Trademark Appeal Case
欧文略語の称呼認定
本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。
基本情報
| 審判番号 | 平成9年審判第7871号 |
|---|---|
| 審判種別 | 不服 |
| 結論 | 敗訴(請求棄却) |
理由テキスト
1 本願商標
本願商標は、別紙に表示したとおりの構成のものであり、第25類「洋服,コート,セーター類ワイシャツ類,寝巻き類,下着,水泳着,水泳帽和服,エプロン,えり巻き,靴下,ゲートル,毛皮製ストール,ショール,スカーフ,足袋,足袋カパー,手袋,布製幼児用おしめ,ネクタイ,ネッカチーフ,マフラー,耳覆い,ずきん,すげがさ,ナイトキャップ,ヘルメット,帽子,ガーター,靴下止め,ズボンつり,バンド,ベルト,靴類(「靴合わせくぎ・靴くぎ・靴の引き手・靴びょう・靴保護金具」を除く。),靴合わせくぎ,靴くぎ,靴の引き手,靴びょう,靴保護金具,げた,草履類,運動用特殊衣服,運動用特殊靴(「乗馬靴」を除く。),乗馬靴」を指定商品とし、西暦1994年10月15日ドイツ連邦共和国においてした商標登録出願に基づいてパリ条約第4条により優先権を主張し、平成7年2月14日に登録出願されたものである。
2 原査定の引用商標
原査定において拒絶の理由に引用した登録第669045号商標(以下、「引用A商標」という。)は、別紙に表示したとおりの構成のものであり、昭和38年3月28日に登録出願、第17類「被服、布製身回品」を指定商品として、同40年3月2日に登録され、同じく登録第2077738号商標(以下、「引用B商標」という。)は、別紙に表示したとおりの構成のものであり、昭和58年7月8日に登録出願、第22類「短ぐつ、長ぐつ、婦人ぐつ、オーバーシューズ」を指定商品として、同63年9月30日に登録され、同じく登録第407129号商標(以下、「引用C商標」という。)は、別紙に表示したとおりの構成のものであり、昭和24年10月29日に登録出願、第7類「他類に属しない金属製品、但し竃、こん炉、厨炉、暖炉、火鉢、及其の類似商品を除く」を指定商品として、同27年1月10日に登録され、いずれもその商標権が現に存続しているものである。
3 当審の判断
本願商標は、別紙に表示したとおりの構成のものであって、その構成下部には、「A.R.T.」の欧文字が、デザインして表されていると容易に認識されるものと認められる。この点について請求人は、「A.R.T.」として認識することは必ずしも容易でない旨主張しているが、欧文字をこの程度デザインした態様で表すことは近年において普通に行われ、目にするところであるから、前記のとおり容易に認識されるものであり、請求人の主張は、採用できない。
そして、本願商標中の前記「A.R.T.」の欧文字がデザインして表されていると容易に認識される部分(以下、「本願文字部分」という。)は、その「A」,「R」及び「T」の欧文字にそれぞれピリオドが付されているため、何らかの欧文略語を表記するものと理解されると認められる。
ところで、欧文略語には、欧文字のみで略したことを示すピリオドを付さない形のもの、ピリオドを付した形のもの及びその両方を使用しているものがあり、その読み方についても英語風に読める場合はそのように読んでいる場合もあるし、そうでない場合もあり、一定しておらず、また、重要人物を意味する「VIP(V.I.P.)」のように「ビップ」及び「ブイアイピー」の二つの読み方がされる語もある。
そして、「A.R.T.」又は「ART」と表示される欧文略語があるかについて調査したところ、
「ART」を「advanced passenger train 超速旅客列車」, 「asphalt residual treating 重質油接触分解プロセス」を意味する語として収録している辞典(「ビジネスマンのための欧文略語情報辞典」38頁 日刊工業新聞社昭和60年6月30日発行)が見受けられるが、広く知られている欧文略語とまではいえない。
そうしてみると、前記のような欧文略語に関する表記と読み方の実情を考慮すると、欧文略語を表したとみられる本願文字部分は、ピリオドが表記されているとしても、「エイアールテイー」と称呼される以外に、「アート」と称呼されることも少なくないものと判断するのが相当である。
この点について請求人は、重要人物を意味する略語の「V.I.PJが、「V.I.P.」とピリオドを付して表記されている場合は、本来「ブイアイピー」と読むのが正しく、これを「ビップ」と読むのは明らかに誤りであり、そのような読み方をあり得る読み方として容認できない旨審決例を示して主張し、これを本願文字部分に当てはめれば、これから自然に生ずる称呼は「エイアールティー」のみであり、「アート」の称呼を生ずるとした認定には誤りがある旨主張するが、前記のとおり判断できるものであり、請求人の主張は、採用できない。
一方、引用A商標、引用B商標及び引用C商標(以下、あわせて「引用各商標」という。)は、その構成文字からみて、「アート」と称呼され、これより「芸術」,「技術」の意を観念することが多いものと認められが、引用B商標及び引用C商標については、英語の「art」を大文字で表記したものとみられる以外に、何らかの欧文略語を表記したものとみられる余地もあり、その場合には、前記の欧文略語に関する表記と読み方の実情からすると、「エイアールティー」と読まれても不自然ではないものといえる。
以上のようにみてくると、本願商標は、本願文字部分より引用各商標と同一の「アート」の称呼を生じ、又、引用B商標及び引用C商標との関係では同一の「エイアールティー」の称呼を生ずる欧文略語とみられる余地もあるから、その外観が、引用各商標と明らかに異なることを考慮しても、取引において混同を生ずるおそれがあり、引用各商標と称呼上類似する商標というべきである。
また、本願商標は、引用各商標の指定商品と同一又は類似する商品について使用するものと認めることができる。
したがって、本願商標は商標法第4条第1項第11号に該当するとの理由により、本願を拒絶した原査定は、妥当であって取り消すことができない。
よって、結論のとおり審決する。
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