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結論

敗訴(請求棄却)

第4条第1項第11号「称呼・観念類似と外観非類似」の商標審決・判断理由(審判番号:不服2011−5132(T2011−5132/J1)|請求不成立)

審判番号
不服2011−5132(T2011−5132/J1)
審判種別
不服

事件のポイント・要約

対象商標
本件商標(図形等・本文参照)
争点(論点)
称呼・観念類似と外観非類似
適用条文
第4条第1項第11号
指定商品・役務の区分
本文参照
最終結論
請求不成立(敗訴(請求棄却))

この審決(審判不服2011−5132(T2011−5132/J1)・不服)は、本件商標について、商標法第4条第1項第11号への該当性が争われた事例です。主な争点は「称呼・観念類似と外観非類似」です。特許庁は「本件審判の請求は,成り立たない」と判断しました(請求不成立)。類似する商標を出願する際は、本件の判断枠組みを踏まえて称呼・外観・観念や指定商品の重なりを事前に確認することが重要です。

※ 上記は審決公報の本文から自動で整理した要約です。正確な内容は下記の公報原文をご確認ください。

結論テキスト

本件審判の請求は,成り立たない。

理由テキスト

1 本願商標

本願商標は,別掲のとおりの構成よりなり,第35類に属する願書記載のとおりの役務を指定役務として,平成22年5月19日に登録出願され,その後,指定役務については,原審における平成22年9月27日付け手続補正書及び当審における同23年3月7日付け手続補正書により,第35類「配電用又は制御用の機械器具の小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供,電池の小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供,電線及びケーブルの小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供,電気アイロンの小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供,電気式ヘアカーラーの小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供,電気ブザーの小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供,電気通信機械器具の小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供,電子応用機械器具及びその部品の小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供,電球類及び照明用器具の小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供,家庭用電熱用品類の小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供」に補正されたものである。

2 引用商標

原査定において,本願商標が商標法第4条第1項第11号に該当するとして,本願の拒絶の理由に引用した登録第1799340号(以下「引用商標」という。)は,「アトム」の文字を書してなり,昭和48年5月9日に登録出願,第11類に属する商標登録原簿記載のとおりの商品を指定商品として,同60年8月29日に設定登録され,その後,2回にわたり商標権の存続期間の更新がされ,さらに,指定商品については,平成17年11月2日,第7類,第8類,第10類,第12類,第17類及び第21類に属する商標登録原簿記載のとおりの商品と,第9類「配電用又は制御用の機械器具,回転変流機,調相機,電池,電気磁気測定器,電線及びケーブル,電気アイロン,電気式ヘアカーラー,電気ブザー,電気通信機械器具,電子応用機械器具及びその部品,磁心,抵抗線,電極」及び第11類「電球類及び照明用器具,家庭用電熱用品類」に指定商品の書換登録がされ,現に有効に存続しているものである。

3 当審の判断

(1)本願商標と引用商標の類否について

本願商標は,別掲のとおり,上向きの三角形の右に「TOM」の文字をやや重ねながら書し,そのうち「TO」の文字の上に「アトム」の文字を書し,「アトム」の文字の右上に,円弧の一部のような曲線を2本並べて表してなるものであるところ,本願商標からは,「アトム」の文字部分より,「アトム」の称呼が生じ,「アトム」は「原子」の意味を有する語(「コンサイスカタカナ語辞典 第4版」株式会社三省堂)であるから,「原子」の観念が生ずる。

一方,引用商標は,前記2のとおり,「アトム」の文字を書してなるから,これより「アトム」の称呼及び「原子」の観念が生ずる。

そこで,本願商標と引用商標を比較するに,両者は,構成全体の外観は相違するとしても,「アトム」の称呼及び「原子」の観念を共通にするから,互いに紛らわしい,類似の商標というのが相当である。

(2)本願商標の指定役務と引用商標の指定商品の類否について

本願商標の指定役務は,いずれも,ある特定の取扱商品の小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供であるところ,これらの取扱商品は,いずれも,引用商標の指定商品中,第9類及び第11類に属するものの一部と同一であるから,本願商標の指定役務は,引用商標の指定商品と類似のものである。

(3)小括

以上のことから,本願商標は,引用商標に類似する商標であり,かつ,引用商標の指定商品と類似の役務について使用をするものであるから,商標法第4条第1項第11号に該当する。

(4) 請求人の主張について

ア 請求人は,本願商標の外観全体を観察すると,「アトム」の文字の右上に曲線2本(以下,単に「曲線2本」という。)が表されていることによって,「電波のような波を発振する動的な原子」という観念が生ずる旨,主張する。

しかしながら,取引者,需要者が曲線2本を見ても,何を表したのか判じ得ず,これと「アトム」の文字を関連づけて,「電波のような波を発振する動的な原子」を常に観念するとはいい難く,請求人が平成22年9月27日付け意見書で述べるとおり,本願商標からは単に「原子」の観念が生ずるというのが相当である。

したがって,請求人の上記主張は,採用することができない。

イ 請求人は,取引の実情として,称呼のみをもって商取引を行うことは極めてまれであり,称呼において共通することがあり得ることのみをもって,直ちに本願商標と引用商標が類似するとはいえない旨,主張する。

しかしながら,上述したとおり,本願商標と引用商標は,称呼が共通するだけでなく,観念も共通するものである。

そうとすれば,本願商標と引用商標は,互いに紛らわしい,類似の商標というのが相当であるから,請求人の上記主張は,採用することができない。

ウ 請求人は,これまで長年にわたって全国的に商標を使用しているが,引用商標との間で,商品及び役務の出所の混同が問題になったことはないから,本願商標は登録されるべきである旨,主張する。

しかしながら,商標権は,設定登録の日から10年存続し,その後も,更新されることによって,半永久的に存続することもあり得るものであるから(商標法第19条第1項及び第2項),本願商標と引用商標との間で,これまでに出所の混同がなかったことをもって,将来にわたっても出所の混同がないと断定し,本願商標を登録することはできない。

したがって,請求人の上記主張は,採用することができない。

(5)結語

以上のとおりであるから,本願商標が商標法第4条第1項第11号に該当するとして本願を拒絶した原審の判断は,妥当であって,原査定を取り消すことはできない。

よって,結論のとおり審決する。

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