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Trademark Appeal Case

商標不使用取消の「使用」判断

本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。

基本情報

審判番号平成11年審判第30103号
審判種別不服
結論敗訴(請求棄却)

結論テキスト

本件審判の請求は、成り立たない。
審判費用は、請求人の負担とする。

理由テキスト

1 本件商標

本件登録第2063379号商標(以下、「本件商標」という。)は、昭和61年1月21日に商標登録出願され、「パナビュア」、「PANAVIEWER」の各文字を上下二段に書してなり、第11類「電気機械器具、電気通信機械器具、電子応用機械器具(医療機械器具に属するものを除く。)」を指定商品として、昭和63年7月22日に設定登録されているものである。

2 請求人の主張

請求人は、「本件商標の指定商品中『電子応用機械器具(医療機械器具に属するものを除く)』の登録を取り消す、審判費用は被請求人の負担とする、との審決を求める。」と申し立て、その理由を概略次のように述べている。

(1)取消事由

本件商標は、その指定商品中の「電子応用機械器具(医療機械器具に属するものを除く)」について、継続して3年以上日本国内において商標権者、専用使用権者又は通常使用権者のいずれも使用した事実が存しないから商標法第50条第1項の規定により取り消されるべきものである。

(2)取消原因

審判申立人は、本件商標の使用状況につき調査したが、本件商標は表記の指定商品につき使用されていないことが判明した

(3)答弁に対する弁駁

被請求人は、その答弁書において、統合OAシステムソフトウエア「PANAPIOS」の販売のために配布する説明資料の第16ページ目にイメージ文書管理のための参照用ソフトを示す名称として「PANVIEWER」を表示しているから、本件商標が使用されていることは明らかであるとの主張している。しかし、同説明資料は、「PANAPIOS」の販売のための資料であり、本件商標「PANAVIEWER」を使用した商品の販売のものではない。従って、そこに記載されている文字「PANAVIEWER」が、本件審判請求登録前に既存した商品に使用されていたと言えるものではない。この点を敷延すると、つぎのとおりである。同証明資料のどこにも、「PANAVIEWER」を使用したソフトを販売していると言うことは書いていない。言いかえれば、将来制作する予定のソフトについて述べているのか、既にあるソフトなのか不明である。なお、既にあるソフトであれば、「PANAVIEWER」についての使用の説明書が存在している筈であり、それが提出されていないことは、その当時にかかるソフトが商品として存在しなかったことを推認させるに十分な状況と言える。コンピューターソフトは、商品として存在するもののほか、注文に応じて設計する場合もある。従って、既存のソフトでない可能性の一つとして参照用ソフトが、商品として存在していたものではなく、注文により制作されるものと言う意味のものとも理解される。注文に応じて制作されるソフトは、第42類に属する役務に分類されていることとなる。従って、この意味からも引用の記載から商品としてのソフトが存在したと認めることが出来ないと言わざるをえない。また、被請求人は、インターネットによりアクセスする被請求人の商品情報から、本件商標が表示される旨を述べるが、これは本件審判請求登録前に使用していたことの証明にはならないものである。

以上述べたとおり、被請求人の主張および提出する証拠からは、本件商標が本件審判請求前に指定商品に使用されていたとは認められず、逆に使用されていなかったことが推認出来る。

3 被請求人の答弁

被請求人は、「結論同旨の審決を求める」と答弁し、その理由を概略次のように述べ、証拠方法として乙第1号証ないし乙第5号証を提出している。

答弁の理由

(1)請求の趣旨によれば、「本件商標」はその指定商品中の「電子応用機械器具(医療機械機具に属するものを除く)」について、商標権者によって継続して3年以上日本国内においても使用されておらず、専用使用権者及び通常使用権者によっても使用されていないとしている。従って、本件商標の登録は商標法第50条第1項の規定によって取り消しを免れないものであるとのことである。

(2)本件商標は、カタ力ナ「パナビュア」及び欧文字「PANAVIEWER」を2段に横書きしてなるものであり、昭和61年1月21日に第11類の「電気機械器具,電気通信機械器具,電子応用機械器具(医療機械機具に属するものを除く),電気材料」を指定商品して商標登録出願し、昭和62年12月10日に出願公告され、同63年7月22日に設定登録がなされたものである。

(3)被請求人の関係会社である九州松下電器株式会社は、現在本件商標を使用しているので使用証拠を提出する。

乙第1号証は九州松下電器株式会社が販売している統合OAシステムソフトウエア「PANAPIOS」の販売のために配布する説明資料であり、この説明資料の第16ページ目にイメージ文書管理のための参照用ソフトを示す名称として「PANAVIEWER」を表示している。そして、本件商標が「電子応用機械器具(医療機械器具に属するものを除く)」について使用されている事が明らかである。また、インターネット上で次のアドレス「http://www.kme.mei.co‐jp/panapios/index.htm」にアクセスすることにより統合OAシステムソフトウエア「PANAPIOS」の情報を閲覧することができ、その中の「製品情報」の文字をクリックすることにより製品一覧が表示され、オプションソフトウエアの一つとして「PANAVIEWER」が表示される。

