著名ブランドとしての地位を確立する一助となった。実際、請求人の商品は、日本貿易振興会による調査においても「売れ筋ブランド」として高く評価されている(甲第5号証)。
日本においても、昭和39年の大阪国際見本市に請求人の製品が出品され、また本件商標出願前及び出願後に発行された数々の刊行物によって請求人の製品が紹介されたことなどにより(甲第6号証乃至甲第12号証)、請求人がこれらの製品に使用していた「LONGCHAMP」(ロンシャン)の文字と、競走馬とジョッキーをデザイン化した図形は、極めて広く知られるに至っていたものである。
このように請求人の商品は、特に若者の間で爆発的な人気を得、その商品に付された「LONGCHAMP」(ロンシャン)の文字及び「競走馬とジョッキーのシルエット」の図形は、請求人の製品を表すものとして、取引者・需要者に深く浸透しており、本件商標出願前より特にバッグ類を中心にして良く知られている。
そして、請求人は、これらの文字と図形が付された商品に付随した業務上の信用を保護するため、日本においても「LOHGCHAMP」(ロンシャン)の文字商標(甲第13号証及び甲第14号証)と「競走馬とジョッキーのシルエット」の図形からなる各引用商標(甲第2号証乃至甲第4号証)を主にファッションに関係する商品を指定商品として取得している。
また、過去においては、こうして請求人の商標が獲得した著名性にフリーライドする模造品の出現が後を絶たず(甲第15号証及び甲第16号証)、日刊新聞紙上で報道された事実も存在する(甲第17号証)。
さらに、「競走馬とジョッキーのシルエット」の図形商標の著名性については、別件登録異議申立の決定においてその著名性を認定されているとおり(甲第18号証及び甲第19号証)、顕著な事実と思料する。
以上のことから、請求人の使用する「LONGCHAMP」(ロンシャン)の文字商標及び「競走馬とジョッキーのシルエット」の図形商標は、本件商標の出願当時1992(平成4)年には、極めて広く知られるに至っている商標と云うべきである
(2)商標、商品の類似について
本件商標は、上記のとおりの構成からなり、その外観より「競走馬とジョッキー」の観念が生ずる。
また、引用商標(1)は「CASSEGRAIN」の文字と「競走馬とジョッキーのシルエット」の図形から構成され、「カセグレイン」の称呼が生じ、また図形部分は“ロンシャン”製品を表すものとして取引者・需要者に深く浸透しているものであるから、独立して自他商品の識別標識としての機能を果たし得るものであるといえ、したがって図形部分より、「競走馬とジョッキー」の観念が生ずる。
同様に引用商標(1)の図形部分と同一の図形からなる引用商標(2)、(3)、(4)も、その外観より「競走馬とジョッキー」の観念が生ずる。
以上のことから、本件商標と各引用商標を比較するにおいて、両商標は共に「ジョッキーの乗った競走馬をシルエット状に描いた左向きの図形」である。特に、両前脚を前方に、両後脚を後方にそれぞれ大きく伸ばして疾走している馬の状態を表現している点で、両商標は共通である。
以上のような両商標の外観は、乗馬やポロなど他に馬を用いた競技が存在することも考慮に入れて比較すると、目に映った全体としての印象を同一にし、極めて類似していると言える。
また、両商標は「競走馬とジョッキー」の印象を共通に与え、同じ競馬を連想させるものであるから、両商標から感得される意味合いも非常に類似している。
この外観上と観念上の類似は、時と所とを異にして接した場合における所謂離隔的観察においても識別することは難しく、需要者にとって極めて紛らわしいものである。
したがって、本件商標と各引用商標は、外観と観念において類似している商標であると言える。
▲1▼ 商標法第4条第1項第11号について
本件商標と引用商標(1)は、「ジョッキーの乗った競走馬をシルエット状に描いた左向きの図形」を含む商標であるという点で外観類似の商標であり、また観念においても、共に「競走馬とジョッキー」の観念を生ずる類似の商標である。
また、本件商標の指定商品は、引用商標(1)の指定商品と全く同一のものである。
したがって、本件商標は、商標法第4条第1項第11号に該当するものである。
▲2▼ 商標法第4条第1項第15号について
