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Trademark Appeal Case

称呼の類似性と要部抽出

本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。

基本情報

審判番号平成11年審判第17299号
審判種別不服
結論敗訴(請求棄却)

結論テキスト

本件審判の請求は、成り立たない。

理由テキスト

1 本願商標

本願商標は、その構成を別掲(1)に示すものとし、第9類に属する商品を指定商品として、平成10年4月17日に登録出願されたものである。

そして、指定商品については平成11年6月30日付手続補正書により「録音済みの磁気カード・磁気シート及び磁気テープ,録音済みのコンパクトディスク,録画済みビデオディスク及びビデオテープ」と補正されたものである。

2 原査定の引用商標

原査定において本願商標が商標法第4条第1項第11号に該当するとして本願の拒絶の理由に引用した登録第1334643号商標(以下、「引用商標A」という。)は、昭和48年6月19日に登録出願、その構成を別掲(2)に示すものとし、第26類「書籍、雑誌、パンフレツト、その他本類に属する商品」を指定商品として同53年5月15日に設定登録され、その後、同63年6月22日及び平成10年6月9日に商標権の存続期間の更新登録がなされているものである。

同じく、登録第2569809号商標(以下、「引用商標B」という。)は、平成3年3月28日に登録出願、その構成を別掲(3)に示すものとし、第26類「印刷物(文房具に属するものを除く)、書画、彫刻、写真、これらの附属品」を指定商品として同5年8月31日に設定登録されたものである。

同じく、登録第2636685号の2商標(以下、「引用商標C」という。)は、平成2年5月9日に登録出願、その構成を別掲(4)に示すものとし、第24類「おもちや、運動具、その他本類に属する商品」を指定商品として、同6年3月31日に設定登録された登録第2636685号商標を原登録商標とし、原登録商標について、その後、同10年4月13日に、分割移転登録があった結果、その指定商品を「楽器、演奏補助品、蓄音機、レコード」として登録がされたものである。

3 当審の判断

(1)本願商標の構成は、前記したとおり、籠字風でかつ立体的に「ミウ」の片仮名文字を表示し、「ミ」と「ウ」の中間下部に動物の足跡と思しき小さな黒塗りの図形を配し、その下部に「SUNSET」の欧文字を書し、さらに、その下に「サンセット」の片仮名文字を籠字風に表示してなる(「サ」の字形横線は上記「ト」の文字上部まで引伸ばされている)ものである。

しかして、構成中の「ミウ」の文字部分と「SUNSET」「サンセット」の各文字部分とは文字の大きさが顕著に異なっていて、視覚上容易に分離し得るものであり、かつ、これら両文字の全体をもって特定の意味を有する成語とは認められず、ほかにこれを一体不可分のものとして把握しなければならない特別な事情があるものとも認められないものである。

そうとすれば、簡易・迅速を旨とする取引の実際においては、適宜目につきやすく、あるいは、親しまれ易く称呼し易い部分をもって簡便に取引の目印とすることも決して少なくないというのが相当であるから、かかる場合、本願商標に接する取引者、需要者は大書された「ミウ」の文字部分、あるいは、「日没」の観念で親しまれ使用されている「SUNSET」「サンセット」の文字部分に着目し、それぞれより生ずる称呼又は観念をもって取引に資する場合も少なからずあるというべきである。

したがって、本願商標は、構成中の「ミウ」の文字に相応して単に「ミウ」の称呼を生ずるものであり、また、同じく、「SUNSET」「サンセット」の文字に相応して単に「サンセット」(日没)の称呼、観念も生ずるものといわなければならない。

(2)これに対して、引用商標Aは、前記したとおりのものであって、「SUNSET」の文字を筆記体風に綴ったものと容易に理解し得るものであるから、これに相応して、「サンセット」の称呼及び「日没」の観念が生ずるものである。

そうとすれば、本願商標と引用商標Aとは「サンセット」(日没)の称呼、観念を同じくする点において互いに紛らわしく、このほか外観の点を考慮しても、なお両者は類似のものといわなければならない。

(3)また、引用商標Bは、前記した構成のものであるから、「みゅう」の文字に相応して「ミュウ」の称呼が生ずるものである。

しかして、引用商標Bにおける、拗音「ミュ」は母音「u」を伴っており、これに重ねて「ウ」の母音が続くことから前音の母音が後音の母音に吸収され易く、そのため、「ミウ」に近い音として聴取されるものであり、また、これと逆に本願商標から生ずるといえる「ミウ」の称呼は、「ミ」(mi)の母音「i」が後音の母音「u」に吸収され易い関係上、「ミュウ」に近い音として聴取されるものであるから、結局、本願商標と引用商標Bとは称呼上互いに紛れ易く、外観、観念を考慮しても、なお両者は類似のものというべきである。

(4)さらに、引用商標Cは、前記した構成のものであるから、「ミュー」の文字に相応して「ミュー」の称呼が生ずるものである。

しかして、この場合も本願商標と称呼において紛れ易いものであること前述(3)における場合と同様であって、また、外観、観念の点を考慮しても、なお、両者は類似のものといわざるを得ない。

(5)以上のとおり、本願商標と引用商標A・B・Cの各商標とは商標においていずれも類似するものであり、かつ、本願の指定商品は、各引用商標の指定商品と同一又は類似する商品を含むものである。

したがって、本願商標が商標法第4条第1項第11号に該当するとした原査定は妥当なものであって、これを取り消すことはできない。

請求人は、本願商標は一連に把握・称呼・観念されるとして証拠方法を提出しているが、本願商標が分離して考察されるとした前記の認定は妥当であって、この点は、「商標はその構成部分全体によって他人の商標と識別すべく考案されているものであるから、みだりに、商標構成部分の一部を抽出し、この部分だけを他人の商標と比較して商標そのものの類否を判定することは許されない。しかし、簡易、迅速をたつとぶ取引の実際においては、.........しばしば、その一部だけによって簡略に称呼、観念され、.........この場合、一つの称呼、観念が他人の商標の称呼、観念と同一または類似であるとはいえないとしても、他の称呼、観念が他人の商標のそれと類似するときは、両商標はなお類似するものと解するのが相当である。」(最高裁判所第一小法廷 昭和38年12月5日判決 昭和37(オ)953号 判例時報366号26頁)との判示に照らしても是認されるものである。

また、請求人は、本願商標から「夕暮れの猫」の観念が生ずると主張しているが、本願商標からそのような観念が生ずるとの証左はなく、客観性に欠けるその主張は採用できない。さらに、提出された甲号証の事例は本件とは商標の構成を異にするものであって本件類否判断の基準とするのは必ずしも適切でないから、それら事例をもって、前記認定を左右するものとはいえない。

よって、結論のとおり審決する。

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