(4)以上により、本件商標は、被請求人の関係会社である九州松下電器株式会社により本件審判請求前から「電子応用機械器具(医療機械機具に属するものを除く)」について使用されていたことは明らかであるから、請求人の請求には理由がない。

4 商標権者に対する当審の審尋

被請求人は、平成11年5月25日付け提出の答弁書において「PANAPIOS」の説明書を提出し、その中のイメージ文書管理の参照用ソフトに本件商標の「PANAVIEWER」を使用している旨主張しているようであるが、該ソフトは機械の一部に組み込まれているものなのか、又は単独でも販売されているものなのか回答されたい。

なお、単独で販売している場合には、単価、販売数量,カタログ等を提出されたい。

5 審尋に対する被請求人の回答

(1)「Panaviewer」と名付けた文書管理用ソフトの注文を受けると、その注文に応じて当該ソフトをフロッピーディスクに記録し、このフロッピーディスクに商標「Panaviewer」を付したラベルを張った上で販売している。(添付別紙「フロッピーディスク」の写し参照)

(2)本件商品に関する単独の紙媒体カタログ等はない。

(3)以下の証拠により、本件審判提起より遡って3年以内に本件商品が実際に販売されたことが明らかである。その際の単価についても以下の証拠に記載されているとおりである。

[乙第2号証について]

乙第2号証は、平成10年6月、松下グループの販売会社である中国松下システム株式会社が株式会社ティー・シー・エスの依頼により、製造会社である九州松下電器株式会社へ当該商品を注文した時の注文書の写しである。伝票の日付は平成10年6月26日であるが、九州松下電器株式会社の担当部門が平成10年6月26日に受け付けている。4項目に「PANAVIEWER」を含む名称の商品が挙げられている。当該商品の品番はKNS−SPV0401であり、100台分1式で金額は570,000円と記録されている。

[乙第3号証について]

乙第3号証は、前述の乙第2号証が示す注文を受けて九州松下電器株式会社が中国松下システム株式会社(中国MS)へ納品した際の納品通知書の写しである(上段)。4番目の項目に前述の品番KNS−SPV0401の商品が挙げられている。なお乙第3号証の下段は別件の納品通知書であり、本件商標とは関係はない。

[乙第4号証について]

乙第4号証は、平成9年9月29日、松下グループの販売会社である関西松下システム株式会社が、製造会社である九州松下電器株式会社へ当該商品を注文した時の注文書の写しである。品名の項目の5行目の項目に「PANAVIEWER」を含む名称の商品が挙げられている。当該商品の品番はKNS−SPV0301、数量は1、金額は34,200円と記録されている。

[乙第5号証について]

乙第5号証は、前述の乙第4号証が示す注文を受けて九州松下電器株式会社が関西松下システム株式会社(関西MS)へ納品した際の納品通知書の写しである(上段)。5番目の項目に前述の品番KNS−SPV0301の商品が挙げられている。なお乙第5号証の下段は別件の納品通知書であり、本件商標とは関係がない。

(4)当該商品の利用希望者に提示している価格は、端末1台のみにインストールについて、30,000円、端末10台以内のインストールについて、200,000円、端末40台以内のインストールについて、600,000円、端末100台以内のインストールについて、1,000,000円、端末250台以内のインストールについて、1,500,000円、端末500台以内のインストールについて、2,000,000円、端末1000台以内のインストールについて、3,000,000円である。

なお、ホームページにアクセスして統合OAシステムソフトウエア「PANAPIOS」の情報を表示し、その中の「製品情報」の文字をクリックすることにより製品一覧が表示される。その中の「PANAVIEWER」文字をクリックし、さらに次ぎの画面の価格表の文字をクリックすることにより、上述の単価が表示されるものである。

6 当審の判断

被請求人が本件商標を使用している証拠として提出している乙第1号証は、被請求人と資本関係において密接な関係を有する「九州松下電器株式会社」の統合OAシステムのソフトウエアである「PANAPOIS説明資料」であり、その第16頁の「6−2イメージ文書管理」の項目にソフト名として「PANAVIEWER」が記載されているところである。

そして、乙第2号証〜同第5号証の注文書及び納品書(写し)によれば、「PANAPIOS」のソフトを記録したフロッピーディスクには「PANAVIEWER」なる商標を付し、これが平成10年6月25日及び平成9年9月29日に製造販売元である九州松下電器株式会社より「中国松下システム株式会社」及び「関西松下システム株式会社」に他の機器と共にそれぞれ1台販売されているこを窺い知ることができる。

そして、該フロッピーデスクに付されている商標は、本件商標と社会通念上同一性を有する商標と認められるものである。

してみれば、本件商標は、本件審判請求の予告登録前3年以内に、日本国内において、資本関係等において密接な関係にあり通常使用権者ともいえる「九州松下電器株式会社」によって、取消請求に係る指定商品中の電子応用機械器具の部品及び附属品である「PANAPOISシステムのソフトを記録したフロッピーディスク」について使用されていたものと判断するのが相当である。

したがって、本件商標は、商標法第50条の規定により取り消すべき限りでない。

よって、結論のとおり審決する。

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