前述のように、請求人の使用する各引用商標は、ハンドバッグ等の皮革製品を中心とするファッション製品に使用され、請求人の長年の継続的な努力により、日本を含め世界的に一流ブランドとしての信用を本件商標登録前に既に獲得しているものである。
一方、本件商標は、請求人の使用する各引用商標と外観・観念において類似しているものである。
したがって、請求人の使用する各引用商標の世界的な著名性に鑑みれば、これに類似した本件商標がその指定商品について使用された場合には、これに接する取引者・需要者は、恰も請求人又はその関連会社の取り扱い業務に係る商品、またはそのシリーズ商品であるかの如く認識し、その商品の出所について混同を生ずるおそれがある。
したがって、本件商標は商標法第4条第1項第15号に該当するものである。
(3)被請求人の答弁に対する弁駁
被請求人は各引用商標が著名性を獲得したことを否定する根拠として、以下の理由を挙げている
▲1▼ 甲第5号証乃至甲第12号証については、実際に日本国内でどの程度の量が売れたのかが全く不明であり、また引用商標通りのものが使用されたという事実が示されていない。
▲2▼ 甲第13号証及び甲第14号証については、引用商標とは異なる請求人の商標にすぎず、引用商標の著名性とは何ら関係ないこと
▲3▼ 甲第15号証乃至甲第17号証については、模倣されたからといって著名だとは言えないこと
▲4▼ 甲第18号証及び甲第19号証については、登録異議の申立の決定で著名性を認定されたことは、本件審判事件を拘束するものではないこと
以下、それぞれについて弁駁する。
▲1▼について
まず、甲第5号証(日本貿易振興会による「1992年輸入品(消費財)売れ筋動向」)には、請求人のブランドが“売れ筋ブランド”として「セールスポイント:ロンシャンのマークに高級感がある」のように紹介されている。
ここで、上記のように紹介されている“ロンシャンのマーク”とは、請求人の各引用商標「競走馬とジョッキーのシルエット」のマークであることが明らかである。すなわち、甲第6号証乃至甲第8号証及び甲第12号証によると、請求人のブランドは、以下のように紹介されている。“競馬のマークのプリントで有名なロンシャン”(甲第6号証)、“パリのロンシャン競馬場にちなんで名づけられたブランドだけに、シンボルマークは走る馬です”(甲第7号証)、“マークの由来、ロンシャンの名称がフランスの著名な競馬場にちなんで名づけられたことから、ジョッキーをデザイン化したものを使用している”(甲第8号証)、“フランスのバッグ・革小物・メーカーS.A.J.Casegrain−Longchampの略・通称、そのブランド。疾走する競馬馬がシンボルマーク”(甲第12号証)
以上のことから、甲第5号証において紹介されている“ロンシャンのマーク”とは、請求人の各引用商標である「競走馬とジョッキーのシルエット」のマークであることが明らかであり、各引用商標どおりのものが使用されたことに他ならない。
また、甲第6号証乃至甲第11号証において紹介されているバッグ、ベルト、財布等の商品に、各引用商標どおりのロンシャンのマークが付されていることは一見にして明らかである。
また、日本における商品の販売量は、著名性を判断する際の一要素にすぎず、必ずその点の立証がなければならないと解すべき根拠はない。すなわち、著名性を獲得する方法としては、大量に宣伝広告を行なう等様々な方法が考えられるのであるから、商品の販売量と著名性は必ずしも比例するものではなく、上記のように多数の書籍に著名なブランドとして掲載されている事実を無視し、単に販売量が不明という点のみをもって各引用商標の著名性を否定する根拠にはなり得ない。
したがって、実際に日本国内でどの程度の量が売れたのかが全く不明であり、また引用商標どおりのものが使用されたという事実が示されていないことを根拠として著名性を否定する被請求人の答弁は成り立たない。
▲2▼について
甲第13号証及び甲第14号証については、請求人が所有する「LONGCHAMP」(ロンシャン)の文字のみからなる登録商標及び「LONGCHAMP」(ロンシャン)文字と馬の図形からなる登録商標であるが、これらの登録商標中、「LONGCHAMP」(ロンシャン)の文字は、「競走馬とジョッキーのシルエット」からなる図形と共に使用されて上記の書籍等に紹介され、請求人に係る商標として著名となっているものである。したがって、これらの登録商標中、「LONGCHAMP」(ロンシャン)文字は、請求人に係る商標としてロンシャンマークと共に著名となっているものであるから、これらの各登録商標が引用商標の著名性とは何ら関係ないことを根拠としてその著名性を否定する被請求人の答弁は成り立たない。
