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Trademark Appeal Case

周知商標の要部抽出

本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。

基本情報

審判番号平成10年審判第10899号
審判種別不服
結論敗訴(請求棄却)

結論テキスト

本件審判の請求は、成り立たない。

理由テキスト

1 本願商標

本願商標は、別掲(1)に表示するとおりの構成よりなり、第30類「調味料、穀物の加工品」を指定商品として、平成4年9月16日に登録出願されたものである。

2 引用商標

原審において、登録異議の申立があった結果、原査定が本願商標の拒絶の理由に引用した登録第901928号商標(以下、「引用商標」という。)は、昭和40年4月24日に登録出願、別掲(2)に表示するとおり「かも川」の文字を縦書きしてなり、第32類「そうめん」を指定商品として、同46年6月15日に登録、その後、同57年4月30日及び平成3年9月27日の2回に亘り、商標権存続期間の更新登録がなされ、現に有効に存続しているものである。

3 当審の判断

本願商標は、別掲(1)に表示するとおり、文字と図形よりなるところ、構成中の外周を形成する肉太筆書き風の円形及び同図右下部の葉片状の図形は、何ら特定の事物を想起し得ない一種幾何学的図形というべきものであって、特定の称呼、観念を生じ得ないのに対し、構成中の円図形中央に書された「桃太郎」、「かも川」の各文字部分は、後述する意味合いをもって世上一般に親しまれている邦語であるから、これに接する需要者は、これら邦文字に注意を惹かれ、強く印象づけられるものと認められる。

しかして、「桃太郎」は、昔話の主人公を意味する言葉として一般に周知であり、また、「かも川」は、地名ないし河川名を連想させる言葉であって、両語間に特に意味上の関連性はなく、また、主従・軽重の差も見出し得ないことから、その構成と相俟って、これらを不可分一体のものとのみ把握しなければならないような特段の事情は見出し難いところであるから、かかる場合、両文字(語)は、それぞれが独立して商品識別の機能を果たし得るものといわなければならない。

そして、簡易迅速を旨とする商取引の実際においては、適宜親しみ易く、馴染み易い文字部分を抽出し、簡便に取引に資する場合が決して少なくないというのが実情である。

ところで、「かも川」の標章は、本願商標の出願当時、少なくとも岡山県を中心とする地域一帯における麺類の取引者・需要者間において、当該他人もしくは、原審における異議申立人会社の業務に係る商品(麺類)を表示するものとして広く認識された、いわゆる周知商標(以下、「周知商標」という。)であることが、異議申立に関して提出された証拠より認められる。

以上の点よりして、本願商標を麺類を含むその指定商品に使用した場合、これに接する需要者は、構成中の周知商標といえる「かも川」の文字部分に着目し、同文字より生ずる称呼をもって、取引に資する場合も決して少なくないものといわなければならない。

したがって、本願商標からは、「モモタロウカモガワ」の一連の称呼の他に、単に「カモガワ」の称呼をも生ずるものと認められる。

他方、引用商標は、前述のとおり周知商標というべき「かも川」の文字よりなるものであるから、該文字に相応して「カモガワ」の称呼を生ずることが明らかである。

してみれば、本願商標と引用商標とは、「カモガワ」の称呼を共通にする点において、互いに紛らわしく、両者はその出所について混同を生ずるおそれのある類似の商標といわなければならない。そして、本願商標は、その指定商品中に引用商標の指定商品を包含するものと認められるから、結局、本願商標を商標法第4条第1項第11号に該当するものとして本願を拒絶した原査定は、妥当であって取り消すべきではない。

請求人は、「かも川」の標章が登録異議申立人と請求人を含めた3社からなる企業グループの統一ブランドとして周知であり、もともと「周知商標」の使用主であった請求人がこの周知商標を含む「桃太郎かも川」を使用しても、取引者・需要者に「かも川グループの桃太郎」として認識されるから、本願商標からは、「モモタロウカモガワ」の称呼のみを生ずる旨主張しているが、本願商標が「モモタロウカモガワ」の称呼のみを生じ、しかも本願商標と引用商標とが区別されているというためには、少なくとも、本願商標が引用商標と同等あるいはそれ以上に周知であることの主張・立証がなされなければならないと解されるところ、そのような立証はなく、また、過去の一定時期に商標の使用者であったことをもって、本願商標について、商標登録を得るべき正当な理由とすることはできないから、その主張は採用の限りでない。

よって、結論のとおり審決する。

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