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結論

勝訴(請求認容)

商標「リストデジタルカメラ」のリスト型カメラの識別力(第4条第1項第16号・第3条第1項第3号|審判不服2000−16149(T2000−16149/J1))

審判番号
不服2000−16149(T2000−16149/J1)
審判種別
不服

本文で言及されている区分

事件のポイント・要約

対象商標
本件商標「リストデジタルカメラ」
争点(論点)
リスト型カメラの識別力
適用条文
第4条第1項第16号・第3条第1項第3号
指定商品・役務の区分
本文参照
最終結論
拒絶査定取消・登録(勝訴(請求認容))

この審決(審判不服2000−16149(T2000−16149/J1)・不服)は、本件商標「リストデジタルカメラ」について、商標法第4条第1項第16号・第3条第1項第3号への該当性が争われた事例です。主な争点は「リスト型カメラの識別力」です。特許庁は「原査定を取り消す」と判断しました(拒絶査定取消・登録)。商品の品質や用途を直接表す語は識別力が否定されやすいため、出願前に造語化や図形との組合せを検討することが有効です。

※ 上記は審決公報の本文から自動で整理した要約です。正確な内容は下記の公報原文をご確認ください。

結論テキスト

原査定を取り消す。
本願商標は、登録すべきものとする。

理由テキスト

1 本願商標

本願商標は、「リストデジタルカメラ」の片仮名文字を標準文字により表してなり、願書記載の第9類及び第14類の商品を指定商品として、平成11年10月4日に登録出願されたものであるが、指定商品については、同12年10月11日提出の手続補正書により、第9類「時計の機能を有するデジタルカメラ」及び第14類「デジタルカメラの機能を有する時計」と補正されたものである。

2 原査定の拒絶の理由

原査定は、「本願商標は、『手首』等の意を有する『リスト』と、『フィルムの代わりに、メモリーに画像を記録するカメラ』をいう『デジタルカメラ』の文字を『リストデジタルカメラ』と書した構成よりなるものである。ところで、読売新聞には、次のような記事が見受けられる。(1)『切手サイズのメモリーカード 対応の腕時計型プレーヤー発売 松下が東芝と開発』の見出しのもとに『松下電器産業は9日、音楽データーをインターネットから取り込んで聴く際などに使う次世代の記録媒体として、東芝などと共同開発した切手サイズの“SDメモリーカード”を6月30日に発売すると発表した。カードに対応した携帯型の音楽プレーヤーも同時に売り出す。東芝も松下と同時にカードの発売を予定している。SDカードは、インターネットで配信された音楽の不正コピーを防止する機能がある。...将来はデジタルビデオカメラで撮影した動画なども記録できる大容量型を開発する。同時に発売する音楽プレーヤー(49800円)は腕時計やペンダントのようにして携帯でき、...』(2000.5.10)、(2)『情報端末、腕時計型に カメラ、オーディオ、電話も 日本メーカー相次ぎ発売』の見出しのもとに『◆巻き返しの原動力? 個人用情報機器として携帯性・ファッション性に優れたリスト型(腕時計型)端末が急浮上してきた。...これらを可能にしたのは、バッテリーの小型化など広範にわたる技術革新だが、製品化に必要な微細加工技術は日本の時計メーカーが最も得意とするところ。衣服のように身に着ける“ウエアラブル”の一つとして、“リスト型端末時代”の到来を予言する声も聞かれる。...“リストドリーム”と銘打った商品群の1つとして昨年GPS(衛星利用の位置測定システム)内蔵ウオッチを発売したカシオ計算機が来月30日に発売するのはリストオーディオプレーヤーで、5月からはリストカメラも発売する。...一方、ソニーが商品化した腕時計型ワイヤレスリモコンは、携帯型MD(ミニディスク)プレーヤーの操作用。・・・』(2000.2.25)、上記の記事の内容からすると、我が国の広範にわたる技術革新により、個人情報機器として携帯性・ファッション性に優れたリスト型(腕時計型)端末が浮上してきており、色々な商品が相次いで商品化される、ことが予測されているところである。そして、出願人に関する記事ではあるが、朝日新聞には次のような記事が見受けられる。『デジカメ・音楽プレーヤー機能搭載腕時計 カシオ、春から順次発売』の見出しのもとに『カシオ計算機は3月から、腕時計に音楽プレーヤーの機能をつけた“リストオーディオプレーヤー”と、腕時計にデジタルカメラの機能をつけた“リストカメラ”を順次発売する。デジタルカメラや音楽プレーヤーは小型化が進んでいるが、腕時計と一体化するのは初めて。・・・』(2000.1.7)また、例えば『腕時計』が『リストウォッチ』、『手首に巻くバンドや飾り』が『リストバンド』といわれているところである。そうとすると、技術革新により携帯性・ファッション性に優れたリスト型の商品が相次いで商品化されるということ、さらに、出願人に関する記事であるが『腕時計にデジタルカメラの機能をつけた商品』が発売されることからすると、『腕にはめるデジタルカメラ』といった意味合いを看取させる本願商標をその指定商品中例えば上記商品に使用しても単に商品の品質を表示しているものといわざるを得ない。したがって、本願商標は、商標法第3条第1項第3号に該当し、前記商品以外の商品に使用するときは、商品の品質の誤認を生じさせるおそれがあるから、商標法第4条第1項第16号に該当する。」旨認定、判断し、本願を拒絶したものである。

3 当審の判断

本願商標は、上記のとおり、「リストデジタルカメラ」の片仮名文字よりなるところ、その構成中の「リスト」の文字が「目録、名簿、手首、経済学者の人名、作曲家の人名」等の意味(広辞苑 第5版)、及び「デジタルカメラ」の文字が「フィルムの代わりに、メモリーに画像を記録するカメラ」の意味(情報・知識 imidas 2003 137頁 株式会社集英社)を有する外来語として、それぞれ知られているところである。

そして、本願商標の構成中の「リスト」の文字部分が「手首」の意味を有する語として限定して理解される場合があるとしても、これらが結合した「リストデジタルカメラ」の文字よりは、直ちに原審説示のように、「腕にはめるデジタルカメラ」といった意味合いを看取させるとまではいい難く、例えば、「ハンディーカメラ」または「ポータブルカメラ」のよう、特定のカメラを表す語として、直接的、具体的に認識されるものともいえないものである。

さらに、上記2の原審における拒絶の理由中の「リストカメラ」の文字に関する新聞記事例は、全て請求人(出願人)本人の商品に関する記事であって、本願商標の登録出願日(平成11年10月4日)以後の平成12年(2000年)以降に掲載されたものである。

加えて、当審において職権をもって調査したところ、請求人(出願人)以外の者が、該「リストデジタルカメラ」の文字を特定のカメラの品質、効能、用途等を表示するものとして、普通に使用している事実を見出すことができなかった。

そうとすれば、該「リストデジタルカメラ」の文字が一般用語として、取引者、需要者の間に定着するに至っているともいえないものである。

してみると、本願商標は、商品の品質を表すものとして認識され得るものではなく、全体をもって、一種の造語を表したものとして認識されるとみるのが相当であって、これをその指定商品に使用しても、自他商品の識別標識としての機能を十分果たし得るものであり、また、本願商標は、前記1のとおり、指定商品については、補正されているものであるから、これを指定商品に使用しても、商品の品質について誤認を生じさせるおそれはなくなった。

したがって、本願商標が商標法第3条第1項第3号及び同法第4条第1項第16号に該当するとして、本願を拒絶した原査定は、妥当ではなく、取消しを免れない。

その他、本願について拒絶の理由を発見しない。

よって、結論のとおり審決する。

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