▲3▼について
そもそも周知・著名でないブランド品について、その模倣品が出回ることは考えにくい。すなわち、模倣品が出回るのは、第三者がその商標さえ商品に付せば、売れると考えるからであり、言い換えれば、著名に至ったブランドに化体した高い信用及び顧客吸引力にフリーライドすることによって、不正な利益を得ようとするからに他ならない。したがって、著名に至ったブランドほど第三者による模倣の対象となることが多いのが通常である。
以上のように、模倣品が大量に出回ったという事実は、その商標の著名性を判断する上で重要な要素となる。従って、模倣されたからといって著名だとは言えないとする、被請求人の答弁は、高い信用が蓄積され、著名に至ったからこそ模倣されやすいという著名商標の特性を全く無視した答弁である。
▲4▼について
甲第18号証及び甲第19号証については、過去の登録異議の申立の決定で著名性を認定されたことは、本件審判事件を拘束するものではないとするが、一般的に同種の事例に対して同種の判断がなされることは、法的安定性や公平等の観点から望ましいと考えられ、本件審判事件においても、過去に著名性を認定されたことはその著名性を判断する上で重要な要素となると言うべきである。
さらに、実際に出所の混同を生ずるか否かについては、取引事情等個々の実態を考慮して判断すべきであるところ、仮に本件商標と引用商標が類似していないと認識されたとしても、本件商標がその指定商品について使用された場合、その商品の出所について混同を生ずるおそれがあることは、以下の事情を考慮することにより明らかである。
▲1▼ 商標が著名である場合には、東京高裁昭33年(行ナ)3号判決が示すように類似範囲を拡大して考えるべきである(甲第30号証)。
▲2▼ 請求人のロンシャンマークは、特に革製品において著名であるところ、本件商標は、引用商標(1)と同一の指定商品「カバン類」等を指定商品とするものである。そして商標が、これらの指定商品中、例えばハンドバッグやベルトのバックル等の小さな商品に付されて使用された場合において明らかなように(甲第6号証及び甲第11号証)、当該商標は、非常に小さく表されるのが通常であるから、両商標の多少の差異を認識することは非常に困難となる。
被請求人は、「審判請求の理由はないとの審決を求める。」と答弁し、その理由を概略次のように述べている。
(1)各引用商標の著名性について
請求人が提出した甲第5号証乃至甲第18号証からは、引用商標が著名性を獲得したとは到底認められない。
甲第5号証の刊行物では、まず実際に日本国内でどの程度の量が売れたのかが全く不明であり、また引用商標どおりのものが使用されたという事実が示されておらず、更に請求人の言うとおりであると、ここに紹介された数多くの商標が全て著名性を獲得したという非常識な結論に達することになる。したがって、この甲第5号証をもって著名性獲得の立証にはならない。
同様な理由から、甲第6号証乃至甲第12号証の刊行物についても、著名性を証明するものではない。
甲第13号証乃至甲第14号証は、引用商標とは異なる請求人の商標にすぎず、引用商標の著名性とは何ら関係ない。
甲第15号証乃至甲第17号証をもって引用商標が市場で模倣された旨述べているが、模倣されたからといって著名だとは言えない。
甲第18号証、甲第19号証の登録異議申立の決定で著名性を認定されたとしているが、この決定は本件審判事件を拘束するものではない。
このように甲第5号証乃至甲第18号証のいずれをみても著名性を根拠づけるものではなく、更には甲第5号証乃至甲第18号証を総合したとしても著名性を獲得したとはいえない。
引用商標の著名性獲得が顕著な事実である旨述べているが、被請求人としては、そのようなことは到底認めるところではない。
一般に著名性を主張するには、販売数量及び販売ルートが相当数に達していることを明らかにし、また使用態様の全てが引用商標の使用に該当することを示し、さらに刊行物については発行部数を明らかにすべきであるが、甲号証ではそれらの点が不明である。
結局、請求人による引用商標の著名性の主張など成立しないと言わざるをえない。
