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結論

勝訴(請求認容)

商標「VALENTINO STEFANI」の著名商標の略称の混同(第4条第1項第15号|審判平成11年異議第90011号)

審判番号
平成11年異議第90011号
審判種別
異議

本文で言及されている区分

事件のポイント・要約

対象商標
本件商標「VALENTINO STEFANI」
争点(論点)
著名商標の略称の混同
適用条文
第4条第1項第15号
指定商品・役務の区分
第25類
最終結論
登録取消(勝訴(請求認容))

この審決(審判平成11年異議第90011号・異議)は、本件商標「VALENTINO STEFANI」について、商標法第4条第1項第15号への該当性が争われた事例です。主な争点は「著名商標の略称の混同」です。指定商品・役務は第25類に属します。特許庁は「登録第4185854号商標の商標登録を取り消す」と判断しました(登録取消)。他人の周知・著名な商標と出所混同を生じるおそれがないか、出願前に使用状況まで含めて確認することが重要です。

※ 上記は審決公報の本文から自動で整理した要約です。正確な内容は下記の公報原文をご確認ください。

結論テキスト

登録第4185854号商標の商標登録を取り消す。

理由テキスト

本件商標登録第4185854号(平成8年8月22日出願、平成10年9月11日設定登録)は、願書に記載した商標のとおりであり、その指定商品は商標登録原簿記載のとおりである。

これに対して、平成13年9月7日付けで下記の取消理由を通知し、期間を指定して意見書を提出する機会を与えたが、商標権者からは何らの応答もない。

そして、上記取消理由は妥当なものと認められるから、本件商標登録は、この取消理由によって、取り消すべきものである。

よって、商標法第43条の3第2項の規定に基づき、結論のとおり決定する。

記

1 本件登録第4185854号商標(以下「本件商標」という。)は、平成8年8月22日登録出願、商標の構成を「VALENTINO STEFANI」の欧文字とし、第25類「洋服,コート,セーター類,ワイシャツ類,寝巻き類,下着,水泳着,水泳帽,和服,エプロン,えり巻き,靴下,ゲートル,毛皮製ストール,ショール,スカーフ,足袋,足袋カバー,手袋,布製幼児用おしめ,ネクタイ,ネッカチーフ,マフラー,耳覆い,ずきん,すげがさ,ナイトキャップ,ヘルメット,帽子,ガーター,靴下止め,ズボンつり,バンド,ベルト,靴類(「靴合わせくぎ・靴くぎ・靴の引き手・靴びょう・靴保護金具」を除く。),靴合わせくぎ,靴くぎ,靴の引き手,靴びょう,靴保護金具,げた,草履類,運動用特殊衣服,運動用特殊靴(乗馬靴を除く),乗馬靴」を指定商品とするものである。

2 登録異議申立人(以下「申立人」という。)の主張の趣旨及び甲第7号証、同第13号証ないし同第62号証(枝番を含む。)を総合して検討すれば、次の事実が認められる。

「VALENTINO GARAVANI」(ヴァレンティノ ガラヴァーニ)は1932年イタリア国ボグヘラで誕生、17才の時パリに行き、パリ洋裁学院でデザインの勉強を開始し、その後フランスの有名なデザイナー「ジーン・デシス、ギ・ラ・ロシュ」の助手として働き、1959年ローマで自分のファッションハウスを開設した。1967年にはデザイナーとして最も栄誉ある賞といわれる「ファッションオスカー(Fashion Oscar)」を受賞し、ライフ誌、ニューヨークタイムズ誌、ニューズウィーク誌など著名な新聞、雑誌に同氏の作品が掲載された。これ以来同氏は、イタリア・ファッションの第1人者としての地位を確立し、フランスのサンローランなどと並んで世界三大デザイナーと呼ばれ国際的なトップデザイナーとして知られている。

我が国においても、ヴァレンティノ ガラヴァーニの名前は前記1967年(昭和42年)のファッションオスカー受賞以来知られるようになり、その作品は「Vogue(ヴォーグ)」誌などにより継続的に日本国内にも紹介されている。

昭和49年には三井物産株式会社の出資により同氏の日本及び極東地区総代理店として株式会社ヴァレンティノヴティックジャパンが設立され、ヴァレンティノ製品を輸入、販売するに至り、同氏の作品は我が国のファッション雑誌や業界紙、一般新聞にもより数多く掲載されるようになり、同氏は我が国においても著名なデザイナーとして一層注目されるに至っている。

以上のとおり、ヴァレンティノ・ガラヴァーニは、世界のトップデザイナーとして本件商標が出願された平成8年8月当時には、既に我が国においても著名であったものと認められる。

同氏の名前は「VALENTINO GARAVANI」「ヴァレンティノ・ガラヴァーニ」とフルネームで表示され、このフルネームをもって紹介されることが多いが、同時に新聞、雑誌の記事や見出し中には、単に「VALENTINO」「ヴァレンティノ」と略称されてとりあげられており、ファッションに関して「VALENTINO」「ヴァレンティノ」といえば同氏を指すものと広く認識されるに至っているというべきである。そして、「VALENTINO GARAVANI」(ヴァレンティノ・ガラヴァーニ)氏がデザインした婦人服、紳士服、ネクタイ、バッグ、靴、ベルト、アクセサリー等のファッション関連の商品は、「VALENTINO GARAVANI」「VALENTINO」「ヴァレンティノ・ガラヴァーニ」「ヴァレンティノ」の商標(以下、これらの商標を合わせて「引用商標」という。)をもって我が国の取引者、需要者の間に広く知られていたというべきである。

3 さらに、当審において調査するに、「ヴァレンティノ ガラヴァーニ」「VALENTINO GARAVANI」は、我が国においては、「ヴァレンチノ」、「ヴァレンティーノ」あるいは「VALENTINO」とも略されて表示されていることは、田中千代著同文書院1981年発行「服飾辞典」550頁、山田政美著(株)研究社1990年発行「英和商品辞典」447頁、金子雄司ほか著岩波書店1997年発行「世界人名辞典」84頁において裏付けられるばかりでなく、雑誌における表現においても、たとえば、「marie claire」(中央公論社)1996年2月号、「non−no」(集英社)1989年12月5日号等からも認められる。

4 以上の事実よりすると、申立人は、引用商標を婦人服を始めとし、紳士服、ネクタイ、バッグ、靴、ベルト、アクセサリー等のファッション関連の商品に使用しており、その結果、引用商標は、遅くとも本件商標の登録出願の時には、既に我が国において、取引者、需要者の間に広く認識されていたといえるものである。

5 他方、本件商標は、その構成中に「VALENTINO」の文字を有するものであり、前記認定したとおり「VALENTINO」は周知なものであるから、本件商標において「VALENTINO」の文字は重要な意味を持つ言葉と認識される。そして、本件商標の指定商品は、引用商標が使用されている被服等と同じファッション関連の商品である。

6 そうすると、本件商標を、商標権者がその指定商品について使用した場合、これに接する取引者、需要者をして、周知商標である引用商標を連想させ、本件商標が付された商品が引用商標の一種ないし兄弟ブランド、ファミリーブランドであるなどと誤解し、あたかも上記デザイナーである「VALENTINO GARAVANI」(ヴァレンティノ・ガラヴァーニ)又は、同人と組織的・経済的に何らかの関係にある者の業務に係る商品であるかのように、商品の出所について混同を生ずるおそれがあるものというべきである。

したがって、本件商標は商標法第4条第1項第15号に違反して登録されたものであるから、同法第43条の2第1号に該当する。

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