また、請求人は、本件商標の出願当時である1992年(平成4年)に引用商標が極めて広く知られるに至っている旨、主張しているが、登録商標が商標法第4条第1項第11号の規定及び商標法第4条第1項第15号の規定に該当するかどうかの判断基準時は、請求人の言うような出願時ではなく、審査における査定時である。
本件商標の査定時はというと、1996年(平成8年2月7日)である。それにも拘らず、1996年に引用商標が著名であることを証明していないのであるから、1996年に引用商標が著名であるといえないのは当然である。
(2)商標の類似について
本件商標と各引用商標との態様を対比してみる。本件商標は、シルクハットを被って燕尾服を着装した紳士が、片方の手で自分の前に鞭を立てて持って背筋をまっすぐ上に伸ばし腰を馬の背に乗せて足を馬の腹の下方まで伸ばした姿勢で乗馬した形が描かれている。これに対して、引用商標はというと、キャップを被って競馬用服装を着装した騎手が、上半身を前方に倒して両手でたずなを掴んで腰を浮かした姿勢で乗馬した形が描かれている。
紳士が優雅に乗馬している姿の本件商標と、騎手が競馬場で競争している姿の引用商標とでは、外観及び観念が類似していないのは明らかである。仮に引用商標が著名性や周知性を獲得していると想定しても、本件商標と各引用商標とは、外観上及び観念上、出所の混同を生ずるようなものではない。
(3)したがって、本件商標は、商標法第4条第1項第11号、商標法第4条第1項第15号のいずれの規定にも該当するようなものではない。
請求の理由、甲第5号証乃至甲第12号証及び甲第15号証乃至甲第17号証を総合すると、以下のことが認められる。
請求人は、フランス国の法律の下に設立された各種ファッション製品の製造、販売を業とする法人である。第二次世界大戦中に、牛革を巻いて作ったパイプが一躍名声を博し、その後、皮革製品に進出し、高く評価されてきて、「LONGCHAMP」(ロンシャン)の文字及び競走馬とジョッキーをデザイン化した図形は、同人の取り扱いに係る商品について使用される商標として、世界的に著名となった。そして、日本においても、本件商標の登録出願前に発行された刊行物には、ハンドバッグ、ベルト等の皮革製品をはじめ、スカーフ、ネクタイ等の商品が「LONGCHAMP」(ロンシャン)の文字及び競走馬とジョッキーをデザイン化した図形の商標と共に掲載されている。(甲第6号証乃至甲第11号証)
上記事実によれば、「LONGCHAMP」(ロンシャン)の文字及び競走馬とジョッキーをデザイン化した図形の商標は、我が国においても、遅くとも本件商標の登録出願の日である平成4年2月26日以前には、既に、請求人の業務に係る上記商品について使用される商標として、取引者、需要者間に広く認識されていたと認め得るものであり、その状態は現在においても継続しているというのが相当である。
ところで、本件商標と引用商標(2)(3)(4)の類否についてみると、両図形は共に、騎手を乗せた馬が疾走している図形であると容易に理解されるところ、直接比較対照して仔細に観察すれば、騎手の服装、帽子、騎手の上体の姿勢、鞭の有無等の相違点が認められるとしても、全体としては、騎手を乗せて前脚を前方に、後脚を後方にそれぞれ大きく伸ばして疾走している馬をシルエット状に表しているという点において、両図形は構成の軌を一にするものというべきであり、全体から受たがって、時と所を異にして接するときは、両図形の異同の識別は難しいといわざるを得ず、また、前記認定のとおり各引用商標の図形が高い著名性を有していることを考慮すると、本件商標をかばん類等の皮革製品をはじめ、ファッション関連商品といえるその指定商品に使用するときは、これに接する取引者、需要者は請求人、もしくはこれと組織的、経済的に何らかの関係を有する者の業務に係る商品であるかの如く、その商品の出所について混同を生ずるおそれがあるものといわざるを得ない。
したがって、本件商標は、商標法第4条第1項第15号に違反して登録されたものと認められるから、同法第46条第1項第1号により無効とすべきものである。
よって、結論のとおり審決する。
Next Action
類似審決の追加調査から中間応答、新規出願の費用確認まで、この審決を起点に次のアクションへ進めます。
商標の登録可能性を無料で確認するか、費用の目安を料金表・シミュレーターで把